「三条富小路書店4」オープン&第5回京都ヒストリカ国際映画祭『ヨーロッパの初期喜劇映画からチャップリンへ』
休みをいただいて、今日からはじまった「三条富小路書店4」へ。自主制作冊子のクオリティの高まりや、扱うテーマの多様性に圧倒される。作り手としては「そうきたか!」と悔しがったり、「どうやって作んだよコレ!」と驚いたり、路地裏の静かなギャラリーのなかで、心の中で叫びながらいろいろな本のありようを楽しめる。12月15日までやっているので、ぜひぜひ。
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そのあと、今開催中の「第5回京都ヒストリカ国際映画祭」へ。
今回来た理由は、この日『ヨーロッパの初期喜劇映画からチャップリンへ』という企画上映があったからだ。1910年代におけるイタリア・フランスを中心とした短編無声喜劇映画がいくつか上映されて、そしてメインはチャップリンのデビュー当時(1914年)に作られたなかから、日本初公開の3本が上映。
80年代後半にNHKが一時期チャップリンの映画をたくさん放送していて、主要作品はほぼ全部ビデオに録画して観てきたので、こういう企画はありがたい。
解説の人いわく、チャップリンは庶民から上流階級までの幅広い設定を演じることができたという点が特徴的だったとのこと。言われてみたらそういう視点でチャップリン映画を捉えたことがなかった。
あと、この1914年に年間30本以上も作品を作っていたのも考えてみたらすごいペース。その創作意欲、スタッフや役者さんも含めた熱いエネルギーのスパークっぷりを想像すると、畏敬の念すら覚える。
今回上映されたチャップリンの作品は『新米雑役夫』The New Janitor、『笑いのガス』Laughing Gas、『チャップリンの総理大臣』Caught in a Cabaret、ということで、どれもハチャメチャな展開でラストに怒濤の大団円を迎えていく。その他の当時の喜劇映画もそうだったけど、この時代の作品は総じて部屋の家具をボッコボコに破壊するシーンが多いのな(笑)。
それにしてもチャップリンの動きのキレ味は、確かに他とはちょっと違う感じで、細かい動きの工夫、「俊敏さと優雅さのコンビネーション」みたいなものがこの人の凄さなのかもしれないと改めて感じた。何せステッキをあそこまで的確にダイナミックに振り回しながら、それを用いて他人を攻撃したりもするわけで、これってブルース・リーのヌンチャクと根本的に変わらないんじゃないかっていう。
ちなみに無声映画なので、BGMはピアノとチェロの生演奏で、映画にあわせてアドリブっぽく弾いていて、そして解説役の人が途中に出てくる字幕を翻訳して喋っていた。でもこの解説の人が、上映前の説明で「じつは映像をみるのは自分もこれが初めてなんです」って言っていて、初見でその場で字幕を訳していた。せめて関係者には事前に映像見せてあげてやってよ・・・と思った次第。なので本当に文字通り「日本初上映」だった様子。お客呼んでやるイベントとしてそれはどうやねんと、ちょっとそこはズッコケたなぁ。
で、今回と同じプログラムは12月5日木曜日にも上映されるとのこと。翻訳もこなれているはず(笑)。
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