STUDIO VOICEの休刊
雑誌『STUDIO VOICE』が休刊というニュース。
ついにこの雑誌まで・・・という気持ちだ。
たしかに、気になった号でもほとんどを立ち読みで済ませてきた自分も罪悪感があるわけだが。
こういう雑誌が扱っているサブカルチャーの情報が、いくらネット社会でたくさん手に入るからといっても、雑誌や新聞は「予期せぬ新たな情報との出会い」があるからこそ価値があると思うので、やはり雑誌というメディア形式がこうしてどんどんなくなっていくのは損失が大きい気もする。
そしてスタジオボイスは、絶対に捨てられない号というのもある。もはや雑誌というより、ひとつの貴重な書籍として愛され続ける号だ。自分にとっては『マンチェスターのロック特集』だったり。
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スカパーの「ミュージック・エア」というチャンネルが好きでちょくちょくつけている。これも雑誌の機能といっしょで「予期せぬ出会い」がある。しかもこのチャンネルは「誰も知らないような古いロックバンド」が得意なのである。それなりに欧米では知られているのだろうけど、まずもって二度とお目にかかれないような演奏VTRがダラダラ流れているときがあって、つい見入ってしまう。
そうしてさっき感銘を受けたのが「The COWSILLS」。ネットで調べたら、そこそこ有名なグループらしいのだが、日本語のウィキペディアには載っていない。
でもさすがYoutube、ちゃんと動画がある。
踊っているだけの女の子もたぶんメンバー。
こうして、忘れかけられている物事が、ネットのアーカイブ的機能によりその存在をあらためて知られることになっていく。そういう時代だからこそ、「誰かがセレクトして作った情報のカタマリ」としての雑誌メディアの意義ってじゅうぶんあるような気がする。まぁ、突き詰めていけば個人個人がそういうカタマリを作っていく時代でもあるんだろうけどね、いつものDIY美学でいえば。
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Comments
そっか、残念と思いながら、自分も立ち読みしてた口で。前に、映画関係雑誌が休刊したときに、同じようなこと思ったんだけど。それとは、別に大手出版社がネットで公開というニュースもあって、雑誌も変わってくるんだね、きっと。
Posted by: usahana | 2009.07.04 23:27
所有欲を書き立てるものが少ないのが原因でしょうけれど。
ちなみに、雑誌はまず買う派(苦笑)
情報を摂取するだけでなく、ヒトとの間を取り持つコミュニケーションのツールであり、インテリアの一部ですから。
WIREDといいweb提供になると、印刷屋を通さなくて良い分、
すぐ原稿が載せられるから、全体的に力が入っていない薄味になる気がするんですよねぇ…。
Posted by: T氏@もうすぐネパール | 2009.07.05 01:26
usahana>ネットで公開・・・となったときに、果たして以前と同様に読むかどうかって微妙なところなんですよね。むずかしい時代です。
T氏>そうですね、印刷屋を通す「熱意」みたいなものが感じられるのが雑誌のいいところかもしれません。
Posted by: HOWE | 2009.07.05 22:39
この雑誌は、「何かいまいち分からんが、とにかくかっちょいい雑誌」と、若かった時代の私はたま~に買ったりしてました。
休刊・・何だかね~。
私的には「オリーブ」が休刊になった時はそうとうショックだったな~。
Posted by: tomo | 2009.07.06 01:36
tomo>そうか、オリーブって今はないんだよな。オリーブ世代っていう言い方も、歴史を含んでいるんですな。
Posted by: HOWE | 2009.07.07 00:07
ちがうよ。「オリーブ少女」だよぉ(笑)。
Posted by: tomo | 2009.07.08 00:11
休刊か~
それはショックでかい・・・
図書館で舐めるように読んだの思い出します。
HOWEさんにも最初、この雑誌がらみで話かけた気がします
Posted by: sidou | 2009.07.08 22:54
姉>そうか、そうだった。あれは少女、だったんですね。
sidou>お久しぶり。そうだった、ちょうどZINE特集が出ていた頃だったっけなぁ。
うちの大学はあの雑誌を購入していたんだよね、すごいことです。
Posted by: HOWE | 2009.07.08 23:23