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2011.11.30

なでしこ佐々木監督の秘話?

京都にサッカースタジアムを!「地域に根ざしたスポーツ文化の創造」
という講演会が京都で行われたので、無料だったし聴きに行ってみた。
メインはなんといっても、なでしこJAPANの佐々木監督の基調講演だ。おかげで会場満員。この会場に来た人がみんな京都サンガをサポートして、京都市にスタジアムを作ってほしいと心底願う人たちであればすごいなーっていうぐらいの、本気の超満員(ご婦人参加率、高し)。

で、佐々木監督、やはり話がうまい。
「コミュニケーション力」を重視していると言っていたが、まさにご自身がそのお手本のようだった。
だからこそ、選手とのやりとりもうまくいくんだろうな、この人だったら。

講演の内容は、まぁ予想できる範囲での「なでしこW杯優勝のプロセス」についての語りであった。
で、おそらくあちこちで同じような話をしていて、そこで用意していたパワーポイントのスライドのなかに「指導者としての原点」というページがあったのだが、そこには「父親の教え」という話と、「NTT関東(現在の大宮アルディージャ)の社会人時代に学んだこと」というふたつの話について書いてあって、講演のなかでそこについてはほんの少し軽く触れたのだが、まさに私は「そこ! そこの話がもっと聞きたい!!!!」と思ったのである。

「父親の教え」というのは、「そこにゴミが落ちていて、それを拾うか無視するか、その違いがやがて大きくなって、サッカーのプレーにも影響する」といったことで、「生活のなかの何気ない心配りや気持ちの持ちよう」が、サッカーや人生全体に影響を及ぼしていくといったことだ。そういうことを意識的に教え込む父親もすごいし、ちゃんと受け止める佐々木少年もえらい。

そしてもうひとつ、NTT関東時代に学んだことということで、ほんの少し話のなかで触れていたのだが、当時の仕事のなかに「電話料金の取り立て」というのがあったそうだ。たしかにサッカー部員の、若くて屈強な社員選手に回ってきそうな仕事である。で、当然ながら料金を滞納する客の相手は大変なのである。そこで若き日の佐々木監督は「なんとかしようと、いろいろ工夫を重ねたんです」とのこと。その工夫が具体的に何だったのかは語られないまま、時間の都合上すぐ次の話題になったので「うわーー! 気になる-!!!」となった(もしかしたらそういう話は、佐々木監督の著書で紹介されているのかもしれないが)。

つまり、佐々木監督は「試行錯誤しまくる人」なのである。電話料金の取り立てがうまくいかず、「くそっ!」となってそこで留まるのではなく、「なんとかうまい方法はないかなぁ」というふうに方向性をシフトしていく人だったわけである。
まさにサッカー的人生の面白さを体現しているとも言える。サッカーもまた、試行錯誤の姿勢が求められる。いくら才能があっても、臨機応変に自分を作り替えていくような局面は必ず訪れるし、そのときに取るべき態度によって息の長い選手になれるかどうかが変わってくるように。

そういうことを「原点」と捉えるからこそ、佐々木監督はあのなでしこJAPANを、あの女子サッカー選手たちをまとめあげ、勝てる組織を作っていったのだと、あらためて納得した。
自分のやり方がうまくいかなかったら、リーダーとして「黙って従え!」となるのは簡単である。
でも佐々木監督は、おそらく、そうしなかったのである。
あれやこれやと考え、自分と性別も年齢も異なる女子サッカー選手たちとの関わりを工夫しまくり、コミュニケーション力を駆使して、そうやって信頼関係や強い結束力を築いていったのではないだろうか。

なのでステージの近くから拝見した佐々木監督は、カリスマ性あふれる切れ者のリーダーというよりも、「工夫を楽しみ、チャレンジを楽しむ、ちょっと楽天的なオジさん」のような雰囲気だった。それこそDIY的な生き方が目指したい境地でもある。


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