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2013.03.22

オトナが中学・高校英語をあらためて学ぶうえでのコツ(と、大きく出てみる)

『中学・高校で習った英語の基本を5時間でやり直す本』

というタイトルの本を目にし、英語に限らず中学・高校生活をもういちどやり直したい気分の私は買って読んでみたのである。

読み始めてはじめて知ったのだが、著者の菊池先生は会社員を辞めたあと、長い期間にわたりひきこもり生活を送って、そのときに英語の独学にハマって、その後TOEICで満点を取り続けるまでになったという背景があるのだった。

そういう角度から書かれた英語教本なので、たとえば自動詞についての説明で、「I live. 私は生きている」という文について、説明がものたりなく感じるが英文法的には大丈夫であるということについて触れ、

金八先生だったら、人は人と助け合って生きていくんだ、人は1人では生きてはいけないんだ、というかもしれませんけど、私はひきこもり時代の7年間、1人で生きてきましたからね。実感を込めていいます。人は1人で生きていけます。脱線しているみたいですけど、していませんよ。I liveの話です。英語の文法の話です。私は1人で生きていけます。ここに何もいりません。

とあって、自動詞について説明するにあたってここまで生々しい文章に出会ったことは今までない。

まぁ、この箇所だけはかなり際だっている部分であり、全体としては落ち着いたトーンで菊池先生はひたすら英語を忘れたオトナたちのためにあれこれとレクチャーしてくれる。

たとえば英語をがんばって勉強しようと思っても長続きしないことについては、「三日坊主で終わるなら、三日坊主を繰り返してみること」とあり、こういうアドバイス、私はわりと好きである。

そうして読んでいくなかで、なんとなく私は「オトナがあらためて中学・高校英語を学ぶうえでのコツ」に気づいてきた。

それは、「知らなかったこと(忘れたこと)について、おおげさにリアクションしてみる」ということだ。

たとえば私の場合、

「形容詞が修飾するのは名詞だけで、その一方で副詞は名詞を修飾することはできないが、動詞・形容詞・副詞そのものを修飾することはできる」

という説明について、現役の学生さんなら「それがどうした」と思うかもしれないが、今の私にとっては、こういう当たり前の事実(=オトナになってすっかり忘れている知識)に触れると、妙に新鮮な驚きが起こって「そ、そうだったんですか!!」となって、ちょっと楽しくなってくるわけだ。
それはまるで、卒業して20年ぐらいたってはじめて「あの頃、じつはアイツとあの子は付き合っていた」という事実を聞かされて、不思議な新鮮さであったり、妙な盛り上がりを覚えるような、そういう感覚に近い。

つまり、初心に戻って、でも心のどこかでは「もうオトナだもんね」的な部分を併せ持って、そうしてあらためて中学・高校の英語を学び直すことの楽しさを味わうことが大切なのかもしれない。「アンテナの感度」の問題で、オトナになると、そういう「あたらしい発見」にたいするリアクションが薄くなっているんだろうなぁということでもある。もっと何事でもおおげさに、「そうだったんですかー!! へぇぇーー!!」となるような気分でいたいものである。今回のこの菊池先生の本がきっかけでそういうことに思い至ることができた。

よくリーディングの上達のコツで、「子ども向け絵本などの平易な英文の本を読むと良い」というアドバイスが散見されていて、「なんで今さら子どもの本なんて」と思っていたが、実はやはりこれは一理あるのかもしれない、と思うようになった。これはつまり「初心に戻って英語を学ぶ体験をできるだけ楽しくさせる」ための方策なんだろうと思う。

ちなみにその他にも菊池先生は、イヤホンで英語を聴きながら行う発音練習の際に、自分の声もよく聞こえるようにするため、カップめんの容器を2つ組みあわせて作る「装置」も紹介している。それがどういうものかはだいたい想像がつくかと思うが、そこに垣間見える「DIY精神」もまたポイントであった。


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