落書きをした気分
ちょっとした自己宣伝。
先週、南陀楼綾繁さんの新しい著書『一箱古本市の歩きかた』が光文社新書から発売された。
南陀楼さんが仕掛けてきた、「一箱古本市」という町ぐるみのブックイベントについて、その実施経緯や他の地域への波及など、事細かにまとめている本だ。「果たして本当に本は読まれなくなったのか? 本との新しい付き合い方っていうものがあるんじゃないのか?」という問いかけが貫かれている内容である。
そして、これも南陀楼さんが手がけた例の「フリーペーパー展」についても本の後半で触れられている。
で、「なぜフリペを紙で作るのか?」という問いかけにおいて、僭越ながらタテーシも、フリペ『HOWE』の作者として、ちょっとしたコメントを載せていただいた。興味のある方は探してみてください。
それにしても、ついにフリペ『HOWE』というものが、一般で流通する書籍のなかでその存在を刻んでしまったことに、なんともいえない嬉しさと罪悪感の混じった気分が沸き起こる。例えて言うなら、公共空間における落書き/グラフィティを描いて逃げてきたような気分に近いかもしれない。ロックファンの高校生が衝動的に作った、どうしようもないフリペが、14年経って、新書のなかでチョロッと現れてしまった。「すいません、最初はそんなつもりじゃなかったんですけど、つい楽しくって、ここまで描きまくってしまいました」と、落書きを描いて逃げている気分、まさに。
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Comments
そのまた昔(学生時代)、
ある場所でカメラのインタビューを向けられて、
出るとは思わないけど出てしまったら恥ずかしいと思い、こうすれば採用されないはずと思って、
ずっとカメラ目線で感想を述べたことがありますが、そのときの感じと似てますか。
似てると答えてください。
ちょっと、違うか…。
Posted by: ヒロポン | 2009.12.01 00:07
おぉ!
ちょうど今日、偶然一箱古本市(たぶん広島)の様子、という写真をネットで見たとこ。
シンクロだー!
Posted by: りえぞ~ | 2009.12.01 00:54
ヒロポン>公共に向けてというより、テレビ番組をつくる人に対してのみ、という範囲では、同じようなことかもしれません(笑)
りえぞ~>おおおシンクロニシティ~。そういうの最近多いよなぁ。
Posted by: HOWE | 2009.12.01 22:23