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2011.08.17

積極的目標と消極的目標

先週、今週と「月曜日の私塾」では参加者によるプレゼンをもとにいろいろな議論があって盛りだくさんであったが、とくに今週、ずっと話を聞きながら、なぜかずっとアタマの隅っこで鳴り響いていたことがあって、ついぞそれについては発言しなかった。話の文脈とは関係がありそうなんだけれども、でもやっぱりなさそうな気がして、それらを接続させる言葉が見つからなかったのである。

それは「積極的目標と消極的目標」についての話で、『問題解決のアート』という古い本にでてきた話である。

たとえば、ラジオから音楽が流れていて、あなたはその音楽を「聴きたくない」と思ったとする。

そこで、ラジオのスイッチを消す → これを消極的目標、
ラジオの選局を変えて、別の音楽を流す → これを積極的目標、というふうに考えることができる。

で、ここがポイントなのだが、「積極的目標の達成は消極的目標の達成を含むが、その逆は真ではない」ということだ。

なるほど!! と思ったわけだ。
このことって、広く人生全般にも応用できる視点のような気がしているのである。ずっと。

ここからは自分の考えで、うまくまとまらないのだが、ある物事について自分が受け入れにくいなぁと思ったとき、その物事についてそれ以上関心を持たないようにしたり、避けたり、無視したりすることはよくあるわけだが、これが「消極的目標の達成」であれば、どうせならラジオのチャンネルを変えるかのように、「少しでも粘ってみて、別の側面がないか、とりあえず探求する姿勢を手放さない」ということのほうが、人生を確実に面白くしていくのではないかということだ。消極的目標、つまりラジオのスイッチを消してしまったら、たしかにそのときの望み通り、自分にとっての気に入らない音楽は聞こえなくなるが、未知なる名曲に出会う可能性も閉ざしたことになる。

サッカーに例えると(笑)、自陣でピンチを迎えて守備をしていたが、なんとかしのいでボールを大きく相手側に蹴り返す(クリアする)、そういった対処方法をとるのではなく、自陣でマイボールになったら、すぐに大きく蹴ろうとするのをガマンして、なんとかがんばって味方にボールを細かく回して、パス交換でつないで相手陣内までボールを移動させるようなプレーを選ぶ、ということのほうがより有利な展開に持ち込みやすい、っていう。

いずれにせよ、「積極的目標」のほうを選ぶことは、「ちょっとネガティブな事象に、もうしばらく向き合う、付き合う、試行錯誤する」という努力が要るかもしれないが、そういう努力をすることで、すでに「消極的目標」は達成済みになるし、さらなる「ごほうび」みたいな体験が待っているかもしれないということだ。つまり「お得」なのである。

でも、そういう考え方ってあまり自発的にやろうとは思わないんだよなぁ、と。それは教育の影響なのだろうか、とふと思ったり。

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