落ち着かない写真
“ゴジラ”松井秀喜は、かなりの読書家だと以前なにかで知って、すごくそのことが印象的であった。なのでそれ以来、どれほど高みに上ろうとも自己管理を徹底できる精神鍛錬も怠らず、ちゃんとマスコミ応対もキビキビと誠実にやってのけるあたり、松井は自分の考え方や言葉にも自信を持っている人なんじゃあないかと思っている。読書が好きな人っていうのは、少なくともそうじゃない人よりも「何かを追い求め続けたいチカラ」みたいなところで、タッチの差で強いはずだ。そしてそれは持久力をゴールのみえないところまで引っ張っていく試みみたいなものだから、それはそのままアスリートとしての自己探求にもうまくかみ合わせていくと、すごいところまでいけるんじゃないのか、と。
なのでこの間の大リーグのワールドシリーズで松井がMVPを獲ったのも嬉しかった。
で、とたんに話題は関係ないところに飛ぶが、インターネット上では「これまでの松井の歩み」みたいな写真がいくつか並べられていた。
そのなかからピックアップしたいのがこれ。
巨人時代の松井。
ゴジラがゴジラに対面。
カメラマンへのサービス。
まぁ、よくあるヒトコマであろう。
しかし気になるのはゴジラたちの背後だ。
一番左にいる女性の番記者は、見覚えがある。かの長嶋茂雄の横にいつも張り付いていた記者さんだ。いつもスポーツニュースをみるたびに姿がカメラに収まっていた。
なので、往々にしてこの写真の背後にいる人物が誰なのかは推測しやすいのである。
でもよりによって、こういう状況で、そういう立ち位置ってどうなんだか、と苦笑しまくりである。
結局はゴジラ2匹よりもミスターなのかよ、と。
(そもそも他にゴジラ同士の2ショットをきれいにおさめた適当な写真はなかったのかよ、っていう気分にもなるな)
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アスリートと読書という関係でいえば、最近やたらと野村元楽天監督の書籍が平積みになっているが、たしかに野村監督の言うことの面白さを考えると、あれらを一気に読んでしまいたい気分でもある。
最近、故郷の京丹後市の名誉市民第一号に選ばれた際、号泣したそうで。
野村監督の皮肉っぽい一面ばかりを想像してしまう私にとっては、意外に素朴な一面を見せられて、なおさらグッときたではないか。たたき上げの苦労人がみせる純朴な側面というのに私は弱い。
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