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2017.11.23

ECHOESなロンドン旅2017夏・その7:写真をみながら、いろいろと。

もう季節はすっかり秋を経ていよいよ寒くなろうかという日々だが、いまだにブログで夏の旅を思い出したがることを許して欲しい。たった5日あまりの滞在だけれども、4年分の想いをぶつけにいったような旅だったので、とにかく楽しくて毎日写真を撮りまくって歩きまくったのである。

というわけで「番外編」的に、写真を脈絡無く貼りまくっていく。

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着いて初日の朝に地下鉄の駅で出会ったポスター。「ロンドンはすべての人を歓迎します」という見事なデザインとメッセージ性。ちょっとグッときた。入国審査が厳しいくせによく言うよとは思うが(笑)、このようなセンスをオリンピックを控えた我が国のパブリックな空間にはまったく感じないのはなんなんだろう。

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英語を話せなくても注文しやすい、という観点からもそうなのだが、私はなんとなく、KFCはイギリスで食べるとミョーに美味しい気がしている。このフィッシュ&チップス的な「箱にポテトとチキンを混ぜてぶちこんで提供する」というザックリした感じがそう思わせるのか、あるいは単に食べ慣れた味が異国の地だとよりいっそう刺激的な味わいに思わせる錯覚におちいっているだけなのか。あと写真右側に見えるが、小さい袋で塩とコショウがついてきて、これもなんだかいい感じに思えてくる。普段ファストフードなんてまったく評価しないはずが、好きな国にくると、とたんにこうなる。
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ちなみにトレイの紙のデザインも、念のため。

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そしてこのときのKFCの店内から撮影したスナップだが、この写真について言いたいことが3つもある。

(1)写真が見切れて申し訳ないが、左端にある、のっぺりした赤いソファが60年代っぽくてオシャレだった。
(2)でもそのソファに座りたくても座りにくかったのは、そこの窓のすぐ外に座っている白人男性が物乞いのような状態だったからである。しかし、私が店内にいる間だけでも、通行人のかなりの割合の人が彼に話しかけたり、お金?をあげていたりしていたのが印象的だった。
(3)写真をクリックしてもらうと分かりやすいのだが、いままさに人が出て行く右端のドアノブのところは「PULL」と貼られている。しかし写真の様子から分かるように、このドアは実際はプッシュしないと開かない。そして反対側の表示は哀しいかな「PUSH」と貼られていた。私も含め、この日のこの店にやって来た客のすべてが最初は「開かずのドアでガンガンしながら戸惑う」という儀式を経て入店していた。しかし私が店内にいる間、誰もそのことについて特に文句をいう様子でもなく「まぁ、こんなもんだよな」的な雰囲気でレジまで行くし、その結果、店員も気づかないのか、あるいは面倒くさいからなのか、そのまま放置されていて、相変わらず新規の客はドアをガンガンしてから入ってくるという切ない状態が続いていた。うまく言えないが、「あぁ、イギリスに来たなぁ」と思うひとときだった。

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↑ノッティングヒルで出会った、素敵な外壁のカラーリング展開!

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↑たまたま移動中に出会った運河のボート停泊エリア。地下鉄Angel駅のちかく。いつか運河を船でゆっくり移動する旅をしたいと思っているので、バッタリこういうシーンに出会うとテンションあがる。

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↑こちらはブリックレーン・マーケットの古着屋の看板。なんか妙に心ひかれる雰囲気があった。中はわりとフツーだったが、海外にいくと古着屋は一通りチェックしたくなる。

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↑これもブリックレーン。チョコレート専門店の、すべてが素晴らしいディスプレイ。

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↑「シリアル・キラー・カフェ」。いいネーミング。これもブリックレーン・マーケット。

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↑ブリック・レーンのとあるジャンクなマーケットエリアではいろんなガラクタ系がひしめいていた。写真では分かりにくいが、車の前で座る店主のおじさん2名と、その背後にかかげられているパンダの着ぐるみの売り物?の組み合わせが醸し出す、なんともいえない情景が忘れがたかった。あまりにおじさんの雰囲気が鬱々としていたので近づけなかった。

ロンドンのマーケットといえば他にもいろいろあるが今回あらためて「やはりここが一番好きだ」と思えたのがステイブル・マーケットだ。

普通はカムデン・ロック・マーケットを歩き通したあとのそのさらに奥に行けばたどり着くマーケットなのだが、個人的にはあえて地下鉄のチョーク・ファーム駅まで行って降りて、南下してラウンドハウスの建物(ここもロック聖地として、例のテクニカラー・ドリームの関連においても重要なライヴハウスである)を横目に眺めて、そのままステイブル・マーケットに入っていくルートを推奨したい。カムデン・ロックのあたりだと、観光客相手を意識しているのか、似たようなモノを売る似たような店がやたら多いので、疲れるし飽きてくる。ステイブル・マーケットのエリアに来て初めて、このディープな味わいのマーケットにたどり着くわけで、だったら最初からこっちに来た方が時間の節約にもなるぞ、と。

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うまく言えないが、「軽く狂っている感じ」と「インディーズ手作りDIY」の感じが観光客向け路線のなかで、ほどよく楽しめる雰囲気。

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↑しばらく来ない間に、『TIMEOUT』誌はフリーペーパーとなってしまった。ずっと探していたのだが、これをようやく手にできたのが旅行の最終日だった。そして特集タイトルが「ハロー・ロンドン」っていう。もう帰るのに!(笑)。昔は空港について真っ先にこれを買って、細かい字でびっしり書かれたその週のイベント情報をじっくりチェックするのが楽しみだったのだが、そういう情報も現在のこの誌面では載っていなくて、すべてウェブで調べなさいという時代。2005年に現地で「London Zine Symposium」のイベントを知ったのもこの『TIMEOUT』誌のおかげだったのだ。

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↑セインズベリーズのパッケージデザインがユニオンジャック好きにはたまらないのでムダに買ってしまいたくなる。

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↑こちらは近所のテスコで買った単なるクッキングペーパー。どうしてこうも見事なデザインを・・・

旅先で雑貨屋・文具屋をチェックするのも毎度のことであるが、今回の旅で一番よかったのは、「Present & Correct」というお店。

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写真を撮っていいか尋ねたら、二つ返事でオッケーをしてくれた店員さんがおそらくオーナーの方で、この人が男性だからか、自分にもすごく共感できるチョイスの雑貨が多かった印象。ロシアっぽいメモパッドとか買い込む。

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↑そしてこのお店の紙袋も凝ったデザインでステキ。

お店のサイトは(こちら)。地下鉄ではAngel駅のエリア。

 

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↑これはテート・ブリテンで絵を観ながら、どうしても甘いものが食べたくなったので初めて地下のカフェをトライしてみたときのプレート。この無骨な感じの紅茶ポットがひたすらカッコよかった。そしてチョコケーキも美味しかったのである。

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↑これは朝のBBCニュースで取り上げられていたネタで、当時人気が出てきたロックンロールなどが公共放送では紹介されないので、法律にひっかからない海の上からラジオで放送した「海賊ラジオ局」が起こって50周年とのこと(ピンク・フロイドが50周年なのだから、確かに同時代的にこのあたりのネタはすべて50年を迎えるのだった)。これもDIY精神の歴史を語る上で外せない歴史のひとつであり、映画『パイレーツ・ロック』はまさにこのテーマを扱った快作。

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個人的に感じ入ったのは、そもそも当時のBBCがロック音楽の放送を忌避していたことへのカウンターカルチャーとして海賊ラジオが始まったわけだが、50年も経つとBBCが「今度この海賊ラジオの船と一緒にイベントします~」とか言っていることを、こうして目の当たりにしたことだった。

・・・というわけで4年ぶりのロンドン、本当に今回は最高に良い旅だったので、いろいろと書いてみた。ピンク・フロイドの50周年記念ということがすべての始まりであったので、この一連のブログ記事の締めくくりに彼らの曲の動画を貼り付けて終わろうかと思う。

で、最近YouTubeで知ったピアノ奏者、Bruno Hrabovskyという人がピンク・フロイドのいろんな曲をカバーしているのだが、その中でも最高に素晴らしいのが、代表曲『エコーズ』で、ぜひそれを紹介したい。むしろこれは、原曲よりもよりいっそう原曲の良さを引き出しているとすら思える。原曲の冗長な部分を省いて聴きやすくしていて、『エコーズ』がいったいどういう曲だったのかを改めて解釈し、迫力あるピアノの響きで表現している。

というわけで夏のロンドンでの想い出は、『Echoes』の曲とともに。

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