エル・ゴラッソの『Jリーグプレイヤーズガイド』が妙に愉しい本である件について
ここ数年間、Jリーグをあまりちゃんと観ていなかったが、今シーズンはぜひ生で観戦する機会を増やそうと思っている。
なので、シーズン開幕当初のこの時期に書店に並ぶ、いわゆる「選手名鑑」のたぐいをチェックしていたのだが、私は今日まで、エル・ゴラッソがそのような名鑑を出していることを知らなかった。(エル・ゴラッソとは、2004年にまず関東圏のみで創刊された日本初のサッカー専門新聞だ。週3回発行のピンク色の新聞として、ちょっと前からは関西圏でも販売を開始して、駅の売店などで見かけるようになった)
どうやら今年で3年目になるらしいのだが、そのエル・ゴラッソがつくる『Jリーグプレイヤーズガイド2009』は文庫本サイズの、とてもコンパクトな選手名鑑だ。
で、パラパラと立ち読みをしているうち、なんだかこの本はどこか妙だな、と気付いた。
選手ひとりひとりへの解説文において、半分マジメで、半分ファニーな内容となっていることが多いのだ。
なので、ついこの本を買ってしまった。
たとえばこの本の冒頭で紹介されるチームは、J1の最北チームとして「モンテディオ山形」になるわけだが、1ページ目に掲載されている選手の紹介文を少し引用すると、
背番号5 MF 渡辺匠
フィールド中央で的確なコーチングや見方への鼓舞など、声でチームを引っ張る精神的支柱。足の手術も乗り越え、08年終盤に復活。彫りが深くワイルドな顔立ちだが、実家のいわき市に戻れば、祖母や姪っ子にメロメロになる。
背番号6 MF 宮崎光平
08年は主にスーパーサブとして出場し、リードした試合を決定づける仕事で活躍。昨季の6得点はすべて途中出場で挙げたもので「ミスター3点目」の異名も取った。ズボンの後ろのポケットが緩く、財布を何度か落としている。
といった調子で、「そんな情報いらないだろう普通」というようなことを、かなり多くの選手に対して記載しているのである。このほかにも「天然パーマと剃ったばかりなのにそう見えない濃いヒゲがトレードマーク」だの「2トップの相棒を選ばない高い柔軟性は生活面でも生かされたようで、山形弁のマスターも早かった」だの、書きたい放題である。
おかげですべてのページ、すべての選手紹介に目を通してみたくなるわけだ。
そして、いままでぜんぜん知らなかった選手に対して、妙な親しみ(?)すら沸いてきたりする。
そうすると、がぜんサッカー観戦が楽しくなってくるわけだ。
さすがサッカー専門新聞エル・ゴラッソ。これまでにない、かなりファニーな選手名鑑となっている。
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Comments
あれっ?amazonレビューも兼ねていると踏んだんだが、違ったようだ。この名鑑のレビューはまだ0件だったよ。
普通のコメントです。深読み要らず。笑
Posted by: тоётти | 2009.03.15 01:26
тоётти>コメントをどうも(笑)。や、アマゾンで2009年版が見つからなかったんで、レビューしていない、というパターン(笑)。で、いま改めてちゃんとみたら、ありましたね。また書いておきます。ていうか、もっといろんな人がこの名鑑について語っていると思いきや、意外に反応薄いんだよな。たぶんエルゴラッソらしからぬ、表紙のデザインのダサさゆえに売れていないのかも(笑)
Posted by: HOWE | 2009.03.15 09:47