12年後に、私と父はカティーサークの甲板に立っていた
そもそも父をロンドンに連れて行くという動機には、私が生まれたときに記念としてこのデカいカティーサークの帆船模型を父が作ったという「ネタ」があったからである。そこが伏線となっている。
2001年にはじめてロンドンを旅して、グリニッジにあるこのカティーサークの実物展示を目にしたときに、「あ、自分はいつかここに父を連れて来なければ」と思いついたわけで。
2005年に2度目のロンドン旅行を終え、完全にロンドンかぶれと化したまま2006年ごろに、「いつか連れて行く」の「いつか」は、今やらないと将来的には後悔しまくることになると気づき、「ロンドン行くぞ計画宣言」を父に説き伏せ、そして『ハウ』19号で書いたとおり、いざ実際に連れて行くことになった2007年の、まさに出発直前の時期に、カティーサークは謎の火災に見舞われるという、なかなか絶妙のタイミングで笑うしかないハプニングが発生するわけだ。
そうして、その再建計画が進められていき、2009年に2度目の親連れ旅行のときにも訪れ「これは、再建にはかなり時間がかかるかな・・・」という状況だったが、なんだかんだで去年のロンドン五輪を目前に見事間に合って復建されたのである。
なので旅行の初日に(父親がわりとサクサク歩けるうちに)、さっそくカティーサークへ向かう。
カティーサーク、しっかりとリニューアル!! グッジョブ!!
船底を眺めながらカフェテリアで飲食までできるほどのオシャレなスポットに大変身!!
いやはや。
船内の展示コーナーはハイテクも取り入れたすばらしい博物館と化していて、そしてもはや「燃えちゃったけど、なんとかここまで再建したぞ」ということを全面に押し出す展示もあり・・・なんというか、焼失したことを半ばネタにしちゃうぐらいの勢いというか・・・(笑)
さすがの父親も機嫌良くそれぞれの見学ポイントをじっくり回っていた。もっとセカセカと歩き回って、「さぁ、もう出るぞ」とか言うかと思ったが、予想以上にじっくり滞在してくれたので、目的が達成できた充実感もひとしおである。
さらに、帆船模型で相当作り込んだから、「そうそう、このオリにはニワトリが飼われていた」と言いだすので、よく見るとたしかにその暗闇の向こうにニワトリの人形が展示してあったり、「この部屋はトイレだろ?」と思いつきのように言ってたら本当にそうだったり、「あんたはこの帆船の乗組員でもしていたのか!」とツッコミたくなった。
こうして私にとって長年の懸案事項というか課題というか、自分で勝手に作り上げた努力目標みたいなものが、ひとつ達成されたので、基本的に今回の旅行はこれでひとつの完結をみたわけだ。あとはもう、私の好きなようにロックでフットボールでアート&デザインな旅行を展開してもバチは当たらないはずだ!きっと!
Comments
久々に覗いてみたら、お父様と旅行に行ってたんですね。素晴らしい。そういう親子関係いいですなぁ。
撮ってる写真もどれもいいわぁ…。
さてなぜこの記事にコメするかっつーと、うちが使ってるゴミ箱(ダンナのもので結構な30年以上の年季入ってる)がカティサークのシルエットが描かれているからなんですね。
おお、これがそうなのかあと感慨深くなりました。
が、写真撮ってみせようかと思ったら、モノが見えないくらい子どものシールが貼られていました(笑)
Posted by: Yuri Meine | 2013.09.23 09:15
Yuri Meine >なんと!身近なところにカティーサーク!グッとくる話です。そして子どものシールまみれになるというファニーさも。
Posted by: N.Tateishi | 2013.09.23 16:27