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2009.11.24

こうして

明日は休みをもらい、祖母の葬儀に参列する。
山口県周南市に向かう。
次にここに行く機会が、一番哀しい用事になってしまうとは。

親や姉たちはすでに山口におり、お通夜に出ていた。
さっき電話がかかってきて、電話の背後で聴こえる家族の話声を聞いてはじめて、そういえば家族全員で田舎に集まること自体が、かなり珍しいことではないかということに気付く。すくなくとも祖父が亡くなったとき以来だろう。
こういう機会がないと、なかなかできないことというのは、確かにある。

今日の仕事場では、「よくあること」が満ちた感じの日だった。いつものようなことが、いつものように、起こった。
急な感じで舞い込んできたイベントのお知らせに対して、急いでチラシをひとつ作ってみたり。そしてある学生さんが、自らの置かれた境遇をネタに笑い飛ばすような感じの世間話で話しかけてくれて、その他愛もないやりとりが心地よかった。どこを捉えても見事なまでに、何気なく過ぎていく、なだらかな日だった。
そして、そういう「ありふれた感」、僕の好きな曲名でいえば「オーディナリー・ワールド」(デュラン・デュラン)な感じが、こういうときにはいつにも増して精神的に落ち着くなぁと実感した。

こういう日々のことも、ちゃんとブログで書き残そうという意識が最近は強い。
なにげない、どうしようもない記録でも、またどこかでこのネットのよくわからない電脳空間のハードディスクのなかで残っては、どこかで掘り返されたりする、その可能性のほうに寄っていたい。
だから、祖母が亡くなったことも、そのあと僕がどう思ったかということも、こうして残しておこうと思った。
(ブログを開設してから、身内が亡くなったのははじめてだ)

もちろん、ブログを続けるモチベーション全般にいえることだが、結局のところブログについては「ドキュメンタリー」だと思っていて、ドキュメンタリーという概念が好きな自分にとってはうってつけのツールなんだろうと思う。
それプラス、そう、ヴィム・ヴェンダースを意識して、ちょっとカッコつけて「ロード・ムービー」のようなテイストを目指したくなるときもある。そうかと思えばヘンなニュースを紹介したりサッカーを語ったりする場所になったりと、ブログはいろいろな自分の自意識を反映している。

デュラン・デュランの『オーディナリー・ワールド』。

これとは直接関係ないけど、ヴェンダースの映画が好きなのは、彼もまた「旅」と「ロック」と「人生」を、映像というメディアを通して追求していることにある。音楽が大好きな人のつくる映像って、映像がまた音楽になっているから、響き方がまた味わい深い。


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