『ソウル・キッチン』
この『ソウル・キッチン』を観たかったのは、私は最近、ハンブルグという街に興味を持っているからである。
こういう映画は「ハイマート・フィルム」と呼ばれ、ドイツ語で「郷土映画」という意味らしい。そのとおりこの映画では湾岸都市で、移民が多いハンブルグの雰囲気を大切にした作品になっている。実際監督はトルコ人2世で、主演の俳優さんもギリシャ人2世で、映画のなかではたびたび、あのギリシャ人特有の名前の読みの難しさが強調されるシーンがあったりする。
で、なぜ私がハンブルグに興味を持っているかというと、先月のブログで書いたように、ザンクト・パウリという奇妙でステキでパンクなサッカークラブの存在を知ったからである(こちら)。
するとどうだ、この映画のなかで、主人公があるシーンで持ち歩いているカバンをよく見たら、まさにザンクト・パウリのロゴとドクロマーク入りの黒いカバンだったりするではないか!!
最近ブログにザンクト・パウリのことを書いただけに、「あー、なんか、つながってんなー」という気分になった。
ちなみにこの映画の構成は、
「地元の人から愛されている昔ながらの飲食店に、ふとしたきっかけでインパクトのある新しいスタッフが加わり、店がにぎやかになっていくのだが、トラブルによって借金ができ、店の土地を狙う悪徳不動産屋とやくざが乗り込んでくるが、店の危機をみんなで協力して乗り越えていく」
というものだが、こうして考えるとこれって「吉本新喜劇」の王道パターンと同じなのである。このダメ兄弟の織りなすドタバタ喜劇への妙な親しみやすさの原因はこれなのか、と思ったり。
あと、どうでもいいことかもしれないが、この映画のエンドロールのグラフィックがかっこよかった。ついエンドロールって退屈しそうになるけど、こういう見せ方もアリだなぁ、とちょっとした発見。
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