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February 2011

2011.02.28

英国風パブの魅力を語る

上司のSさんからのリクエスト、その2。ブログにて「英国風パブ」の良さを説明したい。

大学のときに、京都の京阪三条駅隣にある「ピッグ・アンド・ホイッスル」という店に友人に連れられていったのが、私と英国風パブとの初めての出会いである。それ以来、私は何度となくこの店に来ることとなる。私のイギリス/アイルランド好きを助長したひとつの要因がこの英国風パブだと言ってもいいかもしれない。

端的に言うと、お酒をそんなに飲まない私でも楽しく過ごせる、それが英国風パブのすばらしいところである。
カウンターで注文して、その場でお金を払って、あとは座席についたりカウンターで立ったまま飲んだり食べたりして、適当に店を出たり入ったりしてもいいという、この「キャッシュ・オン・デリバリー」のシステムによる「放ったらかし感」がいいのだ。ユルユルなのである。

なぜ日本の飲み屋は、店を出るときに一括会計をするのか。そりゃあそのほうが儲かるからだろうけど、このシステムだと、どうしたってユーザー側は割り勘で支払うことになる。なんで酒が飲めない人が、ガバガバ飲んで食べまくる奴のぶんまで支払わないといけないのか。その不公平感ったらない。つまりのところ、日本の飲み屋というのは、それこそ「飲める奴のためのシステム」でしかないのである。

そこへくると英国式はきわめて民主主義的である(儲かっているかどうかは別として)。飲めない人、そして子どもやお年寄りも気軽に立ち寄れるパブという仕組みを、町中に作りまくったわけである。「パブ」は、そもそも「パブリック」のパブなのである。だから、英国式のパブは、「飲み屋」というジャンルで捉えないほうがいいかもしれない。それは社交場であり、職場と自宅の中間に位置する、いわゆるサードプレイスである。

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これはロンドンを旅して自分がはじめて入った現地のパブだった。ちょうど『TIME OUT』誌を読んでいて、宿泊先の近所のパブで無料のライヴが行われると知って行ったときのことだ。パブのいくつかは、普通にちゃんとしたステージを備えて音楽活動が楽しめる場所も少なくない。

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これはテート・モダンの美術館の近くだったかと思う。ロンドンの中心部だと、やたら立派そうなパブがあちこちにある。ここまでくると、入るのにちょっとした気合いがいるかもしれないが、別に入場料を取られるわけでもなく、そしてカウンターで注文をしなくても、店内をウロウロしてそのまま出て行ってもまったく問題がない(そして私はときおりパブでトイレを借りる)。そういう出入り自由のフリーダムな感じがパブの素敵なところだ。

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パブは昼間から開いているところがほとんどで、手頃にご飯を食べることも可能だ。いままでパブで食べたもので一番おもしろかったのは、このカンガルーの肉のハンバーガーだ。ここは「オーストラリア風パブ」をうたっていた店だった。そしてこれをカウンターで注文するときに店員に肉の焼き具合をレアかミディアムかウェルダンか聞かれたのだが、ヒアリングが出来ずにさっぱり意味が分からないまま数分間もよくわからないやりとりをし続けた苦い想い出もある。

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『HOWE』のイギリス旅行記でさんざんネタにさせてもらった父。これもパブでの昼食風景。お約束のフィッシュ&チップスだが、付け合わせの緑色のポテトペーストが美味だった記憶がある。そして1つの皿を2人で分けて食べている。そう、正直言って分量としては2人がかりで食べてちょうどいい。
でも往々にして、普通のそのへんのパブで食べるフィッシュ&チップスは、日本の英国風パブで食べるそれとほとんど変わらないテイストなので、あれは現地再現度の高い(油っこい)食事であろうと思う。まぁ、フライを揚げるだけだもんな。

ちょっと話が脱線するが、「イギリスにいくと食べ物に困るでしょう」と聞かれるが、たしかにイギリスは食事的にはあまりオススメできないものが多い。
なにせ朝食がいちばんマトモだと言われているわけで、ユースホステルの朝食でもひたすら毎日提供されていたのがこれなのだが、

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でも、なんか毎朝これが楽しみでしょうがなかった。不思議に飽きない。「なんでトマトをわざわざ焼くんだ?」と思いながらも食べ続けていると、だんだん美味しく感じてきたものである。

そして移民の多い国なので、エスニック料理店がどこでもたくさんあるので、そういうところで食事を取っていれば、それなりに楽しめるはずである。

あと、最近すこしずつ日本でも食べられるようになってきた「ケバブ」の屋台やテイクアウトが印象的。主にトルコ系の食べ物だが、羊などの肉と野菜をパンではさんで一緒に食べるスタイルが多い。これは安くて野菜もたくさん食べられて、旅行者にとってはありがたい食事である。

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肉もだいぶ入るのだが、それ以上に野菜がボリュームいっぱいに投入される。

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この大きい肉の固まりがずっと熱せられてぐるぐる回っているわけですな。それを削ぎ切る感じで、薄い肉をたくさんはさんで食す。
正直、マクドナルドとかに行くぐらいなら、こうしたケバブの店を探して食べるほうがよっぽど楽しい。

あぁ、こういう記事を書くと、また何度でもロンドンに行きたくなってくるわけである。


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2011.02.27

紙の音楽会:ありがとうございました

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昨日はご来場いただきありがとうございます。
このように断片くんも喜んでいました。
緊張して一言も発しなかったのですが、ご愛敬ということで。
そのかわり僕らが司会をがんばりました!
オニギリジョーくんもライヴをがんばりましたね!
ライヴの写真をアップしようかと思ったのですが、そういえばジョーくんから「ネットにアップしないでください」っていうお願いがあったことを思い出した。

そして蒼室さんは、『断片くん』を再発したりするのではなく、つぎの新しい作品づくりにさっそく闘志を燃やしていて、その熱さに感銘を受けた次第です。


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2011.02.26

広報担当が試合のメンバーに・・・さすがパンクなサッカークラブ

ドイツ1部リーグのザンクト・パウリ(St. Pauli)。
たびたび話題にしているが、タテーシ的に「今もっとも観に行きたい欧州のサッカークラブ」なのである。
パンク精神あふれる、どうしようもない魅力を放つ謎のクラブなのである。
試合を観なくていいから、とにかくスタジアムにいきたいのである。そういう存在である。
FIFAワールドカップに対抗(?)して、勝手に「FIFIワイルドカップ」という謎な大会を主催し、FIFA未加盟の代表チーム(チベット代表とか)をあつめて大会をやらかしたり(そしてザンクトパウリも勝手に『ザンクトパウリ共和国』を名乗って一緒に試合したり)、あとスタジアムを勝手に「世界遺産」みたいな位置づけにして、テキトーなウソまるだしの案内看板を設営してみたり、なぜかチームウェアはことごとくドクロマーク入りだったり、まぁ、広い世界にはひとつぐらいあってもいいような、「ネタ満載」のクラブなのである。でもそんなチームでも今シーズンは見事に1部リーグで奮闘中なのだから、それは正直にすごいと思う。

だから、さっき知ったこのニュース
「ディフェンダー不足で、広報担当がメンバー入り」
も、ザンクトパウリなら「ぜったい、ネタづくりだろう!?」と思えてしょうがない。

現地時間24日(以下現地時間)、DFの駒不足に悩むザンクトパウリ(ドイツ)が、26日に行なわれるブンデスリーガ第24節のハノーファー戦にクラブの広報担当者をメンバー入りさせるという奇策に出たことが分かった。ロイター通信が報じている。

驚きのメンバー登録を果たしたのは、30歳のハウケ・ブリュックナー氏。選手の台所事情に悩むホルガー・スタニスラウスキ監督から電話を受け、「1時間後に練習場に来るように」と言われたという。

ブリュックナー氏は2001年から07年までザンクトパウリに選手として所属。同クラブが2部にいた02-03シーズンに10試合に出場した経験を持つ。現在はザンクトパウリの広報見習いとして働く傍ら、30歳ながら同クラブのU-23チームでプレーしている。

スタニスラウスキ監督の命を受け、トップチームの練習に参加したブリュックナー氏は、「バッグを持ってロッカールームに入っていったら、選手たちが信じられないといった様子で僕のことを見つめていたよ」「いろいろ冷やかされたけど、僕は彼らのことはよく分かってるからね。その後はうまく溶け込めたよ」とコメントしている。

というわけで、まぁよく読めばそれなりに普段からサッカーをプレーしている人らしいので、さほどの驚きはないわけだが、それでもやはりネタ臭は否めない。
あぁ、ますます目が離せないよザンクトパウリ。
ユニフォームの色が実は微妙にオシャレなカラーリングだったりするので、たしかにこのチームグッズはよく売れそうな気がする。

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で、ついでにザンクトパウリのグッズショップのHPをみたら、これがもう、すさまじくオシャレで、そして販売しているグッズが絶妙すぎて。
ついでに、ガーっと紹介したい(いま急に夜中に目覚めてパソコンに向かっているので、妙なテンションでこのブログをお送りしています)。

たとえば、女性向けのアイテムを見ようとして、まず「woman」をクリックしたら、トップページが
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これだもんなぁ。もはや何かの服飾ブランドのページのノリをそのまま行っている。
サッカーチームらしくない。まぁ、いまさらそんな印象で語ってはいけないんだろう、ザンクトパウリ。

で、女性向けアイテムとしてはこんなものとかが

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Fc0938

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パンクなクオリティ。

これ、本当にサッカークラブのグッズか? と思えてくる。
(個人的にドクロマークというモチーフは好きじゃないんだが)

ほかにも気になったものとして

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ながぐつ!!

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こんなボールで遊びたくないよ!!

そして、カテゴリーのなかに「dog」というコーナーがあって、クリックすると

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まったく可愛げのない犬の写真がイメージ写真ででてきていて笑えるのだが、そこに唯一掲載されていたアイテムが









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ごはん皿!! 
ぜひチャーリーブラウンに差し上げたいよ!!

いやはや・・・

あ、マフラーとかは普通にかっこいい。

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なので、このチームグッズ売り場を目指すだけでも、ハンブルグに行く価値は大いにある。
地元には他にハンブルガーSVという超有名チーム(昔、高原が所属していた)があるが、その日陰の存在的なザンクトパウリ、今後とも要チェック。


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2011.02.24

きなこ柿チョコ

週末のコモンカフェでの『断片くん』発行終了記念イベント、なんと断片くん本人や飴子ちゃんもコモンカフェにやってくる模様! 断片くん自身がツィッターでつぶやいていますが、すでにコモンカフェに到着したようです。土曜日までどうやって過ごすんでしょう。それにしてもよくたどり着いたなぁ。ライヴをやるオニギリジョーくんも喜ぶことでしょう。僕も司会進行がんばります! みなさんも断片くんに会いにきてください。

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職場の人にいただいた、「きなこ柿チョコ」をさっき食べ出したら止まらなくなった。
柿の種に、チョコレートときなこがかかっているのである。
即刻すべての柿の種はチョコ+きなこコーティングしてもらってもかまわない、いやそうあるべきだ、っていうぐらいモリモリ食ってしまった。
昨日録画した昔のローリングストーンズのライヴ番組を観ながら食べた。そういう状態ってなおさらお菓子食べてしまうな。だって「サティスファクション」だもんな(ウソ)。

年を取った影響かストーンズの影響でか、最近はこういうブルースな曲にグッときやすい。

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「ポケットに入れたまま、画面を見ずに次の曲に進ませるボタンが押せない」という操作性の制約それひとつのためだけに、iPod Touchではなくタッチホイール式のiPod Classicを選びそうな昨今。
(6年以上使っている15GBのiPodはさすがに限界がきつつある)

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サッカー専門新聞エル・ゴラッソの担当記者によるユニークな選手紹介がウリの『Jリーグプレイヤーズガイド2011』の選手名鑑が先週末に発売されたので、コートのポケットにいれてヒマさえあればひたすら読み込んで、来るべき新シーズンに備えつつある。

でも今日の帰りの電車で一心不乱に読んでいるところをK嬢に見つかってしまい、「そんな選手名鑑を電車内で読んでいる人なんて初めてみた」と言われた。


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2011.02.23

誕生日問題

統計学の理論で、「ある集団のなかで、同じ誕生日の人がいる確率が50%を超えるには、何人必要か?」という問題がある。
パッと考えると、100人とか1000人とか考えそうになるが、じつは正解は「23人」とのこと。
「そんなに少なくていいのか!?」と思うだろう。

ウィキペディアでも「誕生日のパラドックス」としてじっくり解説されている(こちら)。

いやはや、なんだか不思議な気分である。

その話を最初に知ったときにすぐ思ったのは、「サッカーの試合でグラウンドに立っている22人の選手と1人の審判がいればこの話は成り立つのか・・・」ということだ。
試合を観るのに飽きたら、その場にいる23人の誕生日でも調べてみたらいい。だいたい2回に1回ぐらいは、同じ誕生日同士の人が見つかるということだ。

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2011.02.22

イビチャ・オシム著『恐れるな!:なぜ日本はベスト16で終わったのか?』

 上司のSさんからこの本を借りた。「ぜひブログで書評を」とリクエストをされたので、長文になるかと思うがこの本について述べてみたい。

 (あ、いつもならブログにサッカーのことを書くときは「はじめてサッカーについて触れた人でもそれなりに分かるようなていねいな表現」を心がけているつもりだが、今回はそれをやると冗長になりすぎる感があるので、そのあたりはご容赦を)

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 まずオシム氏自身のことについて。ご存じのとおり4年ほど前に脳梗塞で倒れて日本代表監督を中途で辞任し、その後無事に健康を取り戻したわけで、今回の南アフリカW杯は、スカパーのオフィシャルコメンテーターという役割で、大会中は多くの試合についてオーストリアの自宅近くの特設スタジオからコメントをし続けていた。自分が観たほとんどの試合では、ゲームの前後およびハーフタイムにオシムさんが通訳と一緒にひたすら語りまくっていて「毎日大変だな・・・」と思っていたのだが、この本の「はじめに」では、その役割を引き受けるにあたってやはり健康面においてかなり不安があったことが吐露されており、「だが、『リスクを冒し勇気を奮い立たせろ』と何度も繰り返し提言してきた私自身が、リスクを負わないで日本代表を語れるだろうか」(p.4)と語られており、その鬼気迫る姿勢に感服する。

 ということで、そんなオシム氏が今回のW杯における日本代表にたいして言いたいことを集約すれば、題名にあるように『恐れるな!』ということだ。
 パラグアイにPK戦で負けてベスト16で終わったことについて、「絶好のチャンスを逃してしまった」と悔いている。勇気をもってリスクを冒し、「勝利の5分間」とオシム氏が呼ぶ、自分たちのペースになっていく独特の時間帯を数多く作っていくことが、なぜあの試合でできなかったのかと嘆く。
 「ミスを恐れ、こぼれ球を拾っても、それが攻撃につながらない。ゴールを決めるアイデアにも欠けていた。ドリブル以外のアイデアで組織的に突破しようとする姿が見えなかった。確かに体も頭も疲労のため、動かなかったのはわかる。しかし、相手も同じ条件だ。なぜ、そこで、自分たちは「負けないサッカー」ではなく「勝つサッカー」をするのだという、強い意志を見せなかったのか」(p.73)

 そうしてオシム氏は、最近の傾向として「勝つためのチーム」ではなく「負けないためのチーム」が増えてきており、そこに「ジョゼ・モウリーニョ主義」の影を示唆している。ゆえにスペイン代表(あるいはバルセロナ)のような華麗なパスサッカーが今回のW杯を獲ったことには好意的である。確かに面白いほどパスがつながるようなテンポよいプレーを志して欲しいのはやまやまだが、これからもその「影」との闘い方は続くのであろうし、個人的にはチェルシーFCサポーターとしてモウリーニョには常にリスペクトしたくなるものがあるため(笑)、勝利に徹したリアリスティックな采配ぶりも、どこかで評価しておきたい部分もある。バランスの問題だとは思うが「負けない、という志向」をもつためには、やはり「勝つためのサッカー志向」があってこそ達成できるスキルのような気もするので、ハナから「負けないようにする」という方向性だけを追求しても頓挫するんじゃないか、と思う。

 そのようなことから、オシム氏は日本代表に「勝つための志向をもって、リスクを冒してチャレンジしろ」とひたすら唱え続ける。そして話は日本の教育面についても触れ、「従順な子どもを育てることは、サッカーにおいてはハンデだ」と断言する。指示待ちではなく、自分から率先して行動を起こさなければ、ピッチ上で起こる突発的な問題を解決することはできない、と。これはまさに、最近やたらと言われる「社会人基礎力」みたいなもので(笑)、多くの日本人も「そうそう、そういう人を育てたいよな」と思うだろう。そのうえでオシム氏が面白い表現で言うのは、「もっと『狂気のプレイヤー』が増えて欲しい」ということで、「予想を裏切るプレーをみせる強烈な個性をもった選手」のことなのだが、ここまでくると、「まぁ、日本社会においては往々にしてそういう人って足をひっぱられたり村八分にされやすいよなぁ」とか感じてしまうわけで、なおいっそうこの提言は重要なのである。
 それに関連して、ザッケローニ新監督についても、日本社会のそのような面をちゃんと把握したうえで仕事をするべし、とアドバイスをおくっている。
 「日本人は目上を尊重し、指導者に質問などせずに、そのまま言葉を受け入れる。あるいは言いつけを守るという【しつけ】の習慣がある。(中略)自分で考えずに人に聞くという行為と、自分で考えてわからないことを質問するという行為は根本的に違う。日本人は『自分は何をすればいいか』と人に依存する性質があるが、自分で考えて質問する機会は、あまり多くない」(p.187)
 ということで、これはかつてアーセン・ベンゲルが残した「日本人は、監督の指示には忠実に従うが、それ以上のことをやろうとはしない」という鋭いコメントにも通じている問題である。

 そのほかに膝を打った意見としては・・・よく日本人選手は世界的にも「スピードがある」と評されることが多く、それって本当か? と私は常々感じていたのだが、オシム氏にいわせると「日本人は判断のスピードが遅い」ということで、プレーのスピードと、頭で考えて判断することのスピードの両方を高めていくことが大事だということだ。なので日本のスポーツジャーナリズムが「スピード」というときには、注意深く検討しないといけない。

 また、Jリーグについてもオシム氏は「Jリーグの観客は、もっとサッカーを学ばないといけない」と厳しい。とくに「スタジアムに殺気がない」とのこと。これは非常に難しい論点である。Jリーグがこれまでやってきたことは、とにかく日本という国でサッカーファンを増やすこと、興味を持つ人々の層を拡大させることであったので、スタジアムにおいてもファミリーが楽しめるような世界観を作るべく奮闘し、それは確かに効果的で重要な取り組みでもあった。ある程度その試みがうまくいったのであれば、次なる目標は「殺気づくり」なのかもしれないが(笑)、なかなかそのような激しいプレッシャーや緊張感といったものを、Jリーグで作るのは相当な時間がかかるのかもしれない。まさにそれはサポーターに突きつけられた課題なのかもしれない。
 (ちなみに私の今年の目標は、「なるべくJリーグのスタジアムに足を運ぶ。できれば今まで行ったことのない遠方のスタジアムで試合を観る」ということで、オシム氏の言うことも理解はするが、まずはともあれ自分も改めてJリーグをしっかり応援しよう・・・という気分である。最近は。)
 
 そして最後に「おっ!?」と思ったのは、2014年W杯における日本代表のリーダーとして「中村俊輔」の名を挙げていたことだ。すでに代表引退を示唆している俊輔本人が、そんな気なんてさらさらないような状況ではあるが、あえてオシム氏は俊輔に期待をかけているのが興味深い。これはたしかに私としても同意見である。俊輔はこのままW杯に関わらないというわけにはいかない気がするのだ。その頃は35歳ぐらいになっているかと思うのだが、2002年W杯のときのゴン中山のような、圧倒的な存在感でチームに刺激を与えうる存在となってほしいと思うわけだ。

 というわけで読みどころの多い本であり(たぶんオシム氏が口述したことを誰かが文章にまとめたのかもしれないが)、南アフリカW杯からザッケローニ新監督へと至る時代のスキマに、この知将が何を考えたかをうまく記録した著作である。そしてただひたすらに、イビチャ・オシムという絶好の「ご意見番」を日本サッカー界が得ていることに感謝したい気持ちになる。

 あと、つい忘れがちになるが、ストイコビッチらを擁した1990年代前後の旧ユーゴスラビア代表を指揮していたのがオシム氏であり、その後ストイコビッチも数奇な運命をたどって日本サッカーに大きく関わっていくことになるわけで、私はこの文章を書きながら、「ベンゲル→トルシエ、オシム→ストイコビッチ」という「おそらく未だに影響力が残り続けている2つのライン」を補助線として、Jリーグ創設以降のひとつの日本サッカー、および「日本人論」といったものが描けるんじゃないかという感覚を得た。いつか木村元彦あたりが書きそうなテーマだな。

 
 というわけで、思い出したかのようにアップ。90年W杯のスペイン戦、ストイコビッチのプレーだけを抽出した動画。やはり2:17秒からのビューティフルすぎるトラップ&ゴールは何度観てもしびれますな。ゴールを決めたピクシーがベンチに駆けていって、オシム監督と喜ぶシーンもうかがえる。まさにユーゴスラビアの黄金時代。

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2011.02.19

怒濤の一週間を過ごしています

でも欧州チャンピォンズリーグはなるべくしっかり観ています。元気です。

今週の大きな流れのひとつとしては「木曜日の私塾」が終了しました。たのしかったです。
アートゾーンの学生スタッフさんたちのチームワークに感銘をうけました。
こういう学生時代の過ごし方もあるんだなぁ、という。
たぶん芸大という環境って、「個性」という概念についてそれぞれ独自のスタンスを意識しながら他者と関わっていきやすい/関わっていくことが求められる、そんな場所かもしれない・・・って、また意味のわからんことを書いてしまったが、とにかく、そういう理屈っぽいコトバを無防備に発したくなるのが「私塾」の雰囲気であり、またその場をサポートしてくれた造形大の学生さんたちは「立ち振る舞いとか醸し出す雰囲気が、とてもいい味だしていた」という感想。それが何なのかは、パッと現れては去っていく我々のようなお客さん目線ではわかり得ない領域なのかもしれない。

そして今日は自分の大学で、大きな報告会が開催されて、こちらも学生さんたちの奮闘ぶりにグッときた。
自分があの年で、あのような状況でスラスラとプレゼンができたかどうかはあやしいなぁ、と思った。
いまでこそ人前でしゃべることはわりと平気だが、それは確実に加齢による「オトナ感の向上」に依るものが多いからだよなぁ、と感じつつ。
学生ゆえのプレゼンっていうのは、確実に自分には出せない何かを秘めていた。
イベントの実施に携わったみなさま、おつかれさまでした!

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2011.02.15

Pen3/1号『専門店へ行こう』特集に!!

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午前中、学生のホッシーが仕事場にきて、ついさっき本屋さんで今日発売の『Pen』を買ってきたようで、書店の袋を破って取り出して見せてくれた。
先日のブログで紹介したOnly free paperが表紙になっていて、そして蒼室さんの『断片くん』が表紙に写っているというのを聞いていたので、ホッシーとともに表紙を確認。「おお~、断片くんだ!」となっていて、そしていざ特集記事のページを開くと、かの嶋浩一郎さんがこの店のナビゲート役をしていたようで、「嶋さんのお気に入りをピックアップ」として5誌ほどのフリーペーパーの写真が掲載されていて・・・

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「わー! HOWEが選ばれてる!!」

ビックリ。

とっても。

写真のなかに、『HOWE』20号がしっかりおさまっておりますよ、ええ!
『断片くん』や京都精華大学の『セイカノート』と並んで、HOWEが!

写真の大きさとしては、「表紙に記してある作者名が読めるほど」なので、かなりうれしい。
写真のキャプションのスペースの都合上、『HOWE』については文章のうえで説明はされていないのだが、それがなおいっそう「素性がよくわからない怪しさ」を放っているような感じがでていて良い。
(ちなみによくみると、同じページにある『アンティークの棚を使ったディスプレイ』の写真にも、HOWEとおぼしきフリペが置かれている様子が確認できる)

たしかにお店がオープンした直後、HOWEを郵送させてもらっていたが。
嶋浩一郎さん、HOWEを読んでくれていたのか!! ヒエエエ!! あざーっす!!

それにしても『Pen』のような雑誌に自分のフリペが載るっていう展開は人生でも予想外だなぁ。

そして自分のフリペが載ったということ以上に、この20号の表紙のイラストは父親に描いてもらったものなので、父親のイラストがこういうちゃんとした雑誌に写り込んだということに「してやったり感」がある。
思えばこの号を作るときに最後の最後まで表紙の案が思い浮かばず、フリペのネタとなる旅行が終わった直後のダルダルな状況で父に「簡単でいいから今すぐモンサンミッシェルを描いてくれ」とダメモトでイラストを頼んだら意外なほどあっさり描いてくれたので助かったのだが、その結果がこれだ。いやはや。

昼休みにさっそく父に電話をした。いますぐ本屋に行くようにと伝えたかったが、予想通りそんな題名の雑誌があることを知らなかったので、ひたすら『ピーイーエヌ、ペン、な? ディス・イズ・ア・ペンのペン!」と説明を丁寧に加えた。


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2011.02.14

思想表現の「セレクトショップ」としてのブログ

街を歩くと「セレクトショップ」的なお店が気になる。
どういうものがセレクトショップなのかを定めることは難しいが、オーナーの個人的嗜好が前面にあらわれていて、置いてある商品がやたら少なそうに見えて、いったいこれでどうやってお店が運営されているんだろうと心配にすらなるような、そういう店だ。

そして、ブログを書き続けるということは、思想や表現におけるセレクトショップを運営しているようなものではないかと思う。
コンビニエンスストアとは違って、すべての人に売れるような品物を扱う必要はなく、オーナー独自のセレクトで商品が選ばれ、販売されていく。
そういう意味で、お店を運営するためには仕入れをしなければならなくて、その仕入れと販売のバランスを保つことがブログを書き続けるうえで心を砕くところかもしれない。
しかも、あまり同じような商品ばかりを置いていても、店主にとっても客にとっても面白くない。

セレクトショップを長く続けるコツというのは、おそらく店主のこだわりだったり方向性だったりが、ある程度の数のお客さんに支持されていくことで達成されていくのだろう。
ただしブログの場合は、誰が読まなくても、続けようと思えば続けられるし、そしてそれも十分価値がある。
自分のためのショップとして、好きなだけ運営ができる。そこは実際のお店とは異なるところだ。

実際のセレクトショップにもホームページがあったり店主のブログが更新されていたりするだろうが、そういうブログの中身がやたら営業志向的だったりすると興ざめしてしまうわけで、そういう意味でも「みんな読んでください的なブログ」ではなく、ただひたすらマイペースに好き勝手書き続けるようなブログ、というのがセレクトショップ的な観点からもベターなのだろう、きっと。

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2011.02.13

フリペ専門店Only free paper関連のイベントにあの人も出演!

関東在住の方でこのブログをいつも楽しんでいただいているような「フリペ好き」な方々、ぜひお願いなので私の代わりに行ってきてほしいイベントの話です。ていうかなんとかして自分も観に行くことはできないかどうか、さっきから思案中。

なにがすごいかって、フリーペーパー制作者を代表して、われらが蒼室寛幸さんが出演ですよ!!(ブログ左上に掲示中の2/26『断片くん』イベント@コモンカフェもどうぞよろしくおねがいします)
そしてこのブログでもたびたび言及している、『アイデアのつくり方』の著者であり博報堂ケトルの嶋浩一郎さんと共演っすよ!!(この過去記事とかこの過去記事を参照)
嶋さんとしゃべれるって非常にうらやましい!!
しかも会場はあの@ニフティの誇る「東京カルチャーカルチャー」。すばらしい。

カルカルのHPより転載。

今、フリーペーパーがアツい!協力:Only Free Paper
フリーペーパー・フェスティバル ~読んでる人も、作ってる人も大集合!~

2011/3/15(tue)
Open 18:30 Start 19:30 End 21:30 (予定)
前売り券1500円 当日券2000円(飲食代別途必要・ビール¥600など)

フリーペーパー=クーポンつきの冊子 と思ったアナタ、甘い甘い!日本には1000誌を超えるフリーペーパーが発行されています。ジャンルもファッション、旅行ものから、地方の団体や、学生が発行している情報誌、「中野系」と呼ばれる、個人が発行しているもの、中には囲碁や将棋をテーマにしたオシャレなフリーペーパーまであり、バラエティーに富んでいます。

そんな、魅力あふれるフリーペーパーを一挙紹介。昨年末、渋谷にオープンして以来、1週間で1200人以上が訪れるフリーペーパー専門店「Only Free Paper」の皆さんの協力の元、おすすめのフリーペーパーの制作者にお話を聞いたり、フリーペーパーが大好きなメンバーで座談会を開いたりと、フリーペーパーを読んでいる人にも、作っている人にも楽しめるイベントです!

(予定イベント内容)
第1部:おすすめのフリーペーパー 一挙紹介

1000を超えるフリーペーパーを見てきたほど、大のフリーペーパー好きで、渋谷Only Free Paper代表の石崎孝多さんと、フリーペーパー業界を優しく見つめるOnly Free Paperスタッフの皆さんおすすめのフリーペーパーを紹介。
「街」「学生」「個人」「一般グループ」など様々なジャンルのフリーペーパーの制作者をお迎えして、反響の大きかった特集や、制作秘話などを、あれこれお聞きします。

第2部:フリーペーパー座談会

フリーペーパーが大好きな人間が一挙集結。メンバーは、お気に入りのフリーペーパーは、ずっと保管しているという博報堂ケトルの嶋浩一郎さん、大人気フリーペーパー漫画「断片くん」の作者で、ワークショップも開いている蒼室寛幸さん、「高円寺タウンマガジン SHOW-OFF」編集部員のテリー植田さん、 Only Free Paper代表の石崎孝多さん(他出演予定)。
フリーペーパーに関するお話満載でお送りします。

※当日は、「Only Free Paper」スタッフや、フリーペーパーファンおすすめのフリーペーパーも集結。持ち帰ることができます。(数に限りあり。一人一部のみ)

 【出演】
石崎孝多(「Only Free Paper」代表)他、「Only Free Paper」スタッフ
嶋浩一郎(株式会社博報堂ケトル 代表取締役)
蒼室寛幸(フリーペーパー漫画「断片くん」作者)
他、人気フリーペーパーの制作者のみなさんが続々登場。

【司会】
テリー植田(東京カルチャーカルチャー・プロデューサー/SHOW-OFF編集部員)

ちなみに出演者プロフィールの蒼室さんのところなんかもグッときますんで、そちらもぜひごらんください(リンクはこちら)。

あとですね、学生が作るフリーペーパーについてのイベントもOnly free paperでは開催するみたいですよ。くわしくは(こちら)。

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2011.02.12

footie fashion@Aston Villa

サッカーネタばかりでごめんよ。
でも今突発的に言いたいことがあって、
プレミアリーグ、アストン・ビラFCの今シーズンのアウェイ用ユニフォームがなかなかいいので、広く伝えたいのである。

Villa2ndkit

チームカラーであるクラレット&ブルーの独特の配色を、クロアチア国旗のように市松模様にして、しかもそれを脇の下にラインで通すという、このデザインは近年のサッカーユニフォームでも名作の部類に入るような気がする。
あと、ちょっと分かりにくいがソックスのデザインもさりげなくオシャレ。
もしバーバリーがサッカーユニフォームをデザインしたら、たぶんこうなるんじゃないか、っていう感じもする。

ただ、個人的に残念なのは

・ナイキ製であること(とはいえ、このユニフォームに関してだけは、珍しくサッカーウェアをオシャレにデザインできた例であると評価したい)
・Fx業者のスポンサーがついていることの、なんともいえないダサさ加減

である。それゆえに、レプリカシャツの購入には踏み切れない。

とまぁ、したり顔でフットボールファッションを解説してしまうあたり、ピーコみたいだ。

蛇足だが、「ピーコ」というと、どうしても元京都サンガの守護神、中河昌彦氏を思い出す。彼のあだ名が「ピーコ」で、試合中のサポーターのかけ声は必ず「ピーコ!」だった。そのインパクトゆえに忘れられない選手であったのだが、いま何やっているんだろうとグーグルで調べたら、徳島ヴォルティスのGKコーチをやっていてちょっと嬉しくなった。(彼のツィッターがある!


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2011.02.11

ロンドン五輪スタジアムのその後について

サッカー好きのロンドンっ子(←半分ウソ)としてはずっとこの件に注目しているのだが、2012年のロンドンオリンピックのメインスタジアムが東ロンドンのストラトフォードに建設されていて、五輪が終わったあとのそのスタジアムを東ロンドンにある2つのサッカークラブが「自分たちのホームスタジアムとして利用したい」と申し出ている。

トッテナムとウエストハム、どちらのクラブがスタジアムを利用するか、それが今晩あたりに決定するようなのだが(ニュースはこちら)、ここでわき起こっている議論の中心課題は、ずばり「サッカーのスタジアムに、陸上競技のトラックを残すべきかどうか」である。

2つのクラブは、このオリンピックスタジアムについて異なるアプローチを提示しており、
トッテナム→五輪が終わったあとは、サッカー専用スタジアムとして改装する。
ウエストハム→陸上競技のトラックを残したまま使う。コンサートやその他のイベントにも利用可能にする。
となっており、ロンドン五輪委員会としては、「えーと、私どもといたしましては、ウエストハムFCさんの案のほうがいいと思います」とか言っている様子(ニュースはこちら)。

そして世論調査によりロンドン市民の81%も「陸上トラックは残すべき」と考えているとのこと。

イングランドでは、サッカーは専用スタジアムが「ほぼ常識」な世界なので、このあたりの判断の分かれ目が非常に興味深い。

でもBBCのサイトに掲載されていた絵は、おそらくウエストハム側からの提案の際に作成されたイラストなんだろうけど(サポーターのシャツとかスタジアムの色が、えんじ色とブルーなので)、これをよくみると

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「なんか、これだと陸上トラックがなさそうですが? 普通にサッカー専用スタジアムにみえますが?」
とか思えてきたりして、さらに謎。

ていうか、そもそもだ、ロンドン五輪委員会も、スタジアムのその後の利用方法に最初っから「サッカークラブに譲渡」というプランが少しでもあったのなら、なぜオランダとかのスタジアムみたいに「フィールドを可動式にできる」とかの建設方法を検討しなかったんだろうか? (そのあたりの情報は自分の英語力では読み取れないままで恐縮なのだが)、普通はそこに思い至るだろうに。まぁ、ロンドンだからそこまでのゆとりをもった用地を確保するのはムズかしかったのか。

さらにいうと、ウエストハムのファンでも「慣れ親しんだスタジアムを移転するのはイヤだ」という声があり、ただでさえ現在はプレミアリーグからの降格の危機にさらされている状況を思えば、「なんだかなぁー」という気分でいるのも理解できる。
私もウエストハムのアップトン・パークで2試合ほど観たことがあるのだが、「適度な狭苦しさ」が、よりサポーターのチャント(というか怒号)が響き渡って、雰囲気はいいのであった。

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↑しかも最初のときはアウェイ席で見たから、よけいに激しい怒号のまっただ中。

正直、いまのウエストハムのチームのスケールからいえば、現在のスタジアムが「ちょうどいい」と思えるのも納得する。
そういう意味では、いま(ファニーで老獪な監督のおかげで)欧州チャンピォンズリーグでの活躍ぶりがめざましいトッテナムのほうが、オリンピックスタジアムの規模で試合をするにふさわしい気もするが、それはそれでまた問題があって、ご近所にせっかく宿敵のアーセナルがあって、激しいダービーマッチを繰り広げているってのに、そんな場所を放ってまでテムズ川ぞいに移転するのも興ざめである。

そんなわけで、ロンドンっ子としては(←しつこい)、この件の行く末が気になってしょうがない。

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2011.02.09

『松浦弥太郎の仕事術』

最近、何回か『暮らしの手帖』編集長の松浦弥太郎の本を読んでいて、あれこれとグッときたり「そうかー」となったり。

『松浦弥太郎の仕事術』より、要約抜粋。

「遊ぶために働く」とは、先の楽しみのために苦労と我慢を重ね、その埋め合わせとして遊びで発散するニュアンスがあります。一方、「働くために遊ぶ」とは、まず楽しみながら自分を豊かにし、その豊かな自分を使って仕事というさらなるチャレンジをするというニュアンスがあります。仕事と遊びは厳密に線引きできるものではなく、つながっていると僕は考えます。仕事が我慢と苦労だけだったら、どうして一生懸命にやれるでしょうか。仕事には仕事の喜びと、おもしろさがあります。何より、自分を社会に役立てて人を幸せにするという目的があります。これほど価値があるものを、同じく価値ある私生活ときっぱり区分けする人生など、ずいぶんこぢんまりして、つまらないと思うのです。

あと、最近ことに肝に銘じていることが次のコトバ。

体はいかなる高級車よりも長く使うし、はるかに価値があるものです。このシンプルなのに忘れやすい事実を思い出しましょう。いいものを食べて、できるだけ注意深く、自分という車を良質の燃料で動かしてやろうではありませんか。

いいもの=別に高級食材である必要はなくて、「適切な食べ物」という感じで。
なかなかそれが食べにくい昨今。コストは多少かかるだろうけど、出来る限りちゃんとしたものが食べたい。最近はそう強く思うようになった。

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2011.02.08

チラシの新作

最近つくったチラシ。

Charlton

クリックしたらさらに大きく表示されます。

イベントの詳細については(こちら)もご参照ください。

ちなみに大量の写真でモザイクを構成するやり方としては、外国のフリーソフト「AndreaMosaic」を使ってみた。ワンタッチであれこれ生成されるので、いろんな画像をモザイク処理してみたくなる。

3年間にわたるこの事業の取り組みに関しては、いろんなイベントが大学で行われたので、いっそそのイベントの写真をたくさん使ってみよう・・・となった。
そしてこのデザインにおいては、「文化」というものが、近づくとそれらは別個のものとして捉えられるけど、それらの集積を遠くから離れた視点から捉え直すと、ぼんやりと形作られた「文化」のテキストがみえてくる・・・みたいなメッセージ性を込めてみた。

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2011.02.07

アジアカップ優勝より嬉しがる

学生さんの家に招かれてサッカー好きの方々とウイニングイレブンの最新作をプレイさせてもらい、久しぶりのゲームにワーキャー言いつつ、何回か試合をやるうちに、最終的には学生さんコンビのウルグアイを相手に、一人でアルゼンチンを操って試合して1−0で勝って騒ぎ倒したあげく『君らは練習が足りない』と言い残して興奮のまま帰り道をいく完全に大人げない33歳。

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パウル・シャルナーというサッカー選手

ファンを飽きさせない工夫。

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ちなみにオーストリア出身で、いまイングランドのウエストブロムでプレーしているのだが、ウィキペディアで調べると
2006年夏、「この国は弱すぎてプレーできない」と暴言を吐き、オーストリアサッカー協会、ヨーゼフ・ヒッケルスベルガー監督(当時)、チームメイトと対立して代表引退を表明した。
とのこと・・・フリーダム。

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2011.02.04

サッカー的日常、あるいはエジプトのデモ

ワールドカップのパラグアイ×日本だったり、先日のアジアカップ決勝をともに爆睡して見逃しているような(今日もその件で学生のKさんにツッコミ入れられたり)そんな自分がここでサッカーについてたびたび語ってしまったりすることがなんだか気まずい感もあったりするが、そのかたわらで、この1月末に至る、いわゆる「ヨーロッパサッカー界の冬の移籍市場」の動きをみていたら、なんだか選手の移籍が激しくて動揺していたり長友スゲーとかなったり、それだけでじっくりブログで語りたい気分なんだけども、ひとまずそんなことよりも、もっとサッカー的に大きな、感動的な、あぁサッカーファンで本当によかった的な出来事が今日の仕事場においてわき起こり、ちょっと落ち着いたらそのことも含めて近いうちにじっくり「サッカー的日常」のあれこれをブログに書いていきたいと思う。

わざと妙に長い文章を書いてみました。


で、
さきほどまで参加していた「木曜日の私塾」で「資本主義の内側から働きかける表現/アートについて」という論点に至ったときに、パッと思いついたことがあった。
今行われている、エジプトの大規模なデモだ。
BBCワールドニュースでは、ほぼ延々とリアルタイムで現地の映像を報道しているのだが、あれをみると、大きい広場にひたすら人が埋め尽くしていて、とくに何があるわけでもないのだけど、「たくさん人が存在する」というだけで、ひとつの大きなメッセージを発しているかのような印象を受け、ものすごく見入ってしまう(つまり、ムバラク大統領が退陣するまでこの広場から人がいなくなることはないぞ、みたいな)。
デモをライヴでみると、細切れのニュース報道では伝わらない、よくわからないダイナミズムみたいなものがうかがえて、目が離せないのである。その場で特に何も起こっていなくても。

で、パッと思ったことというのは、「この、人の集まりっぷりそのものが、アートだとしたら」という視点もアリなんじゃないかということだ。本人たちは意図していないけれど、「集まること」自体が、芸術的な作用をもたらしている・・・と、そういう何気ない思いつきであるが、実はアートのチカラってそういうところに通じているんじゃないか、と。

だから、「アーティストが社会を変えようとする」のと「アートが社会を変えうる」ということは、わりと別個にわけて捉えておいたほうがいいんじゃないかということだ。

考えながら適当に書いている文章なので、ちょっとまとまらないけれど、メモっぽい記録としてここに書いておく。

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2011.02.01

「夢のパン列車」は夢のようだった

というわけで、30日に行われた『夢のパン列車』。
フリーペーパー「ぱんとたまねぎ」のハヤシさんのzine『パン ほん ひと+地図』の発酵記念、シュッパン記念である。
今回私はこのイベントのお手伝いをさせてもらったのだが、いまでもなんだか夢のような出来事なのである。

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なにせ、集合場所が叡山電鉄の「車庫」だ。
フツーに車庫に入れてもらった。
この時点で、「いつかどこかでみたような夢の景色」みたいだった。
列車がレール沿いにこっちに走ってきて、思わず「こっちに来ますけど大丈夫ですか?」と叡山電鉄の人に言ったら「大丈夫ですよ」といって、列車が向きをかえてすりぬけていく。
普通「危ないからどけて!」とか言われそうなのに、なんだこの日常ありふれた感な状況。夢みたいだ。
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列車内を装飾すべく車内に乗り込む。これも運転席のドアからはしごをつたって上る。
もうそれだけでテンションあがったのは言うまでもない。
自分が鉄道マニアでなかったことを悔いたぐらいだ。
イベントのフライヤーや、ペーパーアイテムを窓に貼り付ける。
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言うまでもなく、ハヤシマイはこのイベントでものすごくたくさんのものを作って用意していて、「さすが・・・」と唸るしかない。お客さんに配るレジュメ・・じゃなく、「パン」フレットも、一枚一枚表紙に紙を貼り付けていたりして、根気のいる作業をいとわないのがハヤシマイだ。
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行き先案内プレートも、今回特別にハヤシさんが手作りしたものが装着されている。クリックして大きい画像になるのでぜひ見て欲しい。作った本人はこのとき「思ったより、あまり目立たない」みたいなことを言っていたが、我々が今からやろうとしていることは、今日のこの沿線においてすでに十分目立ちまくることになるのでは、という思いがあった。
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自分撮り。
この日のスタッフは全員、このようなパン屋さん風帽子をかぶった。そして叡山電鉄の方と一緒に出町柳駅の改札で受け付けをやった。ちなみに改札の向かいには大手パン屋のチェーンが出店しているのだが、その向かいでこういう帽子をつけてパン列車をアピールするのは若干の勇気がいった。若干ね。
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事前予約していたお客さんが乗り込み、列車が走り出す。途中、スティールパンのバンドパンジャビさんの演奏を楽しむ。出町柳~八瀬比叡山口のルートのあいだ、演奏がぴったりと収まっていたのが感動。ていうか演奏者が着ているのは叡山電鉄の制服と帽子。叡山電鉄さんの太っ腹さ加減というか、ユルさ加減というか、通り過ぎる一般車両からお客さんがこの光景をみたらどう思うんだろうか、とかいろいろ思うわけだが、いずれにせよこんなことをさせてくれる叡山電鉄がなおいっそう愛しく思えてくる。
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列車が到着してから、1時間半ほど停車。そこでようやくパンの試食となる。(出品していただいたパン屋さんは東風、ちせ、テクノパン、パンドラディ、マルホベーカリータカラダ、ユーゲ、etc)あえてお客さんたち自身にパンを切ってもらうという趣向だった。見て楽しみ、切って楽しみ、パンをあれこれ味わいながら、周りの人たちとパンを語り合う。名古屋のパンオタク、パンチキさんのセレクトした名古屋パンの紹介があったり、そして八瀬駅のホームでは、ガケ書房さんシマウマ書房さん(手作りクッキーで『ぱんとたまねぎ』の文字を作った看板が送られてきた!)の本、恵文社さんのパン雑貨、ちせさんのチャイやジャム、「ミルク王子」の特選ミルクのテイスティング、「なや」さんの珈琲、そして合間にパントマイムのたまひとさんのパフォーマンスも披露された。そのほかにもあれやこれやとあり、こうして書くと混沌とした内容のように思われるだろうが、いずれにせよ「パンを楽しむ」ということですべては集約されていくのだった。

 で、パンを切り分けていけば、すべてのお客さんにすべての種類のパンがいきわたるようにはなっているのだが、都合によりすべてのテーブルの大皿に均等な数のパンが置いてあるわけではなかった。私が乗っていた車両のお客さんたちがそのことに気づいて「どうなっているの?」と質問をしてきた。パンの種類や個数についてちゃんと把握していなかったので、なんとも答えようがなく、心苦しい気分になったのだが、そのときとっさに私の口からついて出たコトバが、

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だった。
私は左京区の独特のユルさをとっさの言い訳に利用したのである。

するとその場のお客さんたちはその真意をストレートに納得して、笑ってくれたのでありがたかった。
今後も左京区でイベントをするときには、このセリフは使えるかもしれない。ライフハックだ(本当か)。

そんなこんなで、2便にわたって「夢のパン列車」が無事に運行終了となった。
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ハヤシさんのあいさつ。

「列車が出発して、どこかの目的地に到着する」
ということを「旅」のイメージとして捉えるとすれば、このとき、まさにハヤシマイにとっての「京都のパンをめぐる冒険の旅」がひとつの終着点にたどり着いたんだろうと感じた(ハヤシさんは惜しまれつつも近々故郷に戻られるのである)。列車というモチーフは、そういう意味で「完璧」なシチュエーションだった。そのことに終わってから気づいた。

・・・てなわけで、ほかにもいろいろと感じたことが多い、忘れがたいイベントとなった。その時間と場所が共有できて本当によかったと思う。

━―━―━

そうして翌日、現実に戻って仕事をし、そして上司のSさんから「パン列車どうだった?」と聞かれ、いろいろ語っているうちに、上司のSさんはネットで何かを調べ始めた。

そこにはSさんの故郷である、愛知県豊橋市の「豊橋電鉄」のホームページがあって、

「こんなのもあるよ!」と。

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「おでんしゃ」。

市内線の電車に揺られながら車内であったかい「おでん」を食べて楽しむ「おでんしゃ(おでん+電車)」が今冬も運行いたします。
暖かいおでんを食べながら夜の豊橋の町並みを眺め、カラオケを歌って楽しいひとときを過ごしてみませんか。

「2月19日まで運行しているから、まだ乗れます」とSさん。
タテーシ「・・・・。」

最後の最後で、想像しなかった角度から、このブログのオチをいただいた気分だ。

さらにいうと、その日の晩、なんと京阪電車も「おでんde電車」なるものがあることを知る。
オチがオチをよんでいった。


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