さて今日はひさしぶりに「忘れないでおきたいニュース」がみつかった。
こういうニュースこそ、忘れないで記録・記憶しておきたい。
「子供の夢収めたビデオカプセル、千葉県が紛失」(3月24日10時6分配信 読売新聞)
リンクは(こちら)。
ニュースの出だしの文章が
千葉県は23日、11年前の県民の日のイベントで収録した「ビデオカプセル」を紛失した、と発表した。
とあって、この時点でなんだかもう、「そうかぁ・・・発表したかぁ・・・」っていう、やや脱力感に似た気分に見舞われる。味のあるイントロ。
以下、記事貼り付け。
子どもたちが将来の夢などを話した様子がビデオに収められ、20歳になったら受け取れるはずだったが、県も委託業者も保管していることすら忘れ、当時の参加者から問い合わせを受けて捜したが、見つからなかった。
記者会見した赤塚稔・環境生活部次長は「皆様に深くおわびします」と陳謝した。
1999年6月に千葉市の幕張メッセで開かれた「わくわく県民まつり」のイベントの一つ。小学生以下の子どもが対象で、1人につき約3分間収録した。県と事業を受託した幕張メッセ(旧・日本コンベンションセンター)によると、最大120人を収録する予定だったが、申込書も一緒に紛失したため、被害者も人数も特定できていない。ビデオを2025年まで保管する事業内容だったが、業者との契約に保管は含まれておらず、県の担当課でも引き継がれていなかった。
問題が発覚したのは昨年8月。鎌ヶ谷市の女性から「子どもが20歳になるので取りに行きたい」と県に連絡があったが、県も幕張メッセもビデオの存在を把握しておらず、倉庫などを捜したが出てこなかった。県は19日、女性に電話で謝罪したが、「納得はしないが、これ以上言っても仕方ない」と言われたという。
ということだ。
(こういうオウンゴール的なミスは自分もしてしまいがちなので、よけいに反応してしまうわけだが)。
今回のこれはお役所仕事の真骨頂と言われても仕方がないケース。
ひょっとして当時の千葉県の担当者は、「どうせ誰も覚えていないだろうしー」みたいな気分でいたのかもしれない。「わくわく県民まつり」なんていうダサいネーミングを誰も疑わないぐらいだから、なおさら。
年数から判断すると、つまり当時ビデオを撮った小学生の年齢はバラバラで、そうして随時20歳になったら受け取れる手立てになっていたのであろう。
そうなると、なおさらビデオの管理は大変かもしれない。毎年バラバラに受け取り請求があって、その都度当時の記録と照合してビデオを渡すことになる。そして何より、ひょっとしたらほとんどの場合は、子どもも親もビデオの存在を忘れていて、そのまま2025年まで手つかずにビデオが放置されていく可能性もあった。
まぁ、そういう可能性もすべてひっくるめて、千葉県はこのたび「すべてなくなりました」と、ある意味ロック精神ばりに潔くすべてをオジャンにしてしまったわけだ(そうして、もし仮に将来ビデオがみつかったとしても、たぶん何事もなかったかのように処分されるんじゃないかと)。
あぁ、当時すでにYouTubeみたいなネットサービスがあれば・・・とはいえ、それはそれで夢のない話。
あと、「20歳になったから、ビデオを受け取りにいこう」と思った親御さんは偉いな、と。どこかに記録していたのだろうか。「そういえば、ビデオ撮ったよね」って具合に。
ともあれ、いま流行りのコトバで言うところの「リマインダー」の重要性を示した出来事であるといえる。それこそタイムカプセルを仕込むということは、それを企画した人たちの仕事場においても「もうひとつのタイムカプセル」のようなものを抱えないといけないのである。「うわ、10年前の引き継ぎ事項が今になってやってきた!」っていう。
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