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April 2012

2012.04.27

『ベルリンの壁~建設から崩壊まで~』を観て、なんだか平手打ちされてる気分。

スカパーつけたらヒストリーチャンネルで『ベルリンの壁~建設から崩壊まで~』という2時間の特番。
最初は適当に夕食をつつきながら観ていたのだが、あらためてこの壁があった頃の東ベルリンからの脱出劇というのは、当時を生き抜いた人の証言が加わると本気でハラハラする話のオンパレードなんだな。知識として大まかに分かっていたつもりだったが、手作りの気球で一家総出で国境を越えたケースとか、軽量飛行機を使ってわずか16分の間に兄弟を乗せて国境を往復して助かったケースとか、自作した改良サーフボードを使ってドイツの北方の沿岸部からバルト海をわたってデンマークの沿岸に脱出したケース(しかもこの事件を最初に取材したのがサーフィン雑誌だったというオチ)とか、そんなことがあったのかと驚くばかりである。

自分が生きていてそれなりに記憶のある「ベルリンの壁崩壊=東西冷戦の終焉」という歴史的転換点は、それでも自分が12歳とかそこらのときの話であって、いったいそれがどういうことを意味しているのか、当時はあまり分かってなかったわけだ。でもこうして年を重ねてそれなりに知識が重なると、このベルリンの壁は「自由とは何か」というとてつもなく根本的な問題に集約されていることを知るわけだ。そして、単純に「自分は好きなことをやって、好きなように発言をして、好きな場所を旅したい」という、ただそれだけを望むことが、まったく許されなかった体制なり社会状況が、すぐそばに、ちょっと前までヨーロッパに存在していたということを改めて実感するし、それと同時に「自由でありたい」という欲求が抑えられると、人はどんな手段を使ってでもそれを取り返そうとする、そのエネルギーというかパワーというものに、人類としての底力みたいなものを感じずにはいられない。

そう、ひるがえって、最近の若い学生さんが(そして自分も含めて)「何もやる気がしない」みたいな雰囲気でいる、そんなツラに対して強烈なビンタのごとく、こういう話はビシッとつきつけてくるものがある。

年始にたしかに自分はベルリンに行ったのだが、時間的制約もあってベルリンの壁をめぐる史跡とかはほとんど行っていないままであったのがちょっと悔やまれる。

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2012.04.22

蒼室寛幸さん個展「やさしい生活」は大阪北浜FOLK old book storeにてGW開催中!

蒼室さんの個展「やさしい生活」、やさしく開催中です!

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ワークショップ『フォーク村の愉快な仲間達』の様子。いろんな生き物を作ります。

ポエジーで暖かみのあるイラストだったり、荒唐無稽かつナイーブなマンガを描く部分と、かたやハードコア・パンク精神な部分でも生きている蒼室さんの振り幅の激しさっぷり(それプラス、多作っぷり)が、いつもスゲェなぁと思います。子どもからお年寄りそして宇宙人果ては豆腐までも、彼は生きとし生けるものすべてにコミットしている感じがします。

蒼室さんの持っていた不要な本やボードゲームまで売っているガレージセールも開催中。
なんだかこう、友だちの家の本棚をみるときの独特の気分が味わえます。

そして会場のFOLK old book storeさんもはじめて訪れたのだけど、とてもすてきな空間でした。地下には大きなイベントスペースがあって、いろいろなことができそう。北浜ってなかなかイメージわきにくい場所だったのだけど、このお店だけでなく近辺も面白そうな雰囲気があって、やはりこのごろは京阪沿線が熱いなぁ。

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2012.04.19

ステージパフォーマーとしてのジャイアンについて、評価できる点とは

Gian

『ドラえもん』における、「避けられない宿命」としてのジャイアン・リサイタル。

でも、そんなジャイアンにも評価すべき点があると思った。

それは、彼は決して「コール&レスポンス」などを聴衆に求めなかったことである。
つまりステージの歌い手がマイクを客席に向けて、自分から発したかけ声をオーディエンスに繰り返させたり、あるいは曲の途中でサビをオーディエンスに歌わせたりするようなアクションだ。

私は自分がオーディエンスでいるとき、あのコール&レスポンスが苦手なのである。スポーツ観戦のときとは異なり、音楽ライヴの会場で、客席にいる我々が、人の指示をうけて大声を一緒になって発するという作業がイヤなのである。

私の記憶の限り、ジャイアンが自分のリサイタルでそのようなことをしたことはないはずだ。客席からのかけ声がなくても十分盛り上げていけるという自信に満ちているのであろう。たしかにオーディエンスは悪夢を味わっているのであろうが、それでもジャイアンからコール&レスポンスを要求されないだけでもマシだと思っておいたほうがいい。

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2012.04.14

Books DANTARIONさんのウェブストアでも『DIY TRIP』扱ってもらっています

大阪の、というか日本屈指のZine書店ブックスダンタリオンさんで、ウェブストアの部門でも『DIY TRIP』を扱っていただいております。(こちら)からお入りください。このブログの左のサイドバーからもリンクさせていただいております。
なんだかもう、気がつけばどんどんダンタリオンは充実しているようにみえる。

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そして「ぱんとたまねぎ」ハヤシさんの紹介により、5月には福岡のリブロ福岡天神店で行われるリトルプレスのフェアにも出展させていただくことに。詳細がきまればお知らせします。
思えば福岡の「ブックオカ」でのフリペイベントに『HOWE』を出展させてもらったことが、いまのこの状況の遠因となっていったようにも思う。今度はZine冊子を福岡へ。しかもリブロですよ。梅田ロフトにリブロがあった頃、大阪にいったら必ず寄っていたような気がする。インターネットがなかった時代は、ああいうエッジの効いた書店が私にとっての「情報刺激」のすべてだったと思う。

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2012.04.12

肝心なものしかなかった

U2のボノがインタビューで、自分たちの若かりし頃について回想し、
「僕らには、肝心なものしかなかった」
と言っていて、それを読んで以来、自分はその言葉を糧にして生きてきた部分がある。
それはとっても理想主義的かもしれないし、
そんなことを言えるほどのことをしてきたかどうかも怪しいのだが。
それでも、至る所で、しばしば、この言葉がよぎる。

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2012.04.07

最近いただいたZine/フリーペーパーについて

この一ヶ月間ぐらいのあいだ、なぜだか不思議にいろいろな方々からZineやフリーペーパーをいただく機会が多かった。

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「朕朕朕」というユニットによる『2011 ニーゼロイチイチ』。メンバーの1人であるTさんからいただく。関西を中心にした50人のキーパーソン(友人知人)に「2011年、この町で印象的だったことを5つ教えてください」と投げかけた、その記録集。震災のあった一年のなかで、そのなかでも一人一人がつかみとっていく日常のなかで、こんなにも多様で楽しいイベントや出来事があったのだ、ということを教えてくれる。そしてこれを読んで「あぁ行っておけばよかった」と後悔するイベントも多し。民博のウメサオタダオ展とか。

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『SOBSTORY no.9』 by Andrew Martin Scott。代官山にできたらしい「オトナ向けTSUTAYA」ではZineも売られていたようで、Tさんよりお土産でこのZineをいただく。表紙のデザインのレトロな雰囲気にグッとくる。そして中は、赤い紙に印刷された白黒写真集。以前も書いたが、なぜ海外の日常風景を撮影した写真を集めるだけでこんなにグッとくるものが出来るのか。そして色つきの用紙に印刷するというのも、いつか自分もマネしたいと思う。

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『Pantry:パンと旅行とときどき工作』。このフリペはこの春卒業を迎えた学生のパン粉さんによるもの。卒業式の日にこの第2号(第2店舗)をいただけて感慨深い。テーマをもった外国旅行をし、その記録を手書きでまとめてフリペにするという、そういう作業のもたらす面白さというのは、作った本人だけでなくそれを読んだ人にも伝播していくと思う。この大学生活で「旅とパン屋めぐりとフリペづくり」の面白さを実践的に知ってしまった以上、ぜひこれからもフリペを作り続けて欲しいと願う。

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猫町存美さんの『自分毒』最新号。冒頭に「日々心に浮かびあがったことなどを、言う相手も少ないし、言うほどでもないし、じゃあ忘れてしまえばいいのにできなくて、どうしていいか分からず書き留めました」とあり、そしてそこに付け加えるとすれば「その文章を印刷して、ホッチキスで綴じて、いろいろなところに配って、そしてそれをあなたが今、読んでいる」ということ。「なぜフリーペーパーをつくるのか」という、そこの「なぜ」の部分には、いろいろな「行ったり来たり」だったり「迷い」みたいなものがあって、でも「書かずにはいられない、印刷せずにはいられない、という側」のほうへ向かっていくベクトルがある。今号でも「別れは大便のにおい」の一文とか、凄みを感じさせる。

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におい、といえば先日お会いしたオーストラリア人アクティビストのBさんからお土産でいただいた日本のZine、『においの街角』、entangled text and confused texture(E.T.C.T.)発行。これは「匂い」をテーマにかなり突っ込んだ取材と広範囲のアンテナで創り上げられた内容で素直に感心した。「生活者にとっての匂いの記憶」は、そのままその街の歴史を浮かび上がらせていくことにもなる。そういえば以前仕事でお招きした歴史家アラン・コルバン先生の著作に『においの歴史』ってあったなぁと思い出す(読んでませんが)。まさに匂いは歴史的資料、感性による資料になりうる。

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『雲のうえのしたで』。これは北九州の情報誌『雲のうえ』を応援するファンクラブ会報誌としてつくられた。北九州市にはまだ行ったことがないけれど、私もファンクラブに入った(笑)。とにかく「雲のうえのしたで」というネーミングが秀逸だと感じ入った。既存の雑誌のファンによる、もうひとつの別の紙メディアという構造も興味深い。主となるメディアの「サブストーリー」だったり「背景」みたいなものを魅力的に後方支援で伝えていくという、フリーペーパー/Zineが果たし得る機能の可能性を感じさせてくれる。

自分もいただいてばっかりではなく、できるだけはやく次の『HOWE』がお届けできるように努めます、ハイ。

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