「日本人は、バーベキューの経験が足りない」
「場づくり支援」を行っているというエンパブリックという会社のホームページをみていたら、「なぜ日本のNPOや社会起業家は欧米のように大きくなれないのか」という問題について、
「日本人は、バーベキューの経験が足りないから」
と論じていて面白いので紹介(こちら)。
欧米の人は子どものころからホームパーティをしたり、BBQをしたりして、新しい人とつながるイベントを主宰する経験を積んでいます。学校でも、ワークショップ型の授業や、クラブ活動のための地域からの募金集めやチケット販売などが盛んに行われています。誰もが「人が集る場を自ら運営する」という経験値を自然に高めています。それに対して、日本の若い世代は、小中高と教えられる授業を中心にし、チケット販売や多世代がつながる場の主宰をあまり経験していません。そんな経験値が弱いまま、いきなり地域の様々な関係者の力を集め、一つに束ねていく社会起業をしようとしても、うまくいかないのです。
日本と欧米の若者に志の高さや事業計画立案力に差はありません。しかし、実際に現場で、ワークショップ、勉強会、イベント、ボランタリーな組織の運営などをやってみて、うまくいかないと苦労する人が多いのです。参加者を募るにも、寄付を集めるにも、場づくりや運営の経験値がなければ、概念を実現させることはできません。また、人が新しい場に集まっても、どう動けばいいか、何をどう手伝えばいいか、直感的にわからないので指示待ちになります。そこが欧米と比べると圧倒的に足りない以上、欧米のNPOや企業に勝てないのです。
それは地域やNPOだけでなく、企業でも同じ課題があります。グローバル対応が進む中で、かつて日本企業にあったコミュニティは失われ、職場の人間関係作りに悩んだり、精神的に追い詰められる人が増えています。社会や制度から「場」が忘れられ、人々の間から「場づくりの経験値」が失われてしまっているのです。
あ、タテーシのアタマのなかでは、こういうのもぜんぶすみやかに「フットボール変換」されてしまうので、別にNPOとか大学の学生のこととかをマジメに念頭に置いているわけではなく、単に「いかにサッカー日本代表を強くするか」みたいなところをまず最初に思ってしまったり。
なのでこれはまるでオシム語録みたいだ。
「日本人は、バーベキューの経験が足りない。遠藤や俊輔は肉だけを用意すれば相手が喜ぶと思っているだろう。しかし、それではバーベキューとは呼ばない。」
「バーベキューに求められる能力のなかには、使い終わった鉄板を洗うことも重要なのだ。焼いて食べるだけが能力ではない。遠藤や俊輔はリスクを恐れずに進んで鉄板を運び、コゲつきを洗いながら、かつデザートのアイスを出すタイミングを見極めることが求められる」
(・・・や、別に遠藤や俊輔に他意はないのだが、最新号の『Number』誌でオシムさんがなでしこジャパンへのお祝いメッセージを寄せているなかで、名指しで「遠藤と俊輔も見習え」みたいなことを言っていて、あぁこの人はいつまでもこの2人には言いたいことがたくさんあるんだろうなぁー、とちょっと微笑ましかったので)
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Comments
BBQに参加するたびに似たことを思っていたが、
日本人には鍋料理があるではないか。
Posted by: ヒロポン | 2011.08.15 10:46
ヒロポン>!!そ、そうか!なるほど! そこは考えていなかった!
Posted by: HOWE | 2011.08.15 19:40