昨日のトークイベントについての感想
あらためて、昨日のハヤシマイさんとのトークライヴについての感想。
このことは私もいままで知らなかったことなのだが、パンが好きであるという気持ちをかかえたまま、いったん帰郷して今後のことについて模索していた頃、ハヤシさんはパン屋さんでアルバイトをして、パンの製造に携わっていた時期があったそうだ。
しかしハヤシさんは、
「自分はパンが好きなのだが、自分がパンを作ってお客さんに提供することにはあまり関心がない」
ということに気づく。
ここに気づいたというのは、ひょっとしたら当時はつらいことだったのかもしれないと思う。と同時に、「あ、作る側に立つのは好きじゃないんだ」という気持ちを認めるストレートな素直さというのはハヤシさんらしい気もした。
ただし、ハヤシさんは「それでもパンを使って何かをしたい、という気持ち」はずっとその後も続いたとのこと。このあたりの展開がおもしろいと思った。
「パンを使って何かをする」。
それが何なのかは分からないまま、その後ハヤシさんは美味しいパンを求めて(という理由だけで!)京都に住み始めるわけだが、その後の展開は以前書いたHOWEでも少し紹介させていただいたとおりである。「東風」というパン屋の店長さんに魅力を感じたハヤシさんは、「なんとかこの店長さんから話を聴くことはできないだろうか」と思い、そこで「フリーペーパーの取材ということにしてしまえばいいのではないか」という発想のもとに、「ぱんとたまねぎ」というフリーペーパーを「口実」として創刊してしまうのである。そうして作り続けたフリーペーパーが現在の活躍につながっていくわけだが、あらためて「自分の好きなもの」を追いかけて問いかけるうえでのヒントみたいなものがハヤシさんの話のなかにあるなぁと思った次第である。
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