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2021.04.25

友人の弟君の結婚披露宴をライブ配信で楽しませていただいた話

Napoli
▲ゲーム実況「ナポリの男たち」のキャラがのっかったケーキがファニー。

 旧友のM・フィオリオ氏の弟くんであるシゲちゃんが、このたびめでたく結婚式を挙げた。

 本来なら昨年の今頃に挙式が執り行われる予定だったのだが、コロナ禍のためなくなく延期となってしまった。
 しかしそれから一年が経ち、さまざまな工夫により感染対策を万全にしたうえで挙式と披露宴が催されることとなり、そしてその様子をネット中継で配信をするということになったのである。
 私はフィオリオ氏に頼んでその動画配信のURLを教えてもらい、その様子を観ることができ、貴重な体験をさせてもらえることとなった。

 そもそもフィオリオ氏のご一家が私の地元に引っ越してきたのは小学校6年生のときであり、シゲちゃんは当時1歳とかだったわけで、おおよそ一回りほど違う。よくフィオリオ氏の家に遊びに行かせてもらっていたが、年が離れているぶん、我々にも屈託なく接してくれる天真爛漫なシゲちゃんとはその当時から同じ空間を共有してワイワイやっていた。
 あとこの当時のことを思い返すと、いつも帰りがけにフィオリオ氏のお父さんが、リビングから「おつかれさーん」と、まるで一仕事終えたかのような声をかけてくれたのが印象的で、こちらとしてはさんざんゲームなどして遊ばせてもらっていたのでまったくお疲れでもないのだけど・・・と当時は思っていたわけだが、あの「おつかれさーん」は、ひょっとしたらシゲちゃんの相手をしてくれてお疲れさま、っていう意味だったのかもしれないと後々になって思ったりもした。

 そんなわけで、少年時代の一時期をしばしば共に過ごしたシゲちゃんであるが、大きくなるにつれて顔を合わせる機会も減り、やがて進学で親元を離れ、難しそうな勉強を続けて立派な社会人になっていく様子を、ときおりフィオリオ氏との会話でうかがう感じであった。

 そのシゲちゃんがご結婚とのことで、なんだか勝手ながら親戚のおじさんのような気持ちで感慨深く思えてきて、去年の段階で「もし披露宴の当日に急きょ欠席者が出たら、いつでも駆けつける準備はしておくから!」とフィオリオ氏に伝えていた(『新郎の兄の友人』という立場の人が出席する披露宴はなかなかないだろうけど)。

 本来なら去年に予定していた挙式や披露宴が延期になったことは新郎新婦やご家族にとってもたいへんお気の毒なことであっただろうと思う。しかしコロナ禍のなかで、オンラインで場を共有するという技術的な課題解決があらゆる分野で定着していったことにより、1年後に仕切り直して行われる挙式や披露宴において、私のような立場の者でも「ある意味での参加」ができるようになったことについては、ひとつの大きな社会変容を実感させられる。おそらくコロナ禍が収まったあとも、こうした挙式・披露宴において、オンラインを用いたコミュニケーション技術は積極的に活用されるだろうから、未来の生活様式のひとつのありかたを今回の彼らは示してくれたように思う。

 そういうわけで私のほうも気合いを入れるべく、









自宅で礼服を着て臨むことにした。

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▲着替えたけど、このあと外出する予定がない日。

 動画配信のURLにアクセスすると、事前に式場側からの注意事項がいくつか示されており、そのなかでなるほどと思ったのは「たとえ友人に知らせたいとはいえ、SNS等で配信URLを拡散させないように」というポイントだ。たしかに結婚式や披露宴は、よくよく考えると新郎新婦だけでなく招待客においても個人情報の固まりのようなイベントなので、この点は強調して注意を払うべきなのだと認識した。

そしていよいよ挙式が始まった。

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 久しぶりにお見かけするシゲちゃんはすっかりオトナになっていて(そりゃそうだ、自分がいま43歳なのだ)、笑うとミスチルの桜井さんに似ており、いい男になっていた。お連れ合いさんも可憐で雰囲気が素敵な方で、良い人に出会ったんだねえぇ~と、親戚のおっさんモードで眺めていた。

 たまたま式場内のカメラの位置取りの関係で、フィオリオ氏のご家族の様子も見えやすかった。もし仮にこういう場で私が列席していたら真後ろの席についているだろうから、ご親族の表情なども背中越しに想像するしかないわけで、これはこれで貴重な光景を見せていただいたわけである。

 そうして挙式のあと、誰もいない披露宴会場に動画が切り替わった。やがて招待客がテーブルにつき、主役登場まで待つ間の時間もずっと中継してくれていたのは良かった。どうしても披露宴開始前は、「手持ちぶさた」な時間帯が必ずあるわけで、このあたり、とてもリアルな「時間的経験」だと感じた。

 とはいえ私としては、この時間帯を利用して、自宅のなかでチョコチョコと動き回る必要があった。というのも・・・








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 そう、自分用の食事をあらかじめ用意したのである。
 普段あまり行かない近所の高級スーパーに出向き、そこでお総菜コーナーを物色した結果、(ちょっと想定とは異なるラインナップだったが)「なんとなく色合いが披露宴っぽい」という理由でこのチョイスに。そして普段はお酒は飲まないが、せっかくなのでスパークリングワインなども準備してみたり。私としては「飲み慣れないお酒を味わう+お酒のせいでボ~ッとしたテンションになる」というのも披露宴に付きものの経験なので、できるだけそういうシチュエーションを再現しておきたかった。

 こうして披露宴が始まり、画面に向かって乾杯を行った。

 新郎新婦が招待客と一緒に写真を撮ったりする際に接近するときは、飛沫防止のため、ハート型にデコレーションされた透明プラスチックの板のようなものを手に添えて会話していて、いろいろ工夫されていた。

 私の立場からすれば、フィオリオ家ご一同と新郎新婦が一緒に写真撮影をするシーンが最も興味深いところであり、ちゃんとカメラも正面に回ってその様子を伝えてくれていた。それぞれの表情を微笑ましく眺めながら、パソコンの画面に向かってスマホのカメラで写真を撮ったりしたわけだが、後々になって気づいたのは、これはスクリーンショットで画像をキャプチャしたほうが確実に画質的には良いはずなので、ついいつもの調子でスマホを取り出していたことについては苦笑いである。

 今回はそれでも感染防止対策のため、現場には親族のみを招待するに留め、それはご本人たちにとっても本意ではなかったであろうけれども、オンライン配信による利点を最大限駆使したうえで、出来る限りたくさんの方々に「参加」をしてもらいたいという新郎新婦の気持ちが随所に表れていた。
 たとえばチャット機能により、URLを知っている友人たちはメッセージを随時送ることができ、司会者の人もその内容をふまえてコメントを添えたりもできる。おそらく、新郎新婦の席にも画面が設置されていて、そのコメントを読めるようにもなっていたと思われる。
 また会場内に流れているBGMも適度な音量で配信にも届いていて、その空間にいるような雰囲気づくりは技術的にとても考えられていた。
 
 そして動画配信の場合だと、途中に用意されている余興のクイズゲームや、お二人のこれまでを紹介する写真スライドなどは、これ以上ないぐらい鮮明に画面で拝見できる。ただし写真に収まっている本人や親族以外の人については、ネット配信である以上、すべて顔を覆い隠さなければならない配慮が求められるのも、見ていて「なるほどなぁ」と思った。
 
 そうした配慮は、宴の終盤に訪れた「新婦へのサプライズメッセージ動画の上映」のときにも徹底されていて、この場合、現場の会場で流された動画は、個人情報保護の観点によりネット配信の視聴者には見せることができないわけである。ただしその代わり、配信用のカメラは「動画を見る新郎新婦の姿」をずっと捉えていて、新婦が驚き、笑い、感激し、涙を浮かべる様子を見守ることとなる。そしてこのときシゲちゃんが新婦の雰囲気を察してさりげなく内ポケットからハンカチを取り出して渡した様子はすごく素敵なシーンで、とっても印象的だった。

 こうして最後の締めくくりは新郎新婦によるスピーチがあり、そこからエンディング・ムービーが配信された。自宅で見ているこちらも、もはやすっかり現場にいるテンション(ちょっと酔ってるし)になっていて、ハートフルな気持ちとともに、すっかり堪能させてもらっていた。

 こうして新しい時代の変化を味わわせてくれたシゲちゃんご夫妻にはあらためて「ご結婚おめでとうございます!貴重な経験をさせてくれてありがとう!!」といつかリアルな現場で伝えたいと思った。

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 ▲調子に乗って近所のケーキ屋にも寄って用意したが、さすがに食べ過ぎの感があるな。

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Comments

動画配信なのに礼服着るって(笑)
「おつかれさーん」(^o^)

Posted by: MSK | 2021.05.05 15:41

MSK>こういうのはやはり気分をアゲていきたいので、着てみました(笑)

Posted by: タテイシ | 2021.05.06 20:42

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