DIYなネタなのでこちらのブログに書く。先日のネタで使ったお面の作り方についてである。
スポーツ観戦だけでなく、ライヴ・コンサート会場、デモ行進、自主制作映画の撮影、現代アート、職場の歓送迎会、アリバイ作りなど、ありとあらゆる各種イベントで活用できる「リアルな写真のお面」の制作方法についてがっつりと説明をさせていただく。
まず、写真の選定について。
お面づくりは、それにふさわしい顔写真を探せるかどうかが成否のカギを握っている。画像の取扱いは自己責任で行ってほしいが、ネットの画像検索で、大きめのサイズで、しかも真正面の顔を探すのはとてもやっかいな作業である。ちなみに今回のネタに際してストイコビッチについては、過去に出版された2冊ほどの関連写真集なども古本で探しまくって入手したのだが、どうしてもいいものが見つからず、結局ネットでなんとかして探したのがこの写真だった。
で、コピー屋さんでB4サイズにプリントをした。コンビニでのカラーコピーでもいいが、少しでも画質を求める場合ならコピー屋の出力サービスへ。ただし店内の大きいプリンターからこれらの顔写真が表向きに出てきた状況には、大いにうろたえた。
(▲左側がコンビニのコピー機で出力したもので、どうしても納得ができなかったので、コピー屋であらためて出力したものが右のやつ)
なぜB4サイズにするかというと、実際の顔のサイズよりもちょっと大きめに作ったほうがデフォルメ感がでて、「これは、お面ですよ」という分かりやすさが増す気がするからだ。それと、もし原寸大にこだわってしまうと、着用する自分の顔のほうがデカかった、という哀しい状況が生じる可能性を避けたいのも理由のひとつだ。
他の人と一緒に収まると、その顔のサイズの大きさがよく分かるが、不思議なものでお面同士で並ぶと、そんなに違和感がないのである。なのでB4サイズは絶妙のサイズだと思える。
さてお面に使った素材についてであるが、
今回使用したのはタミヤの透明プラ板0.2ミリ(そもそもこのプラ板が昔からなぜかB4サイズなのである。まさにお面を作るために存在しているようなプラ板だ)。ぶ厚すぎず薄すぎず、ハサミで加工ができる程度がいい。そして白色よりも透明のほうが何かと作業しやすい。
これです ↓↓
まず顔写真のプリント用紙の裏側に、紙を透かして確認しつつ、顔の輪郭をエンピツで書いておく。
その顔写真とプラ板をテープで仮どめする。できればテープは最後の最後で切り落とされるであろう箇所でとめておく。
顔写真の用紙とプラ板がきっちり重なったら、こんどは油性ペンでプラ板のほうに、顔の輪郭線をなぞっておく。余白のところには誰の顔であるか名前を書いておくといいだろう。
輪郭をなぞったら、顔写真の用紙とプラ板をいったん外す。
そうして顔写真の紙に両面テープを貼り付ける。ホームセンターで、ガムテープほどの大きさの両面テープを仕入れてきた。幅4cmで、これをB4用紙の上から綺麗に並べて貼ると、ちょうどキリのよいところまで貼れる。
そしてここが最重要課題である。「いかにしてお面の視界を確保するか」である。
ありがちな失敗として、お面の目の穴を開けるとき、実際の写真の目の箇所を開けてしまうことである。
たとえば今回ベンゲル監督のお面について調べているうちに海外のサイトで「お面売ります」っていうネットショップの存在を発見し、みてみると
こんな感じで、お面の目のところが丸くくりぬかれている。
これは、シロウトの仕事である。
不思議なもので、絵画でも写真でも、最後には「目」が、すべてを決めるものなのだ。
眼球に反射する小さい光の点であったとしても、これがあるのとないのとでは、「生気」の具合がまったく変わってくる気がするのだ。
せっかくの目を切り抜くと、もうそれだけで一気にホラーなテイストだし、それでは子どもは近寄ってこないだろう。
しかもお面のサイズも大きめに作っているのだから、そもそも目の穴をあけたところで、実際に着用しても顔のサイズとあわない可能性が高い。
なので私のお面づくりの絶対的な方針は「原画の目は極力いじらない」ということである。腕の良い歯医者が極力虫歯を抜かないのと同じである。たぶん。
そこで解決法としては、顔面のなかで黒っぽい部分、つまり「まゆげ」とか「目のくぼみの影」とかをくりぬくことになる。
こうして作ると穴も目立つ気がするが、でも実際の現場でこれをかぶると、けっこう「どこから見えているんですか?」と聞かれたりする。それだけ違和感がないのだ。ましてや写真で写ると、眉毛に穴があることはいっそう気付きにくい。しかも眉毛だと横幅があるので、穴のサイズが足りなければ横に少しずつ広げていき、そうすることでかなり広い視野が確保できているのだ。このお面をつけながらサッカーの試合も観ていたのだが、支障を感じることはなかった。(周りの人にとっては支障だったかもしれないが)
この次に、顔にとめるためのゴムバンドを取り付ける作業にかかる。
いろいろなやり方があるだろうが、私はこのようにメガネをおいて、自分の顔の幅や目鼻の位置がどこにくるかを大まかに検討した。そうして油性ペンでだいたいの目印を書いておく。
ゴム紐はなんでもいいのだろうが、平べったいタイプのものを使用。今回はチームカラーにあわせて赤色に。
1本あたり40cm~50cmあれば充分だろう。
で、目印を付けた部分にゴム紐をあてがうのだが、先端が外側(耳側)に向くように配置している。別に逆向きでもいいのだが、極力「顔が接する面には余計な感触をあたえない(くすぐったいから)」のがポイントだ。
そうして、大きめのホッチキスでゴムをとめる。小さいホッチキスでも問題はないとは思うが、場合によっては距離が届かないかもしれない。タッカーを使うという手もある。
ポイントは、ホッチキスのトゲトゲした突き出る部分が、顔に密着する側と反対のところへでるようにしてとめていることだ。つまりできるだけ顔が接する部分をフラットに安全に保っておきたいという理由による。
場合によってはこのホッチキスの上にビニールテープを貼って保護しておいてもいいだろう。
このお面はただでさえ通常の顔よりもすこし大きいサイズであり、そしてお面のゴムバンドの始点が顔の端っこから始まってしまうと、着用したときにお面がかなり曲がってしまう。こうしたお面はフラットな形状を保っておきたいので、、着用者の顔の幅に合わせたゴムひもの取り付けが重要となってくる。
こうして、顔写真の用紙を貼る前に、ゴム紐をホッチキスで留めることにより、ホッチキスの芯をあとから写真で覆い隠すことができるわけだ。なのでこの順番を間違えないようにしたい。
両面テープを貼ってある紙とプラ板をセロテープなどで仮どめし、反対側の両面テープをはがしながらプラ板に密着させていく。
そうして顔の輪郭を切っていくと完成だ。
ちなみに最初に作ったバージョンでは、マユゲを切り抜いたのは表の顔写真の紙だけで、プラ板のところは切らずにそのまま貼り付け、透明の板がそのままマユゲに残る状態にした。でもテスト着用してみたらマユゲの部分に光があたり、反射するのが気になったので、最終的にはマユゲの部分の板もカッターで切り落とした。
というわけで、もっと他にもいい方法があるかもしれないが、ひとまずこれが現時点での私が考え得るベストの作り方である。
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