山口情報芸術センター(YCAM)のことや、山口県立美術館の学芸員さんの解説文がやたらポップだった件
法事があったので山口県へ。今回、せっかくなので今までほとんど行く機会のなかった山口市に滞在し、温泉とかサッカー観戦を楽しんだりしつつ。
そして湯田温泉街から山口駅にむかう途中で、以前から気になっていたYCAM(山口情報芸術センター)に立ち寄ってみた。
ここは図書館と情報メディア工房とアートギャラリーや映画館が合体したような複合施設だった。
おそらく客がこの大階段に座って、このエリアのスペースでパフォーマンスを観賞したりできるのだろう。
目新しいわけではないが、こういう施設にこそ、こういうバーカウンター的なものを備えた自販機コーナーってうれしい。
「ソーシャル・メディア・キッチン」という試み。(これが「ソーシャル・キッチン」という名前だと京都のそれを思い出すわけだが)コーヒーのドリップの仕方をワークショップ的に学べたり、食材を持ち寄ってカフェで調理して楽しむこともできるらしく、公的施設の中でこういう試みは貴重。
建物の前はれっきとした芝生の公園として、親子で模型飛行機を飛ばしていたりラジコンで遊んだりしていた。こういうのが近所にあるのはうらやましい。
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そして今回の旅のタイミングにおいて、たまたま山口県立美術館で「リバプール国立美術館所蔵 英国の夢:ラファエル前派展」が行われていたことが自分にとってすごくラッキーだった。
去年の11月にこれを見たいがために名古屋に行ってきたのだが、日本での巡回がその後も続いてこの山口県立美術館に来ていた。
二度目の展覧会をじっくりと味わったのだが、今回の「発見」としては、「会場がかわると、作品の解説のテキストの内容も、それぞれの担当者によって変わる」ということだった。そしてこの山口県立美術館の学芸員さんの手による作品解説は、「驚くほど、くだけた文体」だった。
メモを取ってないので、記憶をたよりにフレーズを再現すると、たとえば
「表情はまるでハリウッドスター」だとか、
「顔の前に花を添える、女子力高めのポーズ」だとか、
「詩を読むよりも私は恋の駆け引きのゲームのほうが楽しいわ、と言わんばかりの表情」だとか、
もはや絵画の中身よりも解説文の文体のポップさに気を取られてしまう。
でもなー、このテイストだと誰かのブログを読んでる程度だし、そこで「親しみやすさ」を強調されてもなー・・・個人的にはこう、作品の解説には「知的刺激」がベースに欲しいんですよ・・・っていうのは自分がオッサンになったからなのだろうか。
あるいは旅先で再開した絵画との、旅情の入り交じった独特の思い出にちょっと水をさされた感じがあるからだろうか。
ともあれ、また観たかった絵画とこの地で再会できたことに感謝しつつ、法事をすませたのであった。
そんな山口での想い出。
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