『バグダッド・カフェ』を観たものの
長いこと「いつか観なきゃ」と思いながら、結局観ることがなかった映画のひとつがこれだった。
ようやく最近観た。気合いを入れて観た。
だが、
あまりピンとこなかった。
アマゾンのレビューをみてみると、多くの人々が情熱的に賞賛しており、
「心のきれいな人にしか理解できない」みたいなことも書かれていて
「むぅ、そうなのか・・・」となったり。
で、ついさっき、この映画がピンとこなかった理由のひとつが分かった。
「移動がない」のである。
この映画は、ひたすら砂漠のモーテルが舞台となっている。
移動のないなかで、ひたすら人間ドラマの機微を読み取らないといけないのである。
私には苦痛なんだろう、そういうのが(笑)。
や、なんでもかんでも、「移動のある映画」=ヴィム・ヴェンダースのロード・ムービー的なものが好きであると言い切るわけでもない。
(まぁ、でもやっぱり年に一回は無性に見直したくなる映画はヴェンダースの『都会のアリス』だったり『さすらい』だったり、あと移動距離でいえば地球上を飛びまくるロケ地獄の作品(笑)『夢の涯てまでも』だったり、思い切り長距離移動のありまくるダラダラ映画が多いわけで)
(↑ちなみに『夢の涯てまでも』はU2、REM、ルーリード、エルビスコステロ他、超豪華アーティスト陣によるサントラ盤がもんのすごく良い!)
さらにいえば、、
たとえば「同じ場所でじっくり話が展開する映画」だったら、『ダイ・ハード』だってそうだ、といま気づく(笑)
「ダイ・ハード」の第一作目は超高層ビルだし、一番好きな二作目は空港だ。移動がない。同じ場所だ。
でもあれはアクション娯楽映画として素晴らしいのであって、『バグダッド・カフェ』と比べたらそれこそファンに怒られそうだな。
でもこの発見から導き出された「アート的要素の強い映画の場合、『移動』があるかどうか」というのは自分なりの新しい評価基準かもしれない。
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Comments
ほな、今度見ますわ。
Posted by: ヒロポン | 2010.10.04 00:34
好きな映画です。が、理由は忘れました。サントラもあるのに・・・。
好きな作品には必ず「移動」があるという人が、私の近くにもいます。歩いたり旅行だったり・・・、景色が変わっていくのがいいとか。
Posted by: キョ | 2010.10.04 14:04
ヒロポン>どっち?『バグダッド』か『夢の涯てまでも』か?(笑)
キョ>おー、やはり移動フェチ(?)がいるんですね。なんかこう、旅映画って好きなんですよね。旅行はモロに移動がテーマだったりするんで。
Posted by: HOWE | 2010.10.04 22:28