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2008.09.05

無印良品の新製品アイデアノート

「無印良品モノづくりコミュニティ『みんなの文房具』」というサイトで、9月に発売予定のあたらしい3種類の「アイデアノート」が紹介されている。
消費者の人気投票アンケートで上位になった企画が商品化された模様。
くわしくは(こちら)。

無印なら、何かおもしろい商品をだしてくるんじゃないかと期待させる(消費社会の甘い誘惑だ)。
しかも「アイデアノート」なんていわれた日にゃ、いてもたってもいられない。
なので、まだ商品の実物を見ていない段階で、いろいろコメントしてみる。

その1、「クリアケースで、表紙ができたノート」

ちょっと待ってくれ。なんだか日本語が変な感じもする。
その商品名でいいのか・・・? という気もしてくる。
最初にみたとき、意味がつかみにくかった。

つまりこういうことらしく、

03_img_02

うむ、やはりこれだったら、商品名はシンプルに「クリアケースが表紙のノート」でいいじゃないか。
「クリアケースで表紙ができた」という文言は、どちらかというと「開発者の苦労を知って!」みたいなサイドに寄っていて、消費者寄りでないから、よけいに分かりにくいんじゃないか。私がマーケティング担当なら、「そのネーミングはやめておきましょう」と進言したい。

ともあれ確かに、こういうノートはありがたいかもしれない。とくに旅行のときなど。で、旅行に便利であるならば、それはすなわち文化人類学科的フィールドワーク的にも有効なツールになりうるのでは。


その2、「切り取れるノート」
(なんだか「ドラえもん」の道具紹介みたいなノリをうっすら感じつつあるが)

こんな感じ。

03_img_04

さすが無印、アクションもどことなくシンプルで。
何も書いていないのに、ノートのページをさっそく破っている。
そんなに慌てるなよ、と言ってあげたいが。

で、これについては素朴な疑問が。

これって、大昔からある「フィラーノート」とどう違うの?

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コクヨ製。

しかもフィラーノートは2穴リング用の穴もデフォルトで開けられているので、無印のこのノートよりも「破ったあとのファイリング」という点では有利だ。
唯一無印のノートに分があるとすれば、A4サイズで「無地」という点か。フィラーノートは、調べたらB5サイズでしか無地がないようだ。

ちなみにこの無印のノートをみて私がすぐにフィラーノートのことを思い出したのは、仕事で携わっている「寄贈資料の整理作業」を通じて、膨大な資料を残した当事者の方が昔からこのフィラーノートを愛用していたことを知ったからである。それこそ「ヘビーユーザー」ばりに使いまくっていて、「なるほど、これはこの人の知的生産にとって有用なノートなんだな」ということを強烈に印象付けられたからである。

あとこの無印のノートのコンセプトについて個人的に思ってしまうことは、「メモ感覚で自由に書いて、どんどん切り離せるノートとはいっても、値段が300円もするノートに、適当なメモは心理的に書きにくい」ということだ。少なくとも私は、そういう用途のために300円のノートは使わない派だ。


さて、その3。「いろいろ付箋紙ノート」
むぅ、やはり「ドラえもん」っぽい響き。

こんな感じ。

04_img_11

ノートのなかにふせん紙がいろんなサイズで収納されているようだ。最大のメリットは、ノートの表紙にふせん紙が守られて、破損が防げるという点だろう。これも旅行には便利かもしれない。

ただ、これもデメリットをあげるとすると「700円も支払って買うほどの商品なのか?」ということだ。私は無印に対してもケチな消費者マインドで臨む(笑)。だって、その気になれば、いろんなサイズの付せんを適当な枚数で割って、裏に両面テープでとめて、手帳なりノートに貼り付けておけば、コストゼロで自作できるはずだぞ。

無印で付せん紙といえば、以前発売されていた、とても濃い色のビニール質の小さい付せんで、透明プラ板に貼り付いていたバージョンがとてもよかった。最近みかけないので絶版になったかもしれない。あれは色だけでなくサイズも絶妙によかったので、それこそ手帳に両面テープで貼り付けて使っていたりもした。あそこまでオリジナリティのある色鮮やかなふせん紙を作ってはじめて、私は無印を「買う」という選択になる。

そんなわけで、厳しい意見を書いたが、でも常に改良や値下げを検討する無印良品なので、そのへんは期待を込めて見守っていきたい。「クリアーケースが表紙のノート」は、アイデア次第で面白い使い方ができそうなので、これは店頭で実物をみるのが楽しみである。

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Comments

クリアファイルのノートは便利そうですね。
昔、バインダーに雑誌の切抜きを入れていた事を思い出しました。無印のサイトも見ましたが、普通に楽しんでしまい、細かい突っ込みは出てきませんでした。さすがです。

Posted by: クリス | 2008.09.08 00:22

クリス>そうそう、雑誌の切抜きを、半透明ファイルケースの表面とかに入れますよね。ああいうのに僕はこだわってしまいます。
無印にツッコミを入れたくなるのは、たまに製品を改良したり、リニューアルしたりする会社だから、「おお、そうきたか」と、なんだか挑発される感があるからかもしれません。

Posted by: HOWE | 2008.09.08 21:17

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