今思えば日本におけるDIYカルチャーを考えるうえで重要な役割を果たしていたとも考えられるTV番組「できるかな」のノッポさんがひたすら無言で喋らないことを「不気味だ」と幼心に怖く感じていたのは私だけじゃないはずだ
いまでも、ちょっとした工作作業をやっているときに、気がつくと『できるかな』のテーマ曲がうっかりアタマの中を流れていたりする。
幼児期におけるテレビ視聴の影響力を思い知るひとときである。
「DIY、自分で作る」ことをこだわるようになってからはなおさら、『できるかな』は人生で最初に出会った「DIY精神を発揮して楽しく生きること」の表象だったと言えそうだ。
でもノッポさんは、いつもどことなく「不気味さ」を湛えていたわけだよ、自分にとっては!(笑)
当時の私はあの番組のナレーションが、「ゴン太くんの声」だと思い込んでいた。でもよくみたらゴン太くんは、それとは別にSEの音声で、声にならない声を発していたよな。
つまりあそこで展開されていたのは「バーバルなコミュニケーションを超えて、手作業の営みを通じて築かれる豊かな遊びと創造の空間」だったのか。
そういえば最近、ゴン太くんの役の方が亡くなったようで・・・。
『できるかな』は、確実に私たちの世代の成長過程にDIY精神の素敵さを植え付けてくれていたのであります。合掌。
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