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2011.11.21

フェールラーベンのコートにワックスを塗る

もう6年ほど前になるのだろうか、アウトドア用品の「フェールラーベン」で、思い切ってコートを買ったのである。
小さく入ったスウェーデン国旗のタグがオシャレに思ったのと、独特の首回りのデザインが気に入った。
そうして自分ははじめて「アウトドアのコート」を体験したのだ。

で、このコートが自分にとっての「コート観」を変えてくれた。
たぶんアウトドア用品のコートってどれも似たようなものなのかもしれないが、とにかくコートを着ることで、「体を温かくする」というのではなく、「寒くならないようにする」という方向性を持っているコートがこの世にある、というのは驚きだったのである。
この違いは似ているようで異なる。
着ることで「温かくする」というのは、「ひたすらプラス」の発想で、
着ることで「寒くならないようにする」というのは、「プラスマイナス、ゼロ」に保つことを意味する。

したがって、このフェールラーベンのコートは、着始めて外に出ると、最初は寒く感じるのである。
しかし徐々に体を動かして、歩いたり自転車をこいだりしていると、ずっと「一定の快適さ」が保たれるのである。
寒すぎず、熱すぎず。
蒸れないように、うまくできている。

というわけで、私は冬の間、ほぼ毎日このコートばかり着てしまう。
機能性の良さで、手放せないのである。
さらに、私の買ったコートのシリーズは、「G1000」という独特の素材によるもので、このG1000は防水性や防風性にすぐれており、おそらく私の感じている快適さにも関与しているのかもしれない。
雨の多い冬のシアトルも、そして数十年ぶりの大寒波と大雪におそわれたときのロンドンも、このコートで乗り切ってきた。

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そしてなぜかこのコートは、背中に大きなポケットがあって、なぜこんなヘンなところにポケットが・・・と思ったが、これは言うなれば、サイクルウェアと同じ構造になることに気づいた。
つまり、「冬に街中を自転車で走る人のためにデザインされた」というコートでもあるのだ。これは自分なりに出した結論ではあるが、そうじゃないと背中にポケットなんてつかないと思う(あるいは山登りのときに使い道があるのだろうか。そこはよくわからない)。そして実際、このコートは自転車に乗るときにちょうどいい着丈であり、首回りも風の侵入を受けないようにできていて、本当にどこまでも利用価値が高い。

で、このG1000の素材の性能をキープするために、別売りの「ワックス」が存在する。

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この服を着続けて6年目にして、ようやく私はこのワックスを買ってみようと思ったのである。
そうでなくても、これまでもずっと防水性能は保たれていたので、あまり必要性を感じていなかったのである。

で、ひさしぶりにフェールラーベンのショップにいき、ワックスを手に取って、そのままレジにいった。
そして「私は今持っているコートがあまりに気に入っているので、他の商品を新しく買う気にはなれないのですいません」と店員さんに言ったら笑われた。
そのとき店員さんにはワックスの使い方を丁寧に教えてもらった。ちなみにいままでシーズン前になるとクリーニングに出していたのだが、G1000の性能を考えると「クリーニングは絶対出さないでください。水洗いして干してください」とのことだった。そうなのか・・・

というわけで、コートにワックス(蜜蝋)をひたすら塗っていく。
白っぽくなる部分がワックスを塗ったところ。

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そうして、店員さんのアドバイスにしたがい、布きれをあてがって、上からアイロンをかけていく。
そうするとどんどん白い部分が消えていく。ロウが布に定着していく。

たしかにこれをコートの全体にかけていくのは、面倒な作業ではあった。
でもこの作業を通して、よりいっそう、このコートにたいする愛着を高めていくのも確かだ。
そりゃあ毎日着続けたら汚らしいし、同じようなコートをもう一着買えばいいのだろうけど、なかなかそういうわけにもいかず。それに、これとまったく同じモデルじゃないと、なかなか満足できないかもしれない。
なのでやはりこの冬も、こればっかり着ていると思う。

(さすがにスーツ用に別のコートを、ようやく昨年買った次第・・・)

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Comments

フェールラーベンはたしかキツネのマークだったような。アウトドアウェアーは機能性重視です。日本ではアウトドアーの歴史がまだまだ浅いせいか、あまり周知してもらえていないことが多いのですが、実はとても考えられてつくられています。
近年、アウトドアブランドは新たなファッションジャンルとしてよく取り上げられていますが、かっこよさだけではなく、機能的な部分を知っていくと楽しくなりますよ。
私はアイヌやイヌイットの人たちの知恵にこそウェアの原点が隠されているのではないかと思う今日この頃です。
ゴアテックスと同様、フェールラーベンが独自に開発した布であれば、その布のことをあまり知らないクリーニング屋にだすよりは、自分で手入れしたほうが長持ちしますよ~。

Posted by: naho | 2011.11.23 20:29

naho>そうだった、アウトドアといえばnahoさん。そうなんですよ、分かってるつもりでもいざ着てみるといろいろ実感できて、冬はアウトドア用品がやたら気になります!

Posted by: HOWE | 2011.11.24 22:33

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