サイドカー問題
毎月、行きつけの鍼灸院の先生に施術をしてもらいながら、いつもいろんな話をする。
先日のときは鍼灸師の先生がおもむろに、
「まだ家族にも言ってないんですが・・・」と、つぶやく。
「はい」
「最近、サイドカーが欲しくなってきて」
「サイドカーですか」
なるほど、と思った。先生は若い頃にハーレー・ダビッドソンを乗り回していたのだが、結婚して子どもが生まれてからは泣く泣くバイクを手放したとの話は聞いていた。
そろそろかつてのバイク趣味を復活させてもいいだろうと思ったのだろう、そこへ普通に二輪車ではなく、「昔からあこがれがあった」というサイドカーへ照準を向けつつあるわけだ。
「いろいろ調べてみると需要がないようで、値下がってきている」とのことで、ハーレーのサイドカーになると今後は生産がされないかもしれないらしく希少価値があがる可能性があるため「家族には、これは『将来への投資なんだ』と説明しようかと思う」など、もうすでに先生は購入する気が満々の様子だった。
かれこれ10年ぐらいの付き合いになるが、鍼灸師の先生とはこうして、しばしば物欲に関する対話がネタになってくる。今回の場合は家族にまだ怖くて相談できないぶん、患者へ語ることで背中を押してもらおうという感じであった。
それにしても、私の人生でサイドカーの購入を真剣に検討している人と会話するのは初めてのことだったので、いろいろ聞くにつれ、サイドカーを所有することはいろいろ大変そうだと思った。
というのも、その話を聞いたときにはまず最初に「サイドカーだったら、奥さんやお子さんが乗っても楽しめるんじゃないですか」と私は軽い思いつきで言ったのだが、「いや、街中だと注目を集めてしまうので恥ずかしがってあんまり乗ってくれないと思う」とのこと。確かにそれはそうかもしれない。
あと、ハーレーのように米国のバイクだと右側車線の世界に対応したカタチになるため、どうしてもサイドの車はバイクの右側に位置する。それを日本の道路で走らせる場合は、同乗者のほうは対向車線側にくる。連れ合いや子どもを常に対向車線側の危険なゾーンにさらすことになるので、それはそれで落ち着かない。
「家族がダメなら、友人を乗せて走るとか」と私。
「だからといって、おっさんが二人でサイドカーに乗っている図も美しくない」と言われる。
車輪が3つあるため、普通のバイクほどには転倒のリスクは少なそうなのだが、サイドカーが空席だと重量バランスが悪くなるようで、場合によってはサイドカーのトランクに砂袋を収納して走ることもあるらしい。これからもし街中でサイドカーを見かけることがあれば、サイドに人が乗っているのかどうかはとても重要な関心事になってきそうだ。
そういうわけで、結論としては「ペット(犬)を飼って乗せるしかないのか」となったのだが、犬にしても普段の散歩と違って勝手が違うだろうから、いい迷惑かもしれないし、途中で降り出したくなられても困る。
でも今ネットで調べたら、犬を乗せてサイドカーを走らせることはわりと行われているようだ(こんな記事があった)。
つまりは犬の散歩をエンジン駆動で行う装置としてサイドカーの存在意義があるのかもしれない。
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Comments
元ライダーなので、モーターサイクルのネタに
反応してしまいましたw
アラフィフおっさん的には、空いている
サイドカーのシートにギター積んで
悪の組織と対する時にソレを奏でて
ヒーローに変身、とか妄想しました
(キカイダーは世代ギャップでしょうかw)。
ん~、サイドカーの有効利用ですか。。。
現実的にはキャンプ道具積んで、二輪以上の
積載量でのツーリング、でしょうか。
てか、それ二輪でなくとも出来るでしょ?とw
キャンピングカー買うほどガチで求めていない、でもクルマぢゃ無い、バイクがエエねん
って方々(私も含む、ってオイw)
に向けてアピールすれば需要もあるのかも?
(多分w)
Posted by: ねこじし | 2021.05.02 00:59
ねこじしさん>おっ、バイクもたしなんでいたんですね。キカイダー世代じゃないのですが、ギター弾いていたのはなんとなく知ってます(笑)
Posted by: タテイシ | 2021.05.02 13:35