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2011.05.10

『大差で送りバントするな』って言われても

ネットのニュース記事で「大差で送りバントするな 大リーグ“闇のおきて”」という記事があった。


「これはベースボールではない」

 声の主は、30ン年ぶりにサンフランシスコから帰国した知人だ。先日、高校野球の近畿地区大阪府予選を観戦していたときのこと。あるチームが序盤から猛攻をかけ、8-0と大量リードしていた。

 もう勝負は決まったも同然だが、中盤になって、勝っているチームは先頭打者が出塁すると次打者が送りバントを試みた。知人はこれを許せないというのだ。

 「アメリカではあり得ない。相手をこてんぱんにたたきのめす必要はない」というのだ。

つづきは(こちら)へ。

「これはベースボールではない」と言われてしまうと、逆に
「でもそんなん言ったら、それは『高校野球』じゃないよ!?」とも思う。

大量リードをしていても、高校野球ならば送りバントを恥じることなくやってもいいと私は考える。

そもそもこの記事ではプロでお金をもらっている野球と、高校野球のそれを比べて論じること自体に無理があるような気がするが、それはともかく、私が大事だなぁと思うポイントは、高校野球(甲子園)は「一発勝負」ということだ。
プロだったらワールドシリーズでも、日本シリーズでも、何試合かやるのが常だが、高校野球に限って言えば「一発勝負」なのだ。
大量リードをしていても、それは決して「大量」でもなんでもない。
いくらでも、ひっくり返される可能性が最後の最後までつきまとう(その点では野球はサッカーよりもある意味すごいルールのなかでやっている)。
大量リードに甘えて送りバントをしない、というメンタリティを、なにも若い高校生に期待しなくてもいいではないか。「最後まで何があるか分からない」という恐怖心と「最後まであきらめない」という執念とのぶつかり合い、これが一発勝負の高校野球の醍醐味だと思う。

で、サッカーにひきつけて考えると、とくに「一発勝負」といえば、最古のカップ戦であるイングランドの「FAカップ」がやはり挙げられる。
イングランドのフットボール協会に登録されている、プロ・アマ問わずあらゆるチーム(その数、約700とも言われる)が「一発勝負」のもとで闘うのがFAカップなのだ。

ひたすら、一発勝負で勝ち抜き続ける・・・そして、格上のチームが下のチームに負けることがよくある。これを「ジャイアント・キリング」というわけだが、この「大番狂わせ」がもたらす意味は、とてもとても大きいと思う。つまり、「絶対に相手をナメてはいけない」ということだったり「絶対にあきらめてはいけない」ということだったりを、選手だけでなく観客も、それこそ全身全霊で学ぶ機会でもあるだろうからだ。

そしてどちらのホームスタジアムでやるかもすべて抽選で決まっていくので、超有名トップチームが、まったく無名の弱小クラブの質素なホームスタジアムで試合をすることも当然あるわけだ。そんなスタジアムの設備はボロく、狭く、冴えない場所であるかもしれないのだが、そんなスタジアムにも各国代表クラスのスター選手たちがやってきて、ボロボロなロッカールームで着替えたりするわけだ。でもそれはスター選手にとっても、「初心を忘れない」という良い機会になっているはずである。
そして地元のファンたちが一世一代の大番狂わせを期待して熱狂的に応援をし、そして本当にそういう試合でしょっちゅう「奇跡的な勝利劇」が起こったりするのだから面白い。「強いチームが常に勝つわけではない」というスポーツの永遠の謎に、FAカップではしばしば出会うことになる。
こうして予算や組織の規模に関わらずすべてのサッカークラブが参加できるという重層的な仕組みの大会を、140年前から作って維持しているイングランドのフットボールに、やはり私は惹かれてしまうわけであるが。

メジャーリーグもプロ野球も、どうせならアマチュアチームとかと一緒に一発勝負で勝ち上がるトーナメント大会を別に設けてみたらいいのではないか。そうすれば、「相手のメンツをつぶさないための暗黙のルール」なんてチンケな取り決めでお茶を濁すようなことは少なくなるのではないか・・・と言いたい。

だってやっぱり、観客からしてみたら、真剣勝負ってやつが観たいわけで。それはどんなスポーツでも同じはずだ。


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Comments

野球ネタなので・・・。笑
小学校・中学校・高校・大学と各年代で野球をやってきましたが、「相手に合わせた野球をするな!!」って台詞は何百回と聞かされたフレーズです。
高校の時、たしか5回で、20点差が開いている試合で、僕は2番バッターとして、きっちり送りバントしましたよ。
監督のサインで。。自分もバントだな。。と思いながらバッターボックスに入っていましたしね。
相手に合わせて試合をする事が、どれだけ相手に失礼な事をしているのか!!って怒られるので・・。
「相手にナメられる程、屈辱的な事は無い」って事だと思います。

わざとアウトになったり、わざと雑なプレーをする事は、相手に対して無礼であるという精神論なのかもしれません。アメリカにはないのかな?

それがベースボールなら、日本は野球で良いんじゃないですかね??
ってマジレスしてみました。。笑

Posted by: Dernie | 2011.05.11 12:32

 かなり無理のある記事だなと私も思います。

 僅差だろうと、大量差だろうと、ランナーが出たら次のバッターは進塁打を打つ。バントをする。ランナーが進塁できるような内野ゴロを打つ。ヒットを打つ。バッターがヒットを打つ確率はどんなに高くても3割くらいしかありませんから、残りの7割のもっとも確実な進塁打はバントか内野ゴロになると思うのですが、日本とアメリカではその確実な進塁打の順位が違うのでしょう。
MLBでバントをしないのは、おそらく内野ゴロのほうが進塁策として確実だからだと思います。ボールは速いうえにムーブするし、肩も強い野手も多いのでバントとなるとかなり度胸と技量が必要でしょう。大量リードをしていても(バント)進塁するなというのがベースボールではないのなら、なんなんでしょう。満塁の場面で大量失点を防ぐために強打者を敬遠して1点献上するのがベースボールなのに。

Posted by: alteisen | 2011.05.11 21:55

alteisen さん

>>満塁の場面で大量失点を防ぐために強打者を敬遠して1点献上するのがベースボールなのに。

桜井商業の駒田ですね!!
天理戦だったと記憶しています。。

Posted by: Dernie | 2011.05.12 09:54

店長>マジレスありがとうございます。やはり基本的に「野球」は、そのように教え込まれていくのですよね。礼節を重んじる感じがプレーにもあらわれているような、そんな気がします。

alteisen>コメントありがとうございます。なるほどメジャーだとバントするほうが難しいというのは今まで気づきませんでした。ひたすら犠打を打ち続けた巨人の川合の偉大さを再認識させられます。

Posted by: HOWE | 2011.05.13 21:44

>川合

川相、ですね・・・。ここ重要(笑)

Posted by: たすくん | 2011.05.14 13:36

たすくん>ああああ!! それはすいませんマジで。

Posted by: HOWE | 2011.05.15 22:37

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