忘れがたいテレビCMのこと
自分にとって忘れがたいテレビコマーシャルと言われて最初に思い浮かぶのは、サントリーのオールドフォレスターのこのCMだ。
YouTubeのおかげでこうした過去のCMも手軽に楽しめるわけだが、よくみたらこれは1988年のCMということなので、当時の私は小学5年生だ。
広告の意味する直接のメッセージがうまく汲み取れなくても、そしてその後の私はお酒を楽しめるようなオトナにもなりそこねているわけだけど、ずっとこのCMは印象に残り続けている。
で、流れている音楽についてはCMのなかにもクレジットが表示されているが、そこまで当時は追いかけるわけでもなく、その後高校生ぐらいのとき、たまたまラジオで流れていて「!!」となり、そこでようやく、この曲がブラックというアーティストの「Wonderful Life」という曲だったことを知り、アルバムを買った。
そしてYouTubeの時代になり、当時のビデオクリップを観ることができてようやく分かったのは、このサントリーのCMは、ほぼこの曲のPVを流用して作られていたわけで、あの独特の雰囲気と、さまざまな解釈を要するモノクロームのヴィジュアルは、楽曲の世界観に依るものだったことをオトナになってようやく知り得たわけであった。
何らかのストーリーがあるわけでもなく、断片的にさまざまな人々の人生の一瞬が反映されていて、それでいて一遍の映画のような味わい。自分が白黒写真を好む遠因はこのCMでありこの曲がきっかけなのかもしれない。
また、この曲を作ったBLACKというアーティスト、本名Colin Vearncombeは、2016年に自動車事故により亡くなっていたことを、このYouTubeでの書き込みを通して知ることとなった。そういうわけで、哀悼の気持ちを込めて今日はこのことを書いておきたかった。
Comments