21世紀大学
今日は、まったく状況の異なるシチュエーションで、2度「国士舘大学」という名前が登場した。
そういうときは、深い理由もなく、「何かの縁だな」と思うようにする。で、どうせならということで、さっき国士舘大学のホームページをみてみた。
ちょっと驚いたのだが、ここには「21世紀アジア学部」という名前の学部があるようだ。初めて知った。
重要な名称に、このように「時間的概念」を入れてしまうと、あとあとその解釈が難しくなったりするので、不利なのである。たとえば「プログレッシヴ・ロック」というジャンル名なんかがそうだ。あるいは、TMネットワークの「Get Wild」は名曲だが、「Get Wild '89」になると、ちょっと冗長なダンス・チューンになってしまったせいか、魅力を感じないし、何より曲名がいつまでたっても80年代の気分のままなのが致命的だ。せっかくの名曲が、時代の楔に固定されてしまった。ザ・ポリスの「高校教師 '86」もしかり。そして藤子不二雄が手がけた代表的なマンガ作品を挙げよといわれて、『21エモン』という作品をどれだけの人がそのとき想起するだろうか。
というわけで、
21世紀アジア学部および21世紀アジア学科も、2050年あたりを過ぎたころに、「この学部名を変えたほうがいいんじゃないか」と誰しもが思うことになるんじゃないのか。
煮え切らないのは、そういうことが往々にして予想されるはずなのに、そういう名称を決める立場にいる人たちっていうのが、だいたいは2050年ごろのことなんて知ったこっちゃない、と構えている人たちで、それでいて何らかの仕事をした気分になっている可能性が高いってことだ。
自分の履歴をたどるときに「すでに存在しない名称」を生涯心に刻みながら歩まなくてはいけないというのは、平和な時代であれ平和じゃない時代であれ、なんだか切なくならないか。
「こう言ってやりたい、お二人の、ご清潔で、未来感喪失がまったくなかった育ちがうらやましいよって。それに、世界をブレーキ跡だらけの下着みたく、ぼくらに平気で手渡したことで、首を締めあげてやりたい」 from 『ジェネレーションX』、p.86
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Comments
藤子F不二夫の「21エモン」なんてゆうのは、もう論外ですね。
モー娘。の「ラブレボリューション21」もしかり。
僕の恋は未だ進化しないままです。
Posted by: suzaken | 2008.07.17 22:20
suzaken>なにウマイことオチをつけてんですか(笑)
ところで、さっきブログの本文に「21エモン」のことを付け加えて加筆したんですが、その直後にコメント欄をみたらこの書き込み・・・もしかして、僕が書く前から「21エモン」のことを思ってたりしました? あまりのタイミングにびっくりです。
Posted by: HOWE | 2008.07.17 22:26