太った猫の説教
このまえロンドンでG20サミットが開かれた際、イギリスのブラウン首相が、この経済不況を招いた原因でもあるヘッジファンドの投機的な動きにたいして批判し、その演説を翌日の大衆紙が
「太った猫の説教」
と評していたらしい。
太った猫というのは、「金持ちで豊かな生活をしている人」のたとえであるわけで、実際にブラウン首相が猫っぽいわけでもなんでもないわけだが。
ともあれ、
「ふーん」といいたくなる、たいしたことのない話ではあるが、
でもよくよく冷静になって考えてみたら、新聞で「太った猫の説教」と揶揄されるっていうのは、なんだか可笑しさを誘う。
日本の夕刊紙でさえ、自国の首相にそんな表現は用いないような気がする。
この、すさまじくズケズケした物言いをサラッとこなすあたり、なんだかうらやましさすら感じる。
なんというか、「単なる悪口」のように聴こえないというのが、ポイントなのな。
「悪口と揶揄の違い」みたいなところ、というか。
そのへんの微細な違いは意識しておきたい。
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