zine『京都・ガケ書房のための東京案内』を読んでみた
編集者の小梶嗣さんが、ガケ書房に来るようなお客さんのために作った東京ガイド本。ミュージシャンの小西康陽さんなど東京に住むいろんな人々にアンケートをとり、その人の視点からオススメされる東京ガイドブックである。
もちろん、これはガケ書房でしか買えない、ある種の超限定版的なZineである。
(ちなみにこの小梶さんによる「棚」の展示がいまガケ書房に置かれていて、そこには小梶さんが趣味でやってきたというスクラップブックの展示があって、これはこれで圧巻。田宮模型のロゴマークが貼られまくっていて、それもまた圧巻)
東京から離れて暮らしている私にとっては、東京は「なんでもある場所であり/ゆえに、何も選べない都市」である。行きたいお店や、確実に興味をかきたてられるであろうと思われる場所があまりに多すぎて、いざ行ったら、結局どこも探索しないまま帰ってきたりする。そのくせ普段から「あそこに行きたいよな」って思ってしまう。好きな人に「あの話をしよう、この話をしよう」って思っていても、いざ本人が目の前に現れると、なぜかたいした会話ができずに終わってしまうような気分。たぶん。
なので、「ガケ書房が好きならば、東京のここの部分は楽しめるはず」という視点による編集方針で、しかもオンラインではなく紙の冊子で提供されているこのZineは、「セレクトショップ的感覚」で楽しく東京の情報をささやいてくれる。
そもそも、美味しさとか、美しさとか、楽しさといったものは、どうしたって人それぞれの基準でしか説明しようがないわけだから、すべての人にとっての「訪れるべき名店」っていうのは、本当のところはよくわからないままだったりする。なので誰かにとって(のみ、という場合もある)本当に「良い」と思えるお店の、そのピンポイント性に委ねていくことを選びたくなる。しかもこのZineのように売り場や読み手をかなり限定して狙い撃ちしてくるというのは、まさにZine/リトルプレスならではの秘やかな有効性を示している。
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Comments
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Posted by: PatricaFrench | 2012.07.17 22:08