世界との差を痛感(笑いで)
いま帰宅しました。
ロンドンからソウルへの帰りの飛行機で(今回は大韓航空)、用を足すべくトイレに向かうと、トイレの前でだらだらとしていた白人男性に話しかけられ、たぶん見知らぬ人と世間話したなかでは最長時間を記録するぐらい、なぜか会話が続いた(相手は気を利かせて簡単な英語をしゃべっていたと思う)。まぁ、長いフライトでお互いヒマだったんだろう。
その人はスペイン育ちのイギリス人で、ダンス好きのアクティブなおじさんだった。仕事で韓国に行くという。
で、スペイン気質を大事にしているのか、「人生は楽しまなきゃなー!」的なノリの話をしていて、「仕事も人生もダンスみたいなものだ!」みたいなことを激しいアクションでテンション高くまくしたて、
そしていきなり
「君の人生で、
もっともクレイジーなことをやらかしたのは何だい?」
という質問を受けた。
う む 。
私も中等教育からいろいろと英語の授業を受けて育ってきたが、そんな質問が見知らぬ他人との会話のなかで登場することは、もちろん誰も教えてくれなかった。私がさらに印象的だったのは、このときはじめて「クレイジー」という単語にestの最上級がついた「craziest」という言葉があることを知ったのである。そうか、クレイジーは形容詞として最上級もあるのか、と。
「クレージスト・・・」
ここで突然、私の過去における、とくに『HOWE』に書いた過去のあれこれなどをダダダーっと想起したが、説明するのが難しく(ゴルゴのお面とか、なかなかすぐにうまく説明できない。面倒くさいし・・・)、
「うーーーーん、そう言われると、なかなかうまく出てこないなぁ」
と、真剣に考え込んでしまった。飛行機のトイレ前で。
そうして私が答えにつまっていると、通路を歩いてきた初老の白人男性(たぶん、その人もイギリス人)がトイレを使うべく我々のところを通ろうとした。
するとスペイン男はその初老の男性にも気軽に話しかけ、そして同じ質問、「あなたが今までやったなかでもっともクレージストな行いは何?」を投げかけたのである。
そこで
初老の男性、トイレのドアに手をかけながら、
「うーん、ワイフと結婚をしたことかな」
と、即答。
やられた。
なんだか。
見事にジョークの、ユーモアのセンスを、間髪入れず、返してきた。
この一瞬の返し、見事なリターンに、私は軽く衝撃を受けた。
サッカーでいうところの「これが、国際レベルのスピードか」と。
長いフライトで疲れているにもかかわらず、そんな突然の妙な質問に、うまくユーモアで素早く返すその技量。
これがユーモア大国イギリスの底力なのか!?・・・というわけで、この旅は最後までこんな調子であったのである。
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