Posts categorized "旅行・地域"

2017.05.28

準備風景そのものも、ひとつのアート的な風情(ピンク・フロイド回顧展@V&A博物館)

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ジワジワくる(笑)。

この5月にはじまったロンドンのヴィクトリア&アルバート博物館でのピンク・フロイド回顧展、その準備作業についての記事(こちら)をたまたまみつけたのである。

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この『Division Bell』のアルバムジャケットのこの頭のモチーフ、この現物を展示するというネタ。

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「ムギュ~~!」って感じ(笑)

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てなわけで、こんな感じでバンドのデビュー50周年回顧展が10月まで繰り広げられている模様。

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そもそもこの企画が昨年発表されたときのプレス向けイベントのときから、豚を飛ばしたりしてシュールさ全開。

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というわけで、常に謎めいた存在でありつつ、公式的には続いているロックバンド(実質的には終わっているんだろうけど)の50周年イベント、おめでとうございます。

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2017.05.16

自分が40歳になったことと、U2の”40”と、『おろしや国酔夢譚』のこと

40歳になったのだけど、何か久しぶりに、U2の古い曲『40』のことを想い出して、リピートしたりする。

もっとも、このうつくしい曲の主題は年齢のそれなんかじゃなく、旧約聖書詩篇の40篇だそうで。
「How long to sing this song」って、まさにそんな気分。

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ここ最近の突発的マイブームが、映画『おろしや国酔夢譚』で、その原作となった井上靖の本もがっつり読んだ。
この映画が作られた、バブリーで景気の良かった頃、日本テレビがこの映画について放映していたのを観た記憶が突然浮かんで、この江戸時代の漂流民の実話に基づく長大なスケールの映画が急に今になって気になりだしたのであった。

漂流してアラスカに近いぐらいの離れ小島に漂着して、何も分からないまま、ただひたすらロシアの言葉を少しずつ覚えて順応していって、そこから帰国を願いつづけて9年間、最終的にはこの大黒屋光太夫はシベリアを超えてユーラシア大陸の西の端、サンクトペテルブルグまでたどり着くという、とんでもなく数奇な運命のなかで、女帝エカチェリーナ二世に直接会えることとなり帰国許可を陳情するわけだけど、人間の持っているエネルギーとか精神力とか、ありとあらゆる部分の感動を覚えてしまう話である(帰国後は鎖国体制下の事情により、かなり不遇な晩年を送ったそうだが)。
 そしてどうしたって命を落としそうな過酷な生活環境と決死の大移動のなか、あらゆる場所で光太夫らを支え、応援してくれた無数の人々がいたのも確かであり、距離や時代を超えたヒューマニズムに、純粋に心打たれるものがある。

とまぁ、最近の私はことあるごとにこの『おろしや国酔夢譚』の話をしているのだが、先日、職場での懇親会の席上、同い年の同僚S氏にそれとなくこの映画の話をすると、彼は中学2年生のときにリアルタイムでこの映画を観てから、たまたまモンベル社の企画で「ロシアの川を3ヶ月間、ロシア・アメリカ・日本の若者が一緒になって川くだりをするツアー」というのに出会い、親に頼んでひとり中学生ながら参加して、初の海外体験をロシアの果てしない川下り、しかも言葉もよく分からない者同士で過ごすということをしたという話をしてくれた。なんたる奇遇。そして中学2年といえば1991年で、ソ連崩壊の大変革の時代だったはず。こんな身近に、そんなとてつもない冒険をしていた人が居たとは! と、驚きまくってしまった。

人生ってこういう感じで、ちょくちょくビビらせてくれるから好きだ。

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2017.04.17

フランスの地方料理と移民料理(時々、旅する朝食)の ビストロ「ベルヴィル」が素敵なお店でした(そしてシェフはアトレティコ・マドリーのファンとのこと)

このあいだ、ひょんなことから(きっかけは、『ぱんとたまねぎ』のハヤシさん経由)長らく私の書いているものを愛読してくださっているK氏にお誘いを受け、京都市役所の北側の路地にある雑居ビルに赴いた。
や、正確にはビストロのレストランである。でも見た目は雑居ビルのそれなのである。
しかし上にあがると、それはそれはよく出来たインテリアに、グッとくる色合いの壁紙が印象的なお店があったのだ。

「フランスの地方料理と移民料理 ベルヴィル」と、「タイ料理&ベトナム料理 トルビアック」。この二つのお店(というか、ビルのなかの独立したそれぞれの部屋)が、中央の厨房を挟んで同時に存在しているという、不思議な佇まい。

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今回はベルヴィルのほうでお食事をいただいた。いかにもなフランス料理ではなく、あくまで移民の人々の生活感のなかで生まれてきた料理が提供されている。

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丁寧にじっくりと創られていく珠玉の料理の数々。じっくり味わい、ゆっくり語らい、珍しいビールなどを飲みつつ。

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普段あまりビールは飲まないのだけど、あまりに珍しいのとラベルのデザインが良かったので、フルーティーなベルギーのビールを堪能。出されるコップのレトロ感とかたまらない。

もうひとつ隣の部屋も、鮮烈な配色が印象的でオシャレ。

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12月にオープンしたばかりとのことで、文字通りの隠れ家的なお店。K氏のおかげでとても良いお店を教えていただく。

ホームページは(こちら)。

以前から、ブルーグレーの壁の色の室内にすごく憧れがあって、まさにこのベルヴィルがそんな感じ。すごく落ち着く場所。


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2017.03.24

「マーチエキュート神田万世橋」で開催の「Anonymous Camp」にて、シャムキャッツがプロデュースする「EASY展」に出品させていただきます。

 東京の神田、マーチエキュート神田万世橋というなにやらステキな場所で開催される「Anonymous Camp」という期間限定マーケットのイベントにおいて、シャムキャッツがプロデュースする「EASY展」が行われるとのことで、いままで「EASY」に参加した作家さんたちにお声がかかり、私も今回出展させていただくことに。(自分のうっかりミスで参加表明が遅くなってしまい、関係各位にご迷惑をおかけしつつ・・・)

このタイミングで、今回はじめてリリースする新作アイテムがこれ。

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「DIYぽち袋作成キット」。
以前の「EASY TOUR@京都」で出展した「封筒づくりキット」が、ちょっと大きすぎるのと、分かりにくさがあったんじゃないかという感じがしたので、より小さく(手の平サイズ)、かつ封筒よりも実は使用頻度が高そうな「ぽち袋」に焦点をしぼってみた。

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こうして好きな雑誌のページを、テンプレートを使って切り抜いて、折込んでいく。
接着は両面テープの幅の狭いのを使ってみたり、いろいろと。

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なぜか、どういうわけか、封筒とちがって「ぽち袋」のサイズになると、完成品もどことなくファニーだったり、ジワジワくる笑いがただよう感じがする。自分としてはそこにあらたな可能性を感じている。

上の写真のぽち袋の作例サンプルは、このブログの記事のために作ってみたもので、「EASY展」に向けて送った作例サンプルはまた違ったものになっている(急いで作って速攻で東京に送ったので、写真を撮り忘れていたのだ)。現地に置いてある(であろう)ぽち袋のサンプルをみて「カズダンスかよ!」とか「なぜ女優の小林聡美なんだwww」とか思っていただけるとうれしい。

会期は2017年3月24日(金)~3月30日(木)
時間:11:00~21:00(日曜、祝日のみ20:00まで)
そして29日、30日はシャムキャッツのメンバーが2人ずつ日替わり店長でやってくるとのこと!


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2017.01.25

古い時代のF1ファンにとってグッとくる体験ができるのは、実はこんな金曜日のことだったりする。

今日の記事はひさしぶりに「元F1マニアとして」体験したことをテンション高めに書いていくので、恐縮だが、ついて来られる人のみ読んでいただくしかなく、そこのところをあらかじめ断っておく。

ちょっと前の話になるが、たまたま金曜日の平日に休みを取り、せっかくなので日帰りで遠出をしたい気分になったので前日の夜にいろいろと調べてみた。「そういえば鈴鹿サーキットは最近どうなっているのかねぇ」とホームページをみると、ちょうどその土日に「Sound of ENGINE」というイベントがあることを知った。これは懐かしのレーシングカーのデモ走行を行うというもので、よくみるといろいろなカテゴリーのクラシカルなマシンが参加予定で、そしてF1マシンもなかなかのラインナップだった。そして開催日前日の金曜日は、準備日として「練習走行」のみが行われる旨が書かれていた。この練習走行は、土日のイベントのチケットを持っていれば観覧可能とのことだったので、日帰り小旅行のネタとしては悪くないと思った。

こうして金曜日の朝にひとまずコンビニで土曜の1日券を買って、私は鈴鹿に向かったのである。

そして結論から言うと、金曜の練習日に鈴鹿サーキットを訪れてみたことで、私は古い時代のF1マシンのファンとしてこれ以上ない最高の時間を味わうことができたので、以下そのことを報告させていただく。

このイベントのチケットを持っている人は、「パドックエリアも入場可能」と書いてあり、そのことが私を鈴鹿に行かせるうえでのモチベーションのひとつにもなった。普通、パドックエリアというのは特別なチケットを持っていないと入れないイメージがあり、「レースをやる側」の世界に触れるエリアのはず、なのである。「Sound of ENGINE」の入場客は気軽にパドックにまで行けるのであれば、それはとても価値のある機会だと思った。

そして金曜日はまだイベントの準備が行われている状況で、遊園地の入場料を支払ってサーキットエリアに向かいつつ、あらかじめコンビニで買っておいた「Sound of ENGINE」のチケットもすぐに取り出せるようにカバンに入れていたのだが、「パドックへのトンネル入口」に足を踏み入れ(緊張した)、そのまま突き進んで、トンネルを出てついにパドックエリアに来た!となっても、なぜか私のもっているチケットをチェックする係員などはおらず、私はどこに行ったらいいのか分からないまま、そのままピットの裏側まで普通に訪れることができた。

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で、いきなりピットガレージには、こういう状況を間近で見ることとなった。

たとえばカナダの富豪、ウォルター・ウルフのF1マシンがぽつんと置いてあったり。

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おいおいおいおいおいおい(心の中の声、動揺)。

私の生まれた1977年のF1でチーム初出場・初優勝を挙げたマシンである。後にフェラーリでチャンピォンになる南アフリカのジョディ・シェクターが乗っていた。もちろん、はじめて実車を観た。

ええと、これ、わたし、じっくり見学してていいんでしょうか?(心の中の声、動揺つづく)

でも、周りをみると、私と同様の、おそらく普通の客だと思うのだが、そのあたりをウロウロしていて、そしてピットガレージだったり、あちこちに立ち入っている。

ここは鈴鹿サーキットのピットガレージである。部外者の私がピットガレージにいていいんでしょうか。その想いを抱えつつ、表向き冷静にカメラで撮影しまくっていた。

通常のレース時には「ピットウォーク」というファンサービスのイベントはよくあって、決まった時間だけ、観客がピットレーンを歩いてガレージの中のマシンを外側から見学する・・・というものがあるのだが、どうみてもこの日の午後は、そういう「ピットウォーク」ではなく、単に「誰しもがピットガレージもピットレーンも、さらにピットウォールにも立ち入ってても特に何も言われない」という、かつてのモータースポーツファンだった少年時代の私にとっては鼻血が出るような状況だった。「マジっすか、マジなんですか、この状況は!」と、内心ずっと叫びっぱなしであった。

ちなみに耐久レースのグループCカーのカテゴリーも今回登場していて、その迫力ある佇まいにも圧倒。

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そうして、今回のイベントの「目玉」である2台の車を手がけている、外国人スタッフだけのピットガレージがあった。
フェラーリ312Tと、ティレル006。マジか・・・。

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ここも最初は遠巻きに観ているだけなのだが、他の一般客がカジュアルにガレージの中を通って、マシンを間近に観ていたりするので、私も徐々に中に入り、この状況のなかで、この貴重な車の整備作業をかなり長い時間見守っていた。

イベントのスポンサーの関係だったり、クラシックなレーシングカーを管理する団体から派遣されてきた雰囲気のスタッフさんなので、「レースをやるために来た」わけではなく、「趣味人のオジさんたち風情」のただよう現場だった。それゆえに、我々一般ファンもあまり臆することなく、ガレージに佇んでいられた気がする。

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なので、「ええと、何か飲み物でも買ってきましょうか?」とか言いたい気分でもあった。

しかしだ、目の前のこれ、フェラーリ312Tだ。ニキ・ラウダとともにこの当時のフェラーリで闘ったクレイ・レガッツォーニの車だ。1975年だ。

エンジンの試運転がはじまる。煙と匂いがただよう。時代を超えて、豪快なエンジン音が私のいる空間に響く。ええと、私はここに居てていいんですよね? そればっかり頭によぎる。

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動画も撮ってみた。

なんだこの、贅沢な時空間。

テスト走行の時間がはじまり、時間割にしたがってそれぞれのカテゴリーのマシンが走って行く。
そんなわけでグループCカーが野太い音とともにコースに出て行き、メインストレートに戻ってくる。

そしてそれをピットウォールにへばりついて見届け、爆音につつまれている。
ええと、ほんとに、ここに居ていいんでしょうか、危険といえば危険な場所なんですけど!?

そして着々とフェラーリF1が整備されていき・・・
誰が運転するんだろうと思ったら、さっきまで整備していたおじさん、ガレージの隅で着替えをはじめて、まさかのレーシングスーツ姿に。
いやー、このへんの、なんというか、アバウトな展開に、笑えてきた。

こうして発車準備が整い、ガレージ内にエンジン音が轟き、スタッフの兄さんが1人で後ろからマシンを押すのだが、ここまでくるともはや私も一緒に手を貸して押そうかというぐらいの勢いになっていたが、ガマンして動画を撮るほうを選んだ。

そんなわけで、この日私はひさしぶりにF1マシンにとっぷりと浸かって、なんともいえない充実感を味わった。
間違いなく翌年のスケジュールや来日マシンを確認していることだろう。そうか、現役のF1レースではなく、私はもはやクラシックカー趣味みたいなもので、こういう方面でF1を追ってもいいのだとあらためて実感した。

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テンション高まって自撮りもするわな、この場所だと。

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またこういう光景を見たいと思う!

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2016.12.26

乾物屋スモール(大阪・高槻)に行ってみよう

以前も紹介した『スロウダウン』というフリーペーパーをつくっていた大学時代の後輩のまぁこ嬢が、旦那さんとともに高槻に古民家を買い取り、そこを改造して乾物屋「スモール」を10月にオープンさせた。
出来上がる直前、1日だけ自分もお店の壁の漆喰塗りを手伝わせてもらった。「こんなシロートが漆喰塗って大丈夫ですか」と思ったが、やってみると楽しくて、こうしていろんな人の手でDIY的にお店が出来上がることが面白くもあった。

オープン直後に訪れた写真がこちら。

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『スロウダウン』のなかでも、食べ物を大切にこだわって作っているさまざまな生産者の人への詳細なインタビューやレポートが書かれているが、そうしたつながりのなかで出会ってきた人々との関わりがこんどはお店の形になって、こうして我々が実際に購入できる場を作ったのであった。

お店のホームページは(こちら)。

そしてお店の場所が確かに分かりにくい。
ホームページではJR高槻駅からのバス利用の行き方が紹介されている。
JR高槻駅北乗り場②塚脇・下の口行きに乗車し、「塚脇」下車。約15分。
 バス停を降りたら、道路を反対側に渡って、バスの進行方向と逆にしばらく歩く。
 田んぼを左側に見ながら、その田んぼが終わったところを左折。
 右手に小さな坂道(服部連塚の表示があるところ)をしばらく登っていく。
 服部連塚の矢印の方(右折)に進み、つき当たりの白い家のところを左折。
 右手の角の家がスモールです。
 ぐるっと回ると入り口があります。

とのことで、「服部連塚」というのは小さい古墳のこと(こちら)。
そこで私なりにグーグルマップで文字を追加した地図はこちら。

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(クリックしたら大きくなります)

で、当初は私はここよりもちょっと西側の路地に迷い込んだのだが、かなり独特の面白い雰囲気をただよわせているエリアだったので、むしろ「さんざん迷ったほうが面白いぞ!」とオススメしたい気分であった。

営業時間11:00-18:00
日・祝・月 定休とのこと。

いろんなワークショップやイベントも実施されているので、自分もいつかここで何かやってみたい。

ここを訪れるお客さんには、まさに雰囲気はスモールだけど志のおおきい、ポジティブなエネルギーに満ちたまぁこ嬢と、食の安全やいろんなお話を楽しんで欲しいと思う!


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2016.08.10

「上司の故郷に一人で勝手に行ってみる旅」をしてきた(その4)

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つまり、こういうことだった。

熱い祭り・・・ていうか、ひたすら「熱そうな祭り」である。

普段同じ町内で暮らしている近所の人が、大量の火の粉を浴びて耐えている姿を目の当たりにすることって、なかなかないと思うわけだ。それがこうして年に一度、この地域の人々は手筒花火の奉納というかたちでお祭りにしちゃっている。

しかもこの手筒花火、着火したあといつ終わるのかは誰も予想できなくて、終わるときは

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である。これが毎回ドキッとなって、心臓にくる。

この爆発で、手筒を持っている人の耳の鼓膜とか大丈夫だろうかと心配になる。

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スマホで撮った動画をアップしてみる。(画面をタテにしていたので小さくしか表示できないが)


(最初の爆発で、スマホを持つ手がビビッて揺れている様子も味わってください)

「ヤバい、この祭りはヤバい!」

いやはや、まだまだ知らない世界がたくさんある・・・・

この手筒花火は、それぞれの町の人たちが自分のぶんを手作りで用意し、周到な準備をもって臨んでくるらしい。
そして動画をみてもらえば分かるように、スタートはお社に向かって火をぶっ放すのも、なんだか凄い(祭りの開始直前、拝殿のあたりでは大きなタタミみたいなものを何枚も並べて防御態勢を整えていた)。

ほとんどの場合は2人が同じタイミングで花火をあげるのだが、これは時間の都合上というのもあるのかもしれない。それぞれの4つの町から結構な本数が奉納されるからだ(なのでトータルで3時間ちかい祭事であった)。

そしておそらくその年の「幹事役」みたいな人は一人だけが真ん中に立って、「ソロ奉納」をすることもある。そして当然、さきほど見かけた女性の幹事役もこの手筒花火を天高くぶっ放し、「ボンッ!!」と爆発させていく。ふへー。

このとき手筒花火に使った竹の筒は、それを奉納した人がその後自宅玄関の軒先に縁起物として飾る風習があるそう。たしかにこれが玄関にあれば「オレは手筒花火をやったぞ」と示すことになるわけだ。

それぞれの町による手筒花火の奉納の前に、小さめの花火を持って「前座」的に振る舞う儀式もすごく綺麗で、迫力があり、そしてやっぱり、当事者は熱そうだった・・・

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また、「子ども連」による花火奉納も行われ、それは手筒花火ではなく、打ち上げ花火である。おそらくそれも町ごとのオリジナルな作品で、目の前で高く打ち上げられる花火も、初めて見る自分にとっては至近距離すぎて圧巻だった。神社のサイズとかどうでもよくて、とにかくデカい花火を一発ぶち上げるぜ的な気持ちのこもった花火であった。

またこの手の「台座に乗せて打ち上げる花火」においては、儀式の最中は、ひとりの人が花火の上に覆いかぶさっていて、なんでそんなことをするのかと思ったら「予定外のタイミングで火の粉が舞って、着火するのを防ぐため」との解説を近くの人が喋っていた。

こうして最後は、御神輿に乗せてきた「大筒」を奉納する。
この場合は、燃えるたいまつを儀礼にのっとって振りかざしながら、そのまま途中で「被さってた人」が退いて、そのまま着火して、火がついたままゆっくり降りていく様子がドラマチックだった・・・いやいや、普通に危険ですよ、みなさん! って言いたくもなるが。

これも動画で。

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・・・というわけで、この祭りを見たことについては、上司の地元だからとかはもはや問題ではなく「これは多くの人に観て欲しい」と思えた、テンションの上がるエンターテインメント要素満点の祭りだった。この時期ほかにも豊橋・豊川エリアではこうした手筒花火があちこちでガンガンやられているのであるが、なぜ今まで知らなかったのか。

ちなみに当然のごとく後日上司のSさんにはこの旅の報告とともに手筒花火のことを心から称賛した。そしてSさんには手筒花火の経験があるのかと尋ねると、「もし自分が地元の大学に受かってそのまま実家で暮らしていたら、自分も手筒花火をあげていただろうし、人生が変わっていたと思う」とのこと。たしかに「手筒花火をあげたかどうか」っていうのは、かなり大きな人生のポイントになる気がする・・・や、自分だったら絶対やりたくないと思うけど(笑)。

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この夜は祭りのあと豊川稲荷のあるエリアまで移動して宿に入り、翌朝は早くからチェックアウトして、豊川稲荷神社に向かった(私にしては珍しく寺社仏閣を重点的に回っている旅だ・・・とはいえ残りはカレーうどん屋と書店と高校とスーパーぐらいしか行ってないわけだが)。

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ここでは早朝から祈祷を受け付けてくれるのである。そして4000円以上の祈祷料を納めると、あとで精進料理の接待が受けられるのだった。

祈祷の申込書には、祈願したい内容を表から選んで書けるのだが、神社の公式ホームページで「あれもこれもと欲張ることは精神的にも散漫になり、実るものも実らない結果となる」と書いてあったのを記憶していたので、ここは男らしく、祈願は一つに絞って書いてみた。

受付を済ますと待合室に通されて、隅っこにおじさんが一人座っているだけだった。やはり朝一番に来ると人が少ないのもあって、夏の朝の静けさにシャキッとして身が引き締まる思い。

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そうして、祈祷の儀式が行われる次の順番は、結局そのおじさんと私だけの組になり、係の人のあとをついていき、長い廊下を進んで、本殿に入らせていただく。

10人ほどの神職さんが集まって祝詞が読まれ、祈祷を受ける。この人数の多さに恐縮。

そして私としては祈祷される人の名前や内容というのは、もし読み上げられても儀式の流れのなかでは一般人には聞き取りにくいのかと想像していたのだが、その予想とは裏腹に、えらくクリアに高らかと読み上げられることとなった。



「京都市左京区~

 タテーシナオフミ~

 良縁具足~」


「・・・。」

祈祷終わり。

すいません、こんな場所で朝から笑いをこらえることになるとは・・・や、真剣でしたよ、ええ。


そそくさと、おじさんの後をついて元いた待合所に向かう。
廊下からみえる庭も、早朝の光が気持ちよかった。

すると戻った座敷には、二人分の精進料理が並んで置かれていた。

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広い座敷にピッタリ二人ぶんが並んでいて、そこでモソモソと料理をいただく。実はこんなに早くスムーズに祈祷が受けられるとは思ってなかったので、さっき食べた朝食のことを後悔した。

手慣れた感じでお箸を動かすおじさんに話しかけてみたら、この人は毎月一回は祈祷に来られているとのこと。おそらく何か商売や会社経営をやっているのかもしれない。「遠くから来られたんですね」と言われ、やはり祈願内容はしっかりリスニングされていたようである。「このあたりは私の上司の故郷なので、来てみました」っていう説明をしてみたが、コンセプトがうまく通じたか自信はない。

となりの待合所に新たな参拝客の老夫婦がやってきたのだが、隣のおじさんは「あの方も毎月来られてます」と教えてくれて、先に料理を食べ終えたら、その夫妻に挨拶をして、帰っていった。

いただいた点心料理は見た目以上にボリュームがあり、じっくりゆっくりといただく。そういう時間を味わうこと自体が大切である。


こうして食べ終わったあとは、出口の近くで祈祷料に応じた御札をいただくことになっていた。

するとそこにいた係のおばさんが、僕を見るなりパッと表情が明るくなり、

「サッカーのイングランド代表のファンなんですか!?」

と聞いてきた。

そう、私は「祈祷を受けるなら真っ白の服を着ていったほうがいいのかしら」と思い、でもワイシャツとかを旅先で着る気もせず、しかし適した服装があまりなかったので、結果的にイングランド代表のシャツを身にまとっていたのであった。

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そのおばさんは2002年のワールドカップにおけるベッカム人気のときに火がついた方らしく、「最近はあまり観てないんですけどねー」とか言っていた。それにしてもまさか良縁の祈祷を受けたあとに、さっそく係のおばさんにサッカーファンとして声をかけられるとは、これが祈祷パワーのなせる技なのか、それともこれが答えなのか。


そんなわけで朝一番の祈祷を受け、すがすがしい気分とともに、豊川稲荷のもうひとつの注目スポットに足を踏み入れる。

それがこの霊狐塚だ。

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そしてこの記事を読んで知ったのだが、大岩の隙間に入っているお金を取り出せたらそれをお守りにし、金運に恵まれたらまたここに戻ってそのお金以上の硬貨をここに戻しに来る、という言い伝え?があるようで・・・

近くの注意書きに「岩に登らないように」と書いてあったので、そこは守りつつ、よーく岩の隙間をチェックすると、ほどなく1円玉と10円玉を手に入れることができた!
ぜひまたここに戻って今度はお金を納めに行きたいものである。

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( ↑ でもこれを見ると、岩を登る気分にはなれない。)


そんなわけでこのあとは豊橋市に戻って美術博物館でやっていた「アンドリュー・ワイエス水彩・素描展」というのを観たりして、満喫のうちに京都に戻ってきた。上司のSさんの地元トークがなければまずここに来なかったと思うので、貴重な経験ができたことに(そしてさんざんブログのネタにさせてもらったことにも)あらためて感謝の意を示しつつ、今後は日本のいろんなお祭りもちゃんと観に行きたいと思わせた旅だった。

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このブログでの久々の連載記事、読んでいただきありがとうですー

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2016.08.08

「上司の故郷に一人で勝手に行ってみる旅」をしてきた(その3)

 前回の記事を読んだ上司のSさんから感想のメールをいただいたのだが、そのなかで以下のような指摘を受けたので、まずはそれを紹介したい。

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 ところで、以下2点はちょっとだけ事実と違います。

甲子園に行ったのは、「夏の大会」でございます。ここは国府高校出身の方から、ひょっとして、渡辺いっけいあたりからもクレームが来るかもしれないです。

もう一つは、私の祖父の工場が豊橋にあって、空襲で丸焼けになって没落したというのは本当ですが、砂糖工場というのはおそらく、私の父親が名古屋の砂糖問屋(福谷商店)に勤務していたこととごっちゃになったのではないかと拝察します。

いずれにしても些細なことですので、良いのですが・・・・
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いやいやいや、些細じゃないです、大きい間違いであります、とくにセンバツと夏の甲子園の違いは大きすぎますね、すいません。国府高校関係者の皆様、そして俳優の渡辺いっけいさんにも、お詫び申し上げます。

さて話に戻ると、国府高校からほど近い場所にSさんの実家がかつてあったそうで、川沿いの風景を眺めつつ北上していった。

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このあたりがSさんの家のあったところらしく、もちろん今は家もないそうで、「まったく何のことはない場所」なのだが、こういう「何もない場所」を目指して旅をしている私は、つまりヴィム・ヴェンダースの映画みたいなことをやって悦に入っているんだと、いま書きながら思った。

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そして私はどうしても見ておきたい場所がこの近所にあった。

それがこの「国府観音」。

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家のすぐ近所にあたるこのお寺について、何か印象的な想い出はありますかとSさんに聞いたら、


「友だちのイトウくんとロケット花火を打ち込んだら、
そこの尼さんがビックリしていた」


とのこと・・・昭和だ、圧倒的に昭和な感じ。

さすが神社で手筒花火をやる地域だけあって、ロケット花火をお寺に向かって放つことも、たいして違いはないだろうと子ども時代のSさんは思ったんじゃないだろうか。

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「うちの上司がすいませんでした」という気分でお賽銭を入れて手を合わせて、門をあらためてみたら

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「のびる芽に よい友 よい家 よい社会」

ときた。なんか笑えた。

さて、ここまでくると、暑さと歩き疲れでヘロヘロになってきたので、国府駅の近くにあるスーパーに向かう。

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Sさんによれば「昔はユニーだったが、いまは『ピアゴ』という名前になっている」とのことで、念のため旅行前に「そこには何か飲食店はあるんですか」と訊いたら「スガキヤはある」とのことだった(さすが愛知県)。しかし実際行ってみるとスガキヤもなくなっているようで、イートインができるパン屋だけが唯一利用できそうな場所だった。

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 こういう時間を過ごすことは予想できていたので、最近買い替えた「ポメラ」をこの旅では持参していた。おかげで、誰も何も知らない土地にいるという旅行特有の気分でもって、いつになく集中して楽しく物が書けた。このブログでの旅行記「その1」はこのときにあらかた書いたものである。

 そろそろいい時間かと思い、あらためて大社神社に向かう。神社への道中にあるはずだった、Sさんに教わった「伊藤乳母車店」はついぞ見つけられなかった。乳母車店ですよ。そういう専門店が成り立つという、これほど昭和な社会状況を示した業態は他にないかもしれないので、ちょっと見ておきたかった。


 しかし本当に今日がお祭りの日なのか不安になるほど街はおだやかで、あちこちに露店があるわけでもなさそうだった。


 そうして祭りがはじまる一時間前ぐらいに神社の近所まで来てみたら、やがて遠くから御輿を担いだ一群がやってきては通り過ぎていく。

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当たり前なのだが、「あぁ、ちゃんとお祭りがあって、そこに人が関わっている、よかった」という妙な安心感があった。あまりにそれまでの町が静かなので、住民すべてがこの御輿を動かしているかのようだった。

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 大社神社の境内に入ると、気合いを入れて三脚にカメラをセットして待ちかまえる数名の人々がいるのみで、わりと閑散としていた。そんなカメラ好きのおじさんたちの後ろにたたずんで、ボーッとお社などを眺めていた。

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 まもなく、町中を回ってきたと思われる御神輿(というか大筒の花火)が神社に入ってきた。ここでは国府町内の4つの町がそれぞれに分かれて花火を奉納する。また子供たちだけのグループもいて、大きな花火を御輿に担いで入場してきた。

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 そしてメインの大筒の御輿には2人ほどが上に乗って練り歩いているのだが(おそらく「幹事」と呼ばれている)、2つの町ではそのうちの1人が女性だった。Sさんによると昔は男子だけの祭りだったが、近年は女性の参加も見られるようになったという。当然、カッコ良かったので、どうしたって注目してしまう。

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 4つの町の御神輿が境内に集合すると、係りの人々が我々のいた場所のすぐ前にガードレールのようなもので仕切りを立て、お社の周辺に近づけないように囲った。つまりそれほどまでに危険性を考慮した祭りであることを感じさせた。

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ついでにいうと、私の前にいた三脚カメラのおじさんたちは、ガードレールがジャマできれいな構図にならないと思ったようで、仕方なく他の場所に移動していった。そのおかげで私は図らずも最前列ど真ん中の場所でこのお祭りを観ることとなり、旅先では相変わらず運の良さを発揮している(笑)

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 19時ごろで空もまだ明るいので、参加者はそれぞれ町内ごとに集合写真を撮っていたりするが、これから始まる儀礼にたいする緊張感もあったかと思う。そして消防署の職員さんが祭の責任者とお社の前の広場で何らかの打ち合わせをしている光景なども含めて、この場所全体に「サッカーの試合前」みたいな雰囲気を感じさせた・・・消防署の人だけがハッピ姿ではないのでレフェリーみたいなものに見えたわけである。起源をたどればサッカーもお祭りだからか。

 つづきは次回に・・・いよいよ花火! なのだが、どうやって文章と写真で表現したらいいのか、まだ模索中!


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ピアゴの食料品売り場で「みそ」のコーナーを念のためチェックしたら、Sさんが言うようにこの地域はやはり赤味噌の存在感が圧倒的だった。


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2016.08.03

「上司の故郷に一人で勝手に行ってみる旅」をしてきた(その2)

 精文館書店を出たあとも、すぐには上司のSさんの地元である国府に向かう気にはならなかった。Sさんからは「行っても何もないところ」と聞かされていたので、早く行きすぎて「何もすることがなくなる+休む場所がない」という状況は避けたかった。

 豊橋駅でもらった観光案内パンフをみると「とよはし物語館」というのが市役所にあるというので、路面電車に乗って向かってみた。

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 土曜日なので市役所は基本的に閉まっているのだが、脇にある入口だけが開いていて、エレベーターで屋上にいくと、その「とよはし物語館」があった。フロアにほとんど誰もいないのでちょっと怖かったが、晴天の街の見晴らしはよかった。

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 ここでは主に年表仕立てのパネルが展示され、豊橋の街の歴史と、そして同時に路面電車の歴史を並行して紹介していた。市電の路線をめぐる変遷は、そのまま街の戦前・戦後の変容とも関係してきて、高度経済成長に伴ってマイカーが増えていくにつれ、一時は路面電車が邪魔者扱いされていくあたりなども時代を感じさせる。

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 豊橋は軍隊の駐屯地があったり重要拠点であったため、終戦の年の空襲が特に激しかったようだ。Sさんの家も代々で砂糖問屋のお商売をやっていたが、この空襲で大打撃を被ったらしい。(追記:この箇所は間違っていて、空襲で焼けた工場はおじいさんの紡績工場だったとのこと。お父さんは砂糖問屋にて勤務されていたそうです。記憶がごっちゃになってました。

 市役所を出てすぐ近くに、味のある洋風建築があった。豊橋市公会堂と書いてあった。これは今あらためてネットで調べるとかなり興味深い建築物で、昭和6年にできて、その後も空襲を乗り越えてきた文化財であった。

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 印象的なのは、創建当時に屋根にいた鷲の彫刻がこうして設置されていたことだ。二羽並ぶとなんだか可愛らしくもある。

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 そしてさらにその近くには、豊橋ハリストス正教会聖堂というものがあり、こちらは大正2年に建てられたロシア正教の教会で、重要文化財に指定されている。そんなに仰々しくなくカジュアルな雰囲気で街の中に建っていて、晴天のなかで建物の白さがすごく映えていた。

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 あまり予備知識ないままに(Sさんの偏った地元トークの言説だけが頼りといってもよい)、思いつきでこのあたりに立ち寄ったが、こうした歴史的建築物を拝めたのは思わぬ収穫でラッキーだった。


 こうして豊橋駅に戻って名鉄線に乗ってすぐ、ついに国府駅に。

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 改札を出るときに見かけた名鉄の3連シリーズのポスターがあって、

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キャッチコピーが 「この街が、好き。」 ときた。
まさにSさんの溢れんばかりの地元愛そのままのようなポスターに迎えられ、感銘を受ける・・・というよりも苦笑するしかなかった。

 しかもよくみると一番左のポスターには落書きがされてあって、

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 ガンバレ熊本!! なんていい人たちだ、国府の人は!! と、そこはちょっと感動したかもしれない。や、落書きはダメなんだけども。

 あとこの地方のイラストマップが駅に掲示されていた。
 特徴的なのは、やはりあちこちの地域で手筒花火が行われているっぽいことである。

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そして特に左の男性は、工場地帯のような場所で盛大に花火をぶっ放しており、引火して爆発したらどうすんだと危険きわまりない。

 で、駅を出て、旧街道ぞいを南に歩く。暑くて、そして確かにこれといって目を引くものもない。そんな旅行者としての私がまず目指したのは、Sさんの心の故郷、愛知県立国府高等学校である。

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 国府高校は思っていたほど遠くにはなくて、すぐに見つけることができた。

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国府高校、声に出して呼べば「こうこうこう」である。ラップである。

 Sさんは常々「人格は高校時代でほぼ決まる説」を提唱しているので、そんな彼の人生を決定付けたといってもいい場所がこの学舎だと思うと、感慨深く・・・というよりも、「ホントに何やってんのよ自分・・・」という気持ちが強くなっていた。
 
 Sさんにとっての高校時代の想い出のなかには「高校の近所の駄菓子屋でチェリオを飲んで帰ったこと」というのも大きい要素のようで、「周りに何もなかったから」という事情も含めて、その駄菓子屋が今はどうなっているのか、そのあたりも見てみたいと思っていた。
 そしたら、高校の北側の門からほどなく、このようなお店があり、きっとここがSさんのいう駄菓子屋の名残だったんだろうと思った。

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 とはいえ中にはおばあちゃんが座ってテレビを見ているだけで、何かを売っているようにも見えず、ちょっと怖くて中には入れなかった。

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 ただし自販機は周りにたくさんあり、そして案の定チェリオの自販機もあった。

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 そこで何よりツボだったのは、あたかもSさんのいた時代からずっと放置していたんじゃないかっていうビンテージ空き瓶が野ざらしになっていたことである。これを見て私は「ここが例の駄菓子屋に違いない」と確信した。

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で、せっかくの記念なのでここでチェリオのジュースを買い、飲みながら校舎のまわりを歩いてみた。ちょうど野球部が練習をしていて、いかにも夏の高校って感じで旅情感を味わわせていただく。国府高校の野球部はSさんのいた時代に一度だけセンバツに出たことがあるそうだ。(追記:ここも間違いで、センバツではなく正しくは夏の甲子園でした)

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そして正門前にきたとき、近くでは工事現場のおじさんがウロウロしていたのだが、私は正門を背景にスマホで自撮りを敢行し、その場でSさんにメールで送ってみたりした。間違いなくこのときの自分は「卒業生が久しぶりに母校にきて自撮りしている図」を演じきっていた。

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意味の掴みづらい、妙な達成感があったわけだが、国府高校だけではなく、他にも確認しておきたい場所がまだあった。こうして高校を後にし、今度は北のほうへ歩いて行った。

つづきは後日。


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↑ チェリオの自販機の隣の家屋に掲示されていた、なんともいえない古い看板・・・


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2016.08.01

「上司の故郷に一人で勝手に行ってみる旅」をしてきた(その1)

 私の上司のSさんはとても地元愛の強い人で、生まれ育った愛知県・豊川や豊橋の話をよくする。とくに出身高校に強いこだわりを見せるので、私はSさんが高校時代にお世話になった、珍しい名字の「朧気(おぼろぎ)先生」という数学教師のフルネームだって暗記できてしまっているほどだ。高校を出た後、郷里を離れて京都の大学にきて、そのまま40年ちかく関西で暮らしてきたSさんにとっては、豊川で過ごした高校時代というのがきっと輝かしいノスタルジックな思い出になっているのであろう。

 しかしSさんにとって幸か不幸か、そういう郷土の美しい思い出を語っている相手としてのタテーシが、これがまったく郷土愛のかけらもない、むしろ地元のことを嫌っているフシもあり(ほぼ「せんとくん」のせい)、かつ、「旅に出たくなるネタ」を日々追いかけているような輩であることだった。こうして職場で日々Sさんから発信される豊川・豊橋をはじめとする東三河関連の情報に接するうちに、当初は(自らの郷土愛の薄さゆえに)その熱い地元推しのスタンスそのものを面白がっていたのが、Sさんの思い出話における固有名詞に慣れてくると、これらの地域に対する妙な親近感が芽生え、「これは実際に行ってみないと」となったわけである。

 なにより、この地方で伝統的に行われている「手筒花火」のお祭りがかなりファンキーでダイナミックな様相を見せており、どうせならその時期に合わせて行こうと考え、ようやく今年の7月末、まさにSさんの地元の国府(こう)にある大社(おおやしろ)神社での手筒花火の日にあわせて訪問することとなったのである。

 まず新幹線で豊橋駅に降りる。

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 豊橋市のマスコットキャラクター「トヨッキー」の出迎えにもあまり驚かないのは、すでにSさんから何度も見せられているからであろう。

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「トヨッキーにたいして言いたいこと」はいくつかあるが、それは職場でSさんに伝えておけばいいだろうと思い、何も書かずにやり過ごす。


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 さて、まず向かったのは豊橋駅からすぐのところにある「玉川うどん本店」である。開店直後におじゃましたがすでに賑わっていた。ここでは近年豊橋でプッシュされている「豊橋カレーうどん」がいただけるのだ。

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 見た目はふつうのカレーうどんであるが、知らない方のために紹介すると、こういうことなのである。

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 この大胆なコンセプト、これは一度は食べておきたいと思っていたので、あえて朝食を軽めにして出向いたのである。
 そもそもただでさえカレーうどんというのは気を遣いながら食べるものだが、この豊橋カレーうどんはさらに「お箸で底をかきまぜないように」という、いつも以上にシビアな動作が求められるのであった。

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 そのせいか、麺をお箸でひっぱろうとしても、器の底から何らかの「フォース」みたいなパワーが働いているような手応えを感じ(笑)、ゆっくり、慎重な箸さばきを意識しながら食べていくことに。

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 最終的には付属のスプーンに持ち替えて、お米部分をリゾット風にしてカレーのルーを綺麗に最後までいただくこととなる。なにより、とろろの食感がカレーのダシをまろやかにしてくれるので、「もはやすべてのカレーうどんはこの方式で食べたくなる!!」と思えた。つまりこれは「変わったカレーうどん」なんかではなく「新しいカレーうどんのスタンダード」という可能性を提案しているのである。

 このお店だけでなく豊橋エリア一帯のあちこちでこの豊橋カレーうどんは食べられるみたいなので、ぜひこの新食感を味わっていただきたい。

 うどんを食べたあと、近くに聞き慣れた名前の書店があった。

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 これもSさんの会話にたまにでてくる名前、「精文館書店」だった。最近はZINEの特設コーナーもあったとかで、そういう話もしていたなぁと思いつつ店内にはいると・・・


でかい。


とってもデカイ。


そして建物が入り組んでいて、よくわからない構造。

なかに眼科・コンタクトレンズ店だったり、最上階はいまどきのカードゲームが楽しめるコーナーが作られていて、そのすぐ横にはパソコン書コーナーがあったり・・・
よくよくみたら、何かとサブカルチャー系の本棚が異様に充実していたり。

「こういう大型書店、ありそうでないよな・・・」と、いまどきの書店にしてはかなりがんばっている雰囲気だった。

 なにより感銘を受けたのは、ワンフロアがぜんぶ文房具類の売り場になっていて、その豊富な品揃えには「これは、東急ハンズやロフトよりもレベル高いのでは!?」と素直に思えたことである。気がつけばガッツリと歩き回って日常的な買い物をしてしまったほどだ。

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 それに、ここで初めてお目にかかったグッズがあって、輸入雑貨なのだが、

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 これはつまり、マグネットの力を利用してこの器具ではさみ、ホッチキスの上側をあてがって、いくらでも好きな場所で「中綴じ」ができる、その補助具である。これは今まで見たことがなかった・・・中綴じ冊子を作るぶんにはコクヨの名機「ホッチクル」があれば事足りることが多いのだが、場合によってはA3サイズの冊子なんかを作る機会だってこの先あるかもしれないし、そのときにこの器具があればとても便利であろうと思い買った。

 そんなわけで、かなり広範囲にさまざまな商品を揃えた文具店で、正直これは地元にはないクオリティだったのでうらやましかった。そしてよく考えてみたら、上司のSさんは日頃から文房具にこだわりのある人で、ひょっとしてそのルーツは子ども時代からこのような店が生活圏内にあったからかもしれない、ということに思い至ったりした。

 こうして、豊橋に到着して2時間もしないうちに、カレーうどんを食べ、いろいろ文房具を観て回り、買い物をし、書店の各フロアをあれこれ観て回り、もはや当初の目的が何だったか分からない様相をさっそく示しているが、続きはまた後日。

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↑ 精文館書店の階段エリアのフロア表示がレトロモダンな感じでかっこいい。
あるいは「AC/DC」のロゴみたいな。 でもよくみたら餃子の王将のガラスコップみたいにも見えたり。

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