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2008.08.29

むかしのオールスターの件

私が大学1回生の年、プロ野球のオールスターゲームでこのような出来事があった。
パリーグがリードした9回裏、最後のバッターであるセリーグの松井の打席に際して、パリーグの仰木監督はファンサービスのために、イチローをピッチャーとしてマウンドにあげた。(もともとイチローは高校までピッチャーをしていた)

しかしそれをみたセリーグの野村監督は、松井に代えて、ピッチャーの高津を代打として打席に送った。

当時の私は、「せっかくのファンサービスに水をさして・・」と思っていた記憶がある。

ちなみに当時発行した『HOWE』でも、「'96 夏の名言」というコーナーを設けて、
仰木監督「ピッチャー、イチロー」
野村監督「代打、高津」

と、ちょっとしたネタとして書いていたりする。確かに私はこの件について何らかの感想を当時から抱いていたのだと思われる。

でもちょっとオトナになった今、このことを振り返ると、やはり自分も野村監督の下した決断がきわめて妥当だと思うようになった。難しいところではあるが、その場その場のファンサービスよりも、選手の将来を守るために、やはり本職のバッターに打たせるわけにはいかないのだ。オールスターというお祭りの場だからとはいえ、いやむしろお祭の場であるからこそ、そこに登場する選手の「価値」にむやみにキズをつけるのはいただけないのである。
しかも代打に指名されたピッチャーの高津は、当時野村監督の指揮していたヤクルトの選手だから、自分の責任のもとでアフターフォローもできる。代打に送る選手としては最適の人選だった。

この件については、いまもネットで議論がみうけられる(こちら)。いろんな意見があって、いい。

この出来事のことを最近ふと思い出したことから、こうしてブログに書いてみたわけだが、10年もたつと、同じ出来事に対する自分の反応も変わってくるもんだなぁ、ということを少し実感した。


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