津村記久子と大神神社とキング・クリムゾン
今年もよろしくおねがいします。
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初詣は今年も奈良県桜井市に出向き、大神神社へ行った。
自分はずっと奈良県で生まれ育ったが、昔は大神神社のことは何も知らず、その存在を意識して行くようになったのは京都で一人暮らしをしてからだった。わりとパワースポット的なものに興味があり、その流れで行ってみて、たしかに良い空気感のある場所だなぁと感じたのがきっかけである。
そこから毎年正月にはここで祈祷をしてもらうようになり、それなりに平穏無事に楽しく生きているので、いつもいつもありがとうございます~というノリで今年も新年早々大神神社に行ってきたのである。
で、京都からだとそれなりに小旅行といえる距離感で、長く電車にゆられることになる。なので車内では本を読むわけだが、今回持ってきたのは津村記久子が2012年に発表した小説『ウエストウイング』の文庫本だった。
この本を選んだのは「津村記久子でまだ読んでいない作品はどれだろうか」とふと思い立って、大晦日に書店に行って検索機で調べ、手ごろな文庫版で在庫があったのがこの本だけだったという次第であり、正月に読もうと思って買っておいたわけである。
そうして、奈良へ向かう電車のなかで何の気なしにこの文庫本を読み始めて、75ページの最後のところにさしかかると、こんな一文があった。
「二つ年下の彼女とは、初詣にどこへ行くかという話をした。彼女の夫の実家が奈良なので、毎年大神神社に行くのだそうだ」
「ふおぉ~、偶然ぐーぜん! 津村センセイ、いま僕は、その大神神社に向かってるって~!」
ということで、この軽いシンクロニシティ的な偶然にちょっと驚いて、なんだか新年早々いいことありそうだなと思った。
で、
津村作品ではしばしば、唐突に説明抜きにサブカルチャーの固有名詞が文章のなかに出てくることがあり、分からない人にはなんのこっちゃ、となりかねないワードが効果的に差し挟まれることがある。
それで、さきほどの偶然の余韻をすこし引きずりながら、さらに読み進めて、そのあとすぐの99ページ目。
物語の進行上、ここでは、ある「顔」をめぐっての描写説明が入るのだが、そのなかで
「その顔が『クリムゾン・キングの宮殿』のジャケットに似ているのではないか、」
といった具合で、キング・クリムゾンのファーストアルバムである『クリムゾン・キングの宮殿』というワードがこのページだけで4回登場する。
実は私はこの本を読みながら、電車のなかでずっと聴いていたのが、キング・クリムゾンの曲だけを集めた自作プレイリストだったりする(笑)
そのプレイリストは惜しくも『宮殿』に関わる曲は入っていなくて、昨年11月ぐらいに思い立ってサブスクで検索して集めた、クリムゾンのライヴの定番である『トーキング・ドラム』と『太陽と戦慄パート2』の2曲が連続して演奏される、さまざまな年代のライヴ音源だけを集めたもので、ひたすらこの数週間はこのプレイリストをループで延々と聴き続けることが多かったのである(自分のなかで、この曲にはある種のセラピー的な効能があるんじゃないかとすら思っていて、聴き飽きない)。
そんな状況で、この小説を読みながら、「えええええクリムゾンってー!!」と、ひとりでまさに「戦慄」を覚えていた。
そんな正月でした。
ほんと、いいこと起こってほしい。シンクロニシティ大歓迎。




























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