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2011.07.19

昨日からのなでしこジャパンのてんやわんやについて、いくつか驚いたこと

今朝起きてテレビをつけたら、「なでしこジャパンが成田空港に到着するのを待つ人たち」というのを生中継でやっていた。

ということは、

彼女たちは試合後のセレモニーでワールドカップを掲げた、その約24時間後には成田空港に到着したわけだ。
1日ぐらいゆっくりさせてやればいいのだが、おそらく当初から「決勝ギリギリまでドイツに滞在するとは想定外」だったのかもしれない・・・予算的な都合とかで・・・むぅ。

で、さっき帰宅したあとにまたテレビでみたニュース映像では、成田到着後に午後2時に記者会見をこなしていたので、つまり「ドイツでワールドカップを掲げた約30時間後、東京で記者会見を行っていた」ということになる。
このことを、記憶にとどめておきたい・・・『水曜どうでしょう』かよ、その過酷なスケジュール(笑)
ヨーロッパから帰ってきた直後の厳しい時差ボケのなか、本当におつかれさまである。

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さて、今回の快挙について、いろいろとネットのニュースでも語られているわけで。

昨日のブログで触れた、あのPK戦直前の円陣における「笑顔」は、佐々木監督のインタビューでは

「米国は勝ったと思っていただろうけど、われわれにとっては天からの恵みみたいな展開になったので、笑いが止まらなかったんですね。ギャグをやりたかったぐらいでした(笑)。熊谷だけ4番手と言ったら顔がひきつっていましたけど。澤は『わたしは絶対嫌だ』って言ってたんで、それすらも笑いにしちゃいました。」

とのこと。
別の記事では、

主将の澤穂希選手がその理由を明かす。「PKは苦手なので、監督にお願いして私が最後に蹴らせてと言ったんです」
 岩清水梓選手が退場して10人になったメンバー中、GKの海堀あゆみ選手より後の「10番目」にしてもらいたいと澤選手が言うと、周囲が「澤さん、ずるい」と言いだし、笑いが起きたという。

いやはや。
澤もキャプテンとしてのプライドをかなぐり捨てて「私は蹴らない」と嫌がったのはすごい。しかもキーパーよりも後に蹴るって。
そしてそういう状況をひっくるめてみんなで「笑い」にかえるエネルギーとメンタリティには、やはり脱帽。

PK戦は、最初に誰が蹴るかがすごく大切で、今回は宮間がキッカーとなったわけだが、その宮間のコメントでは

PK戦ではわたしが1番目のキッカーでしたが、これは事前に決めていたわけではなくて、PK戦の直前に言い渡されたオーダー通りの順番です。PK戦はほとんどが運。PK戦に入った時点でもう、わたしは勝ち負けを気にしませんでした

ということで、やはりこの人のメンタルの強さってすごい。

ちなみに、スポーツナビの見事なコラム(こちら。ぜひ2ページ目も読んでほしい)では、あの同点ゴールを決めたコーナーキックの場面について(あの直前、アメリカのキーパーが足を痛めていたのでしばらくゲームが止まっていた)、

宮間は仲間の元に駆け寄って、何かを短く伝えた。ささやいた相手は、澤穂希と阪口夢穂。再びコーナースポットに戻った宮間が、軽く手を上げて助走に入る。ボールが放たれるより先に、澤が猛然とダッシュした。そこに必ずボールが来ることを、澤は知っていたからだ。
「ニアに蹴るよ」――宮間はそう伝えていた。澤1人に言ったのでは、相手も澤だけを警戒しただろう。あえて阪口も打ち合わせに参加させていたところが、宮間の隠れた頭脳プレーだった。澤はマークするレイチェル・ベーラーの前に入り込み、右足アウトにボールを当てた。

ということで、昨日の記事でも触れたが、この宮間あやっていう選手のすさまじい冷静さとクレバーさが間違いなく日本を救ったと思える。もちろん、疲弊したなかでも狙い通りのコースにボールを蹴る技術も含めて。

で、今日最も驚いた事実は、「サポティスタ」のサイトのある書き込みだ。これは真偽のほどが自分では判断できないのだが、テレビで何度も昨日から繰り返し放送されているように、PK戦で勝った瞬間、ゴールマウス付近にいる熊谷やキーパーの海堀に向かってピッチ上の選手が駆けだしていったが、その映像で一瞬チラッと画面の端で、一人だけ走らなくて全然違う方向に歩いて行ったように見えた日本の選手がいて、それがかなり気になっていたわけである。

で、サポティスタによると、それは宮間だったようで、彼女はなんと、みんなと一緒に走り出すのではなく、PKが決まった瞬間にアメリカ選手のほうに歩み寄って健闘をたたえあっていたらしい。

す ご く な い か ?

ただでさえ女の子の集団で、ひとりだけ別行動をするのってそれだけで勇気が要ると思うのだが、そんなレベルの状況ではないはずだ・・・ワールドカップの決勝のPK戦だぞ・・・どんなに普段から「人と違う行動をしたがるような人」でも、10000人いたら9999人は、優勝が決まった瞬間、ゴールキーパーめがけて走り出すと思うのだ。
でも宮間は違った。なんて人だ。

あくまでもサポティスタの書き込みなので、真偽のほどは確認とれていないのだが、いずれにせよ昨日のテレビで繰り返し流れていたあの映像の違和感がちょっと解消された気分ではある。そうか、アメリカ選手のところに向かっていったのか、と。まったくそういう引き出しが自分にはなかったなぁ、という気もする。

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あと宮間がPKを決めたあとのガッツポーズが、現役時代のストイコビッチがよくやっていたポーズと似ていたのがグッときた。まさかマネしていたとか。

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Comments

もう驚きっぱなしです!!決勝戦もすべて。本当に本当に素晴らしかったです。2回目みたら気がつかなかったことも気がついたりもしました。DF陣も頑張ったなぁって。熊谷選手も若いのにすごいです。宮間っちには魅了されましたね!何かの記事でみたのですが、彼女が「次はアメリカに90分で勝ちきるようにしたい」と言ってるのをみて、またびっくり。ああ、これから先のなでしこを引張っていくのは彼女なんだ、と思いました。

Posted by: きり | 2011.07.20 00:06

きり>うぉぉー、宮間すげー!(笑)。もはや私の想像を超えるすごさをみせてくれますね、そのコメント。これこそワールドクラス、っていう姿勢ですね・・・
PK蹴るときの熊谷選手のアップ、たぶん芝だと思うのですが、ちょっとだけほっぺたについたままっていうのが、またステキだったりしました。

Posted by: HOWE | 2011.07.20 22:39

よく見るとアメリカ選手に握手に行ったのは別の選手に見えます。そして背番号8は輪の中にいるような気が…
作られたストーリー?(笑)

でも、宮間の同点ゴールは凄いですね。ゴール前あの状況で詰めないですよ。インザーギでもきっと。
彼女や川澄がこれから引っ張って行くのでしょう。女ガチャピン。(遠藤)

INAC神戸に行きたいですね。

女子ソフトのように一過性にならない事を祈りつつ応援して行きましょう。
ロンドン五輪に行く楽しみもま増えましたね。
良ければ是非。

Posted by: F | 2011.07.20 23:48

失礼、やはり宮間のようでね。輪の中にいたのは背番号9川澄ですね。

訂正まで。

Posted by: F | 2011.07.20 23:58

それにしても、着眼点のちがうところに
毎回敬意を表します。

Posted by: ヒロポン | 2011.07.21 00:43

今日のお昼の情報番組でもちらっと取り上げていました!
ながら見(音しか殆ど聞いてませんが)でしたが。
アメリカの選手(名前見てなくて…宮間選手のかつてのチームメイトだそうです)がアメリカの番組で話してたところによると、
試合の前日も「お互い明日の試合を楽しみにましょう」とメールを送りあったそうです。
試合後アメリカ選手の落ち込みを慰めるように声をかけてくれたと。
それに対してそのアメリカ選手は「日本は初めての優勝。私たちを気遣わずもっと喜んでいいのよ」と言ったそうです。
お互いにステキな選手ですよね♪

Posted by: どっちぃ | 2011.07.22 13:52

F>そうですね、これはロンドン五輪を楽しくさせるための壮大なる前フリ、でもあります。一気に「金メダル候補」となったなでしこジャパン、すごいです。

ヒロポン>ありがとうです。そのあたりをどんどんほめてもらえると調子にのっていきます(笑)

どっちぃ>おおお、そういうネタがテレビで取り上げられていましたか! いやー、今回はほんと、宮間のファンになりましたよ!!男前!!(笑)

Posted by: HOWE | 2011.07.22 23:12

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