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October 2017

2017.10.09

ECHOESなロンドン旅2017夏・その6:底なしロンドンめぐり

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今回のロンドン旅で訪れたその他の場所について・・・こうして振り返ると5日間ちょっとの滞在でスタンプラリーのごとくいろんな場所に行っている。次はもうちょっと落ち着いて滞在したい。

 ☆スカイガーデン

 数年前にニュースで「ロンドンで建設中の高層ビルからの太陽光線の反射によって、路上に停めていた乗用車がダメージをうけてゆがんだ」というウソみたいな出来事があって、ご存じの方も多いだろう。で、そのビルというのが最近できあがって、いま無料で頂上階に行ける(ただし予約が必要で、今のところすぐに申し込み完了になる。数日間のスパンの予約を10日前ぐらいに一気に受け付け開始にするので、マメに公式サイトをチェックしないといけない)。

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 「チーズ削り機」の異名をとるこの変わった形状のビル、たしかにこの妙な形状だと、とんでもない方向に太陽光線を反射させてもムリはないと思わせる。ひたすら上を見上げていくと、建物をみるだけなのに酔いそうな感じ。

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 厳重な手荷物検査の後、エレベーターで最上階のスカイガーデンへ。そこはオープンテラス的なレストランもあり、何も飲み食いしなくてもテラスへ出て、昔の人が見ることができなかった角度からロンドン市内の景色を楽しめる。まぁ、外の景色もうまく見えるところと見えにくいところがあって、安全上の観点を思えば「まぁ、こんなもんだろうな」と思わせる構造ではあるが、何より(少なくとも今は)無料でここまで来ることができるので、話のネタとして訪れておいてもいいかと。

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↑今度きたときは向かいにある「ザ・シャード」も行ってみようと思う。

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 ☆アレクサンドラ・パレス

 そうとは知らず、たまたま私が宿泊先として選んだリントン・アパートメンツの近くに実はこのアレクサンドラ・パレスがあった。

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 小高い丘のうえにあり、南にロンドン中心地を見下ろすとても景色の良い場所で、その立地条件もあってここには軍事施設だったりBBCの放送曲の電波塔があったりしている。そしてそういう歴史博物館としての性質もありつつ、普通にイベント会場としても現役のよう。いまは基本的には工事中のようではあるが、周辺にはこの建物の歴史を語る展示物がセットされていたりする。

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この場所は今回の旅のテーマにおいてぜひ訪れたいと思っていたところだった。この施設はいろいろな歴史がしみこんでいるわけだが、今回の旅にひきつけて言えば、60年代後半のロンドン・アンダーグラウンドシーンにおける記念碑的イベント「14アワー・テクニカラー・ドリーム」がこの場所で行われていたのである。ピンク・フロイドもここで(アムステルダムのライヴを終えた足で駆けつけて)演奏をしていた。

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 ☆ロイヤル・アルバート・ホール(BBCプロムス)

 イギリス好きを吹聴しつつも、恥ずかしながら今まで「BBCプロムス」という夏の恒例イベントの存在を知らなかった。120年以上前から続く、長期間にわたる夏のクラシック音楽の祭典で、連日連夜コンサートが企画されており、「お金のない人でもクラシック音楽に親しんでもらう」という当初の趣旨を今でも大事にしており、格安で、ドレスコードもとくになく、一般庶民が気軽に楽しめるという音楽コンサートの夏フェスなのである。

 せっかく夏の時期にロンドンにいるのであれば、やはりこれは観ておきたいと思ったし、何よりメイン会場がロイヤル・アルバート・ホールなのである。むしろこの建物に入りたいがために今回観に行った部分もある。

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 そしてたまたま私が訪れた日は、指揮者に大野和士、メゾソプラノに藤村実穂子という日本人音楽家が登場する日でもあった。演奏する曲はドビュッシー、ラベル、そしてマーク・アンソニー・タネジという現代音楽家の作品を演奏。

 ロイヤル・アルバート・ホールも実は先述した「テクニカラー・ドリーム」におけるアンダーグラウンドシーンとの深い関わりがあり、同イベントを扱ったドキュメンタリー映画でも、そのはじまりは1965年にこのホールで行われたビート詩人たちによるポエトリー・リーディングのイベントにあったとされている。そのほか、数々のロック・ミュージシャンもここで演奏しており、ライヴ盤の題名で「ライヴ・アット・ロイヤル・アルバート・ホール」という感じで名付けられることもあることから、そういう意味でも「イギリスにおける日本武道館」みたいなものだと勝手に思っている。

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 円形のホールなのでロビーも当然グルグルと回れる仕組みになっていて、私は調子に乗って場内のパブでシードルのお酒なんか買ってチビチビやりつつ(この旅で唯一お酒を飲んだのがこのときだった)、廊下に掲げられたいくつもの歴史的名演の記録写真などを眺めて開演前を過ごした。
 すると、件のビート詩人ギンスバーグのイベントの写真もちゃんと掲げられていた。こういうのをちゃんと掲示するあたり、文化を継承することの意味を分かってらっしゃる。

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 そして満を持して中に入る。プロムスというイベントのおかげで誰しもが来やすいこの空間において、誰の人生にとっても印象的な感覚をかきたててくれるであろう雰囲気があった。照明や装飾のなかにある現代的なムードと、言葉にしにくい伝統的な空気感が混ざり合った感じがあった。

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 座席はオンラインで好きな場所を選んで予約できるのだが、せっかくなんで「Choir」と呼ばれる座席へ。演奏者のうしろでコーラス隊が入るならこの座席を使うのだろうか。価格は19.50ポンド、3000円ぐらいか。そしてこの角度からだと指揮者の表情やオーディエンスの様子がよく眺められる。私のように音楽そのもの以上に、このホール自体にまずは興味があるという人にとってはとても楽しめる座席だと思える。
 このプロムスの特徴として、アリーナ席だけは当日券のみの販売で、立ち見なのであった。それはなんだかライヴハウスみたいな感じであり、クラシック音楽のコンサートというある種のイメージを覆してくれる感じで、後方エリアだと体育座りでもあぐらでも寝そべってもいいぐらいで、とっても、とっても、カジュアルなのである。

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 そして和やかなムードで開演。演奏を堪能しつつ・・・普通はこういうとき寝ないはずなのに、うっかり途中眠ってしまったのは、直前に飲んだシードルのせいだと思いたい。

 とりわけプロムスの最終日はとても盛り上がるようで、帰国後に知っている人に話を聞くと日本でもテレビ放送があったよう。なぜ今まで知らなかったのか。

YouTubeでも当然いろいろアップされている。これが今年の最終日のテレビ放送の様子で、別会場でも同時中継でみんなで気軽に楽しんでいる。あらためて観ると、クラシックの現場で、まるでロックフェスのような感じで旗振りまくったりしていて、こういう楽しみ方や盛り上がり方もアリなのね、と新鮮な気分になる。

ラストは当然のごとく「ゴッド・セイブ・ザ・クイーン」で締めくくる・・・と思ったら最後の最後は「蛍の光」が演奏されて、なんか観客もみんな隣の人たちと手をつなぎ合ってリズムとるのが風習? なんか微笑ましい。
番組のエンドロール前の「今年のハイライト」みたいな映像も興味深くて、実はいろんなジャンルの音楽をこのイベントでは上演しているのが分かる。
やー、いつかこの最終日のプロムスで旗振りまくりたい(会場に日の丸もみえるな)。こうしてまた次々と「イギリスでやりたいことリスト」が増えていく・・・今回もそうだが、「そんなに何度もロンドンに行って何をやるの?」とよく問われるのであるが、こういう感じで、行くたびに次にやりたいことがたくさん出てくるので、底なしなのだ。

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