サイバーテロの本当の怖さは「被害をでっちあげることができる」こと
最近つくづく思うのは、サイバーテロというのは、どうしても「他の国のコンピューター・セキュリティを破る技術」をサイバー工作員がせっせと向上させて、攻撃を仕掛けるというイメージになりがちなんだけど、本当に怖いのは「被害をでっちあげる技術を高めること」にもあるんじゃないか、っていう。
何もしていないはずなのに、こちらの国があちらの国でサイバーテロを実施したかのような事態が構築されてしまい、どうにも反証しようがないほどのスケールで行われたらどうなるか。
過去の歴史をみても、そうやって「勝手にでっちあげた」ことで取り返しのつかない争いが生じてきたわけで、サイバーワールドにはそういうことが容易に成立しやすい状況が、現実社会とは比べものにならないほどあるんじゃないだろうか。
もっと卑近なたとえ話に落とし込むと、悪意をもった人間が、ムカつく野郎を陥れるために、満員電車で何もしていないのに、その人を自由自在に痴漢の犯人扱いできてしまうぐらい、やっかいな技術的革新が行われるようなものである。もうそうなると、対応しようがないし防衛しようもない。
あるサイトにアクセスしただけで、個人情報が盗まれたり、まったく意図しないところへアクセスをしたことになるような、そういう技術がすでに出回っているのなら、何の罪もない人が、あるサイトを訪れただけで、知らないあいだに他国のサーバーへの攻撃に関与してしまった、なんて技術もすでにあるのかもしれない。「善良な民間人が、自分の意志とは無関係にサイバーテロの実行犯にさせられる」ことほど怖ろしいテロはないよ。いまこの画面を見ているあなたが触っているそのマウスのワンクリックが、知らぬ間にミサイルの発射に直結していると想像してみてよ。
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