ガケ書房で、流血マッチをやらかした話
長らく親しまれてきたガケ書房が、その名前ではもうすぐその歴史を終えることになる。
1月にお店に行ったとき、店長の山下さんが「店の外壁に積んでいる石を、最後はお客さんに自由に持って行ってもらおうと思っている」とおっしゃっていて、甲子園の土を持って帰るような感じで良いプランだなぁと思った。
(2月15日に『ガケ崩し』という名前で、イベント化されました)
そこで思いついたのが、ガケ書房のお買い物袋に印字されている「ガ」の文字を、バンクシーのようなグラフィティばりにステンシルで作ったらどうかということだ。お客さんが思い思いに好きな石を選び、その「ガ」の文字をスプレーでプリントできたら、なおいっそうステキじゃないか。
本当だったらすぐに試作品を作ってみるべきなのだが、折しもガケ書房と同様、私個人も「引っ越し」というイベントを実施することになり、結局はそっちの作業にあらゆるエネルギーを使ってしまって、今日の今日まで思いつきを形にせずに終わっていた。
そうこうしているうちにガケ書房の営業も今週がラストとなり、私の引っ越し作業も大詰めを迎えながら今日の祝日を迎えてしまった。ずっとステンシル作成のことが気にかかっていて、もはや今日しかないと思い、いざ作ってみることにした。
うむ、そうだ。君が思うとおり、本来ならば私は引っ越し作業に専念すべきである。しかしどうしたって人間は、「そうじゃないこと」をこういうときにやりたがるし、こういうときだからこそ楽しく集中して作業ができてしまうのである。
気づけば引っ越し荷物のなかにあらゆる材料や道具がうもれてしまい、結局、土台となる素材はそのへんの引っ越し用資料のなかにあった「大阪ガス」のクリアホルダーを使うに至る。
そして実はこの作業のあと、午後はたまたま近所にある某国際交流会館へちょっとした出張仕事があったので、このステンシルを作り終えた直後にちゃんとした格好に着替えて、30分後にはまるで「ガ」の文字を切り抜いたことなんてありませんよみたいな顔でしれっと会議室に着席していた。
帰宅後、ふたたび着替えて自転車に乗り、出町柳のホームセンター、ケーヨーデイツーへ。
なにせ石にスプレーするので、水性よりもコンクリート用のスプレー塗料だろう・・・と思い、そしてあまり深く考えずにカラーは「赤」をチョイス。
ガケ書房のあの大量の石たちが、赤い文字で「ガ」とスプレーされていく光景を楽しく想像しながら、ガケ書房へ。
たぶん、半笑いで自転車をこいでいたはずだ。
店に入ると、ひさしぶりにガケ書房のスタッフとしてのうめの氏にお会いする。さっそくスプレーとステンシルを見せると、いつものように冷静な口調で「ちょっと実験してみましょうか」と、入口横の「もぐらスペース」に積まれている石のところへ(すでに一部の外壁は解体されていて、石を持って帰ることができていた)。
タテーシ、適当な平たさをもつ石を選んで、
ステンシルをあてがい、
シャカシャカとスプレーをふり、
プシューっといく。
最初のミスは、スプレーの「撹拌」が足りなかったことにより、液状にダラーっと色がついた。
そしてよーく振ってからスプレーしても、結局は石の上に付着した色が徐々ににじんでしまった。
ガケ店員のねねこさんも参戦し、お店にあった「ガ」のゴムスタンプを用いて、衣類用のインクで石につくかどうか実験。
結論からいうと、そっちのほうがいい感じだった。
そしておまけに2,3の石に向かってスプレーを吹き付けたことで、ボタボタになって付着したりしたものもあり、赤色の塗料がついた石が散乱する状況になってしまい、まるでガケ書房のフィナーレを「血祭り」にしてしまう勢いとなった。
途中で山下店長も様子をうかがいに来て、うろたえる私にたいして
「これぞDIY!」
「その気持ちが嬉しいですよ!」
と、温かい言葉をかけていただいた。
タテーシのDIY、今回は完全に企画倒れ。
そもそも、どうして「赤色」のスプレーにしたのか、自分(笑)。
せめて白色系でいっとくべきだった・・・・。
寒いなか、そしてフィナーレ週間の祝日という超お忙しいなか、この実験を見守ってくださった山下店長、うめのさん、ねねこさん、ご迷惑をおかけしました・・・こうしてブログのネタにするしかない状況になってしまい申し訳ありません(笑)。
そしてプロレス好きの山下店長へのオマージュとして、今回の題名を「流血マッチ」にしてみました(笑)。
ガケ書房での最後の想い出が、「血だらけの石」という、このオチ・・・(笑)
(そして最初にスプレーを試した石を、記念に持って帰らせていただきました)
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下に敷いてもらった新聞紙の、この猫の写真をみて、まさに企画「倒れ」になっていると、うめの氏がうまいこと言っていた(笑)。
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