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2013.02.28

コルドバの市場で生ハムを買うおじさんに、人生のステキな秘訣を学ぶことについて

夕食のとき適当にテレビをつけたら、スカパーのフーディーズTVで『世界遺産の街 おいしい旅』というタイトルの番組をやっていて、その回ではスペインのコルドバのおいしいものを紹介するような感じで、何も特に気にもとめず、ダラダラと横目で観ていた。

すると、市場で生ハムを売っているお店が紹介されていて、白髪のおじさんが生ハムの固まりを買うところが紹介されていた。
おじさんは、家族4人で食べるとこの固まりだと1ヶ月半ぐらいでなくなるよ、この量だと50ユーロぐらいかな、自分でハムを切るときは指を切っちゃったりもするんだよねぇ、といった話をカメラの前でしゃべっていた。

や、ほんと、それはいたってフツーーーの光景であった。テレビ的にも。
市場に生ハム屋さんがあって、大きなハムの固まりがぶらさがっていて、そこに常連客とおぼしきこのおじさんが買いに来た、というだけのことだ。


しかしだ、なんとも言えない感情とともに、私は画面から目をそらせずにいた。


それは、とにかく、そのおじさん(とハム屋さんの店主も含めて)の、「基本的な陽気さ」に心奪われたからだ。

番組のそのシーン自体、とくにドラマチックでもなんでもない。よくある光景、よくあるシーン。そして特に変わった買い物をしたわけではない。そのおじさんは、きっと家族みんなが食べるいつものお気に入りの生ハムを買いに来て、そのときにたまたまテレビカメラがあったので、ペラペラとしゃべっている、ただそれだけだ。

それなのに、なんだろう、このスペインのおじさんの「基本的な陽気さ」の、途方もなく羨ましいほどの、強烈な印象は。
ハムを買いに来た、ただそれだけのことを、スペシャルなお楽しみのように、うれしそうに、にこやかに、カメラの前で語って聞かせる(買ったあと袋に入れてもらった生ハムについて『ほら、まるでテニスのラケットが入ってるみたいだろう?』とおどけてみせる)。

人生を、本当に楽しんでいるように見える人の笑みは、パワフルなエネルギーに満ちているんだなぁと。
なんてことない生活のワンシーンのなかにも、ほほえみと楽しさを常にたたえている生き方。
そしてそういうエネルギーに触れて、自分のなかにも取り込みたいと、素直に思う。

やー、なんか不思議なシーンだった。なんてことないテレビのワンシーンで、ここまで書かせるほどの笑顔とエネルギー。

そういう「基本的な陽気さ」ってどうやったら身につくのか。

・・・自分もいまから生ハムを買いに行けばいいのか?(笑)

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