研究方法のアイデアとしての「デイリーポータルZ」
先週もそうだったが、今日のデイリーポータルZの古賀及子さんの記事がまたしても秀逸。「しがらみだらけの大人買い」(こちら)。
デイリーの記事で2回読み返したのって久しぶり。
思えば、古賀さんの2年前の記事「どうでもいいことを大々的に宣伝します」は、いまだに私にとっての「ベスト・オブ・デイリーポータルZの記事」である(こちら)。
この人の問題意識のひねり出し方とか、結論にいたるまでのプロセスの鮮やかさだったり、文章や図表で読み手の気をそらさない工夫とか、そういうところはいろいろ参考になる(たとえば、意図的に写真を斜めのアングルにずらして提示することで、記事にリズム感や躍動感を出し、かつ画面からはみだすほどの近距離で対象物の写真をみせる。いかにその対象物に古賀さんが食いついているかが伝わってくる)。
昔から「デイリーポータルZの記事は、人文社会系の、とくにフィールドワーク的な研究のアイデアに参考となりそうなものが多い」と思っている。あと、「いざ行動をはじめてしまえば、取材の中で得られたものを基にして、限られた紙幅でそれを人にうまく説明しつつ、無理やりでも『結論』を出さないといけない」というライターの切迫感や緊張感っていうのも、実に興味深いわけである。まさに卒論そのものだからだ。
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