ロイ・キーンがいたころ
このあいだの試合で、マンチェスター・ユナイテッドはアウェイでアストン・ビラと試合を行い、2点を先行されながら、なんとか1点ずつ返して、試合終了5分前ぐらいで2-2の同点に持ち込んだ。
2点目が入ったときに、たまたま生中継を目にしていたのだが、こうしてユナイテッドの面々はアウェイサポーター席に向かって喜びを爆発させていたわけだ。
ただ、
このとき思ったのは、
もちろんサッカーの試合なんだから得点が決まって大喜びすることは悪くないんだけど、
この人がキャプテンだった頃のユナイテッドなら、残り5分で同点に追いついたとしても、何事もなかったかのように急いでボールを引き上げて、センターサークルに戻し、早く試合を再開させ、次の得点を奪いにいったと思う。
この人がキャプテンであり続けた理由は、まさにそういう「底なしの闘争心」をチームスピリットとして体現させてきたからであり、ベッカムをはじめとするスター選手の競演による華やかさと、ロイ・キーンによる狂気にも似た熱い勝負根性が、ファーガソン監督という絶対的な個性のもとでうまく調和していたわけで、それが当時のユナイテッドの「畏敬の念すら抱かせる強さ」の理由であった。アーセナルは「速くて巧い」チームだが、ユナイテッドは「よく分からないがひたすら強い」というチームであった(チェルシーは言うなれば、結局のところ新興の成り上がりチームでしかないので、やはりこの2チームにはまだ及ばないというのが私の印象だ)。
そういう精神性がもし失われつつあるとするのであれば、確かに近年のユナイテッドは「弱体化」してきたと言われても仕方ないなぁと感じた。
先日のあの同点ゴールのはしゃぎっぷりを見るにつけ、「同点になったぐらいでチャラチャラ騒ぐな! 試合はまだ終わってないだろうが!!」というロイ・キーンの怒号が聞こえてきそうだった。
ちなみに最近知ったロイ・キーンの名言。
「Fail To Prepare, Prepare To Fail.」
失敗を怖れるなら、それはすでに失敗しているようなものだ。
■■■■
« しゃぼんな日 | Main | ギターケース対策 »
Comments