『8時だヨ!全員集合』というのは、ものすごくよくできた番組タイトルだと思う
歴代最高視聴率50%越えということで、ネットもケータイもなかった時代、テレビを観るのが基本的な娯楽だった時代においては、それも分かる気もする。
最近ふと、ドリフターズのことを思い出し、そしてこの『8時だヨ! 全員集合』という番組のことを考えたときに、この番組タイトルはテレビ史上もっとも巧みなネーミングのひとつであったのではないかと思った。
なによりまず、「8時だヨ!」である。
この言葉により、番組の開始時間を覚えさせられるのである。毎週土曜日の夜8時にこの番組が放送されることを、このタイトルに触れたすべての人びとは記憶してしまうわけである。
そして、「全員集合」である。
ここには二つの意味が込められている。
ひとつは、当時の「旬な」芸能人がみんな集まる生放送のショーであるということ。
そしてもうひとつは、視聴者に向けられた「号令」となり、「みんなテレビの前に集合しよう」という呼びかけとなっていることだ。
今と違ってこのテレビ番組を観ないことには日頃の友だちづきあいのなかで話題に乗り遅れかねないという、強烈な「同調圧力」をこのタイトルは生み出すことができていた。
そう思うと、この『8時だヨ! 全員集合』以上にテレビ番組を繰り返し視聴させるようなチカラを持ったタイトルはなかなか思いつけない。これは実に巧みなネーミングだったのである。
ちなみに、これとは真逆の方向性であったタイトルの番組に、アメリカの『エド・サリヴァン・ショー』とか、『徹子の部屋』とかが挙げられるわけだが、これはもう司会者の存在感だけで引っ張っていったわけだから、それはそれですごい。
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Comments
んー、考えさせれます。
マス、コア、時代、共通点感覚があった時代とそうでない世代。
Posted by: 7um6lr5 | 2013.04.29 01:52
7um6lr5>読んでいただきありがとうございます。テレビ番組をネタに時代感覚を考えるのは面白い作業ですね。
Posted by: N.Tateishi | 2013.04.29 22:12