カテゴリー「HOWE」の記事

2020.05.09

動きの遅い私でも、いつでもメディアになりえること:『野中モモの「ZINE」:小さなわたしのメディアを作る』について

 

『野中モモの「ZINE」:小さなわたしのメディアを作る』(晶文社、2020年)

 

この本の帯にはこう書いてある。

「何かを作りたいと思ったら
 あなたはいつでも
 メディアになれる」

 フリーペーパーのようなものを作ってみたいと衝動的に思ったころの自分に言ってあげたい言葉だ。


 
 ごくたまに、若い人に向けて、自分が作っているものについての話をさせてもらう機会があったりする。そして私が高校3年生のときにフリーペーパー『HOWE』を作りはじめた頃のくだりで、必ず言いたくなることがある。
 それはきわめて当たり前のことなのかもしれないが、「人がメディアを語るとき、その人がどういう時代のなかで、どのような個人史においてメディアを捉えてきたか、そこを想像しながら聴いてほしい」ということである。

 私が自宅のワープロ機で最初のフリーペーパーの原稿を印刷したとき( とはいえインクリボンは高額だったのでめったに使わず、熱転写でプリントできる安い感熱紙であらゆる文書を打ち出していて、こうした保存がきかない紙で初期の『HOWE』を作っていたことを後々になって後悔することになるわけだが )、まだインターネットというものの存在は知らなかった。その年の暮れに「Windows 95」というパソコンの基本ソフトが発売されて盛り上がっている様子がニュースで盛んに報じられていたが、まだそのことの本当の意義やその直後に起こりうることはよく分かっていなかった。
 その翌年大学に入り、友人MSK氏に教えてもらい、図書館に置いてあるごく一部のパソコンだけがインターネットにつながっているというので、そこで私は初めてウェブサイトというものを見て衝撃を受け、それからはネットサーフィンに明け暮れるようになった。
 しかし私はそれでもホームページづくりではなく、すでに自分がカタチとして持っていた「新鮮な遊び」ともいえるフリーペーパー作りにもう少しこだわろうと思っていた。

 もしこのタイミングが少しでも違っていて、高校生の頃にインターネットに触れていたら、私はおそらく「紙によるメディア」を作ろうとはまったく思わなかったかもしれない。

 こうして個々人にとってのメディア体験を語ることは、その人の生きた時代なり技術史なりとの関係のなかにおいて受け止められることによってようやく「その時々の面白さや意味」が浮かんでくる。

 すでに『日本のZINEについて知ってることすべて』(誠文堂新光社、2017年)という決定的な仕事により、戦後占領期以後から現在に至るいくつもの自主制作印刷物について網羅的な解説をされた野中モモさんが今回の新著で取り組んだのが、まさにこの「メディア環境の変遷と個人史」を書ききることだった。まだ見ぬ若い世代の読み手にZINEの面白さや可能性を伝えるためには、やはりどうしてもこの作業が必要なのだ。おそらくご本人にとってしばしば書きにくさを感じるテーマだったかもしれないが、こうして日本のZINEカルチャーを応援し、また実践者としても試行錯誤してきた独自の取り組みのあれこれを読者と共有するためには、やはり野中さん個人による「私語り」からはじまっていくのが最もふさわしい。そしてそれは、決して「こういうルートがモデルである」というのではなく、むしろまったく逆で、「それぞれのオリジナルな自分だけの土壌から、いかにメディアを紡ぎ出すか」を示すことであり、そのひとつの手段としてZINEがあるのだ、ということだ。

 そして第2章からつづくのは、さまざまなZINEの作り手や、ZINEをめぐるコミュニティについての紹介になるのだが、そこにも「参考となるモデル」ではなく、「極めて独自の、他にない、その人ならでは」の話が連なっていく。だからこそZINEは「わたしがつくるもの/誰でもつくることができるもの」としての意味が深まっていくのであり、この本がトータルで伝えたいことも「お手本なんてないし、求められるクオリティなんて関係ないし、あなたの立ち位置から、自由に作ってみよう」なのだと思う。

 冒頭の帯のコピー、「あなたはいつでもメディアになれる」をあらためて考えると、これもそれぞれの読み手の世代によって、捉え方が違ってくるのだろう。今では誰でもメディアになれる(ならざるを得ない)ことは自明のことのようにすら思えるかもしれないが、この本でいう「メディアになる」というのは、技術革新のスピード感とは無縁のものだ。すでに広がっている、大きな組織や経済によって構成されてきた仕組みに同調するのではなく、それらと趣が異なる地平に降りていき、遠くにいるかもしれない誰かに向かって、自分の腕力でできる範囲で、その想いを放り投げ続けていくことなのだ。

 そうした試行錯誤が、たとえすぐには誰かに届かなくても、広い世界に向かって精一杯に腕を振って何かを投げたことで生じる、どこか心地よい疲労感が肩に残る感じ・・・その「手応え」みたいなものが、ZINEという「手間がかかって、なにかと遅いメディア」を自分の手で作り上げていくことで得られる楽しさなのだろうと思う。

 

 ・・・そして今回のこの文章はまさに、ここ数年のあいだ様々な言い訳を連ねて何もZINEやフリーペーパーを作ることができていない自分自身に、ダイレクトに跳ね返ってくるわけであるが・・・遠くに投げたいけど、その腕力もめっきり落ちてきまして・・・いやいや、がんばりますよ、ええ。

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2016.08.28

ドアーズのワークショップ「古雑誌のページを切り取って封筒を作ろう」実施報告

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お客さんが1人来るか来ないか、っていう状況で、ドアーズのスタッフさんにも加わっていただき、なんとかワークショップを無事終えることができてよかったです。


とても楽しかった・・・というか、とっっっても勇気づけられたのは、今回参加していただいたのが、60代のお父さんだったこと。


奥様に先立たれ、ご自身の親の介護もするうちに、たとえば介護施設などで自分が入ったときのイメージとして、「女性の多い集団のなかに加わって、何らかのもの作り(などの各種アクティビティ)をする状況などに自分がスムーズに入っていけるようにしないといけない」と思うようになり、こうしたいろいろなワークショップを今のうちに体験しようと思ってドアーズに何度も来られているとのこと。

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「・・・!!」


うぉぉーー!! って、思った。


そういう問題意識でもって、「ものを創ること」に慣れようとすることそのものに、非常に感じ入るものがあったのである。いやホント、自分はこのお父さんに出会うために今回のこのワークショップを実施させてもらう運命だったんだ、というのが今になって思う結論であった。

しかも、こういう場所に一人で申し込んで、娘や孫のような世代と、机を並べてファッション雑誌とかを切り取って封筒を作るというのは、すごく勇気と根性が要るはずである。自分が同じような歳になったときに、果たして同じような意欲をもってこういう場所に来ることができるのか? そこで突きつけられる問いは、これからずっと抱えていくものかもしれない。

そして何より嬉しかったのは、このお父さんも含め、ドアーズのスタッフさんにもこの封筒づくりの愉しさを共有してもらえて、「想像していた以上に面白い」という感想をいただけたことだった。そう、頭で分かったつもりでも、本当に自分の手を動かしてみてはじめて分かる「うわ、これ面白い!」のポイントが、この作業にはあるんです。

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みんなの作品を並べて鑑賞。
こうしてオフィシャルな場でこのワークショップをするのは3回目なのだけど、毎回誰が作っても、見事にオシャレな封筒ができあがるのが、あらためて自分でも驚いてしまうところ。

透明プラ板のテンプレートの大きさや向きによる「制約」のおかげで、雑誌の好きな部分を切り取るときに、どうしても普段の自分では切り取らないであろう角度や方向でカタチをとっていくので、「いつもの自分では思いつかない、大胆でダイナミックな構図で画面を切り取ること」が可能になっていくわけで・・・って、これも文章で書いても本当に伝わらなくって、実際にプラ板のテンプレートを片手に雑誌のページを切り取ってもらってはじめて実感してもらえることかもしれない。

お父さんもこのワザを身につけたことだし、雑誌を見つくろって、封筒作って、お手紙を書いたりして、誰かに渡してほしいなぁ、とひたすらそのことを祈りたくなる気持ちになった。

そうなのだ、自分がもの作りを教えるというより、やはりこれは自分自身にたいする学びと修行の時間でもあり、そのことを含めてワークショップというものがあるのだと、つくづく思った。
関係者のみなさまには、ひたすら感謝。

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2016.06.14

Lilmagさんで『HOWE』新作とTシャツづくりZINEを扱っていただいてます

野中モモさんのLilmagにて、『HOWE』の22号(こちら)、そして最新作ZINEである『Tシャツ印刷であそぶZINE』(こちら)を扱っていただいております! ありがとうございます・・・! Lilmagブログでもコメントをいただいておりますー(こちら)。

たしかに今回のハウは、きわめてマンガに近い描き方をしていて、それもおそらく『かくかくしかじか』の影響かと思える。

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ちょっと前になりますが、Harukana showの2週連続トークの2回目、Grassroots Media Zine3号をめぐる、ジョン・ホッピー・ホプキンズのことやZINEそのものについての対話(こちら)。
次のハルカナショーでもタテイシは語らせてもらっています。EASYのことや、ハウができたことなど。ストリーム配信は日本時間土曜日の朝8時より。くわしくは(こちら)。

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最近の「なんとなくシンクロニシティ」。

先日、ご飯を食べていたら友人からLINEメールで「冷酷度チェック」っていうサイトのURLが送られてきた(これね)。
ひととおり回答して、私の得点は「61:あずきバー・レベル」だったのだが、そんな結果をめぐって友人とLINEでやりとりしつつ、ふと気づいたのが、たまたま私がまさに今飲食店で食べていたのが、人生で3度目ぐらいしかオーダーしたことのないと思える「冷やし中華」だったので、なんか苦笑い。

あ、でもこれから積極的に冷やし中華は食べるかもしれない。なぜ今まであまり外食時に食べなかったのかよくわからないけど。

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世の中にはありとあらゆる学術学会があるのだが、最近見つけたのが「日本ゴルフ学会」(これ)。学会の発行する雑誌は『ゴルフの科学』という。

もはや私にとってこれは「看板屋の看板問題」に通じるところがあるが、きっと学会の年次大会はゴルフ場で学会を開催し、懇親会とかはゴルフをプレーするんだろうなー・・・ということは容易に想像される。

しかし私の予想をさらに越えて、学会大会の要項をよく読むと、学会のなかでゴルフ場でプレーすることを「フィールドフォーラム」という名称でプログラムに組み込まれていたりする。それはシンポジウムでも研究発表でもなく、「フィールドでフォーラムする」時間なのだそうだ。もちろん、ゴルフ学会がれっきとした学問としてゴルフを扱っていることは否定しないが、それでもきっとこの学会に出張する先生たちは事務方から「単にゴルフで遊んでいるだけじゃないんですか」と言われまくってて、いやいや、何らかのフォーラムがそこで展開されているのだよ・・・ということで、この名称を考えついた人は、なんだかすごいとすら思う。

ほかにスポーツの名称がついた学術学会はほかにもありそうだけど、ゴルフ学会ほどにその主題となるスポーツをプレーすることが年次大会のプログラムに堂々と組み込まれることってどこまであるのか、ちょっと気になってくる。


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2016.06.05

あらためてシャムキャッツ"EASY"@京都磔磔のことと、ハウ22号のこと

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あらためて京都磔磔のシャムキャッツ「EASY TOUR」、ありがとうございました。D.A.N.とシャムキャッツの共演に、ZINEの作り手としてあの空間を共有できて光栄でした。

最近何度も聴いていた(そしてこのブログのサイドバーにも動画貼り付けさせていただいていた)マイブームの曲『忘れていたのさ』からはじまったり、アンコールのシメは『なんだかやれそう』で終わって、聴きたい曲がぜんぶ聴けた感じがうれしかったです。

ZINE SHOP側から椅子に立って壁際から眺めた磔磔のステージ、あの角度でまたシャムキャッツのライヴを観てみたい。


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今回もご一緒させていただいたミシシッピさんの「そばちょこ」、おそばを食べるときの入れ物は「蕎麦猪口」と呼ぶものであること自体、いままで分かってなくて、他にもいろいろな使い道がありそうで、何よりこのデザインの存在感にひかれてゲット。


そしてこの日から配布させていただいた新作フリペ『ハウ』22号、あらためて表紙はこんな感じ・・・

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テーマは『ヘタな英語でも、生き抜いていくために』。
ちょっと説教臭い内容ですが、英語を学ぶことについて思っていたモヤモヤをぶつけてみました。
表紙の絵は、ピンクフロイドの『炎』のジャケですね、まるまる。

開演前に夏目さんに渡したらさっそく読んでくださり、「僕もそう思ってました!」っていう感想をもらったので、なんだかすごく背中を押してもらった気分。

これからジワジワと配らせていただきます。


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2016.05.31

フリーペーパー『HOWE』vol.22が完成(4年ぶり・・・)

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「ハウ」の新作、できました。

今号のテーマは「ヘタな英語でも、生き抜いていくために」。
英語とのつきあいかたについて、思うところを書きまくってます。

まずは木曜日のシャムキャッツ「EASY TOUR」@京都磔磔に持って行きます。持って帰ってもらえると嬉しいです。

ちなみに今回の印刷も「京都カンプリ烏丸店」でお世話になったのだけど、カンプリの店舗によって両面印刷についての方針が異なっているようで、ここの店では「1時間程度乾かせば裏面に印刷してもいい」ということだったのが実に助かる。片面を終えた印刷物を置かせてもらって、店を出て四条通まで歩いて京都芸術センターでフライヤーとかチェックしにウロウロしたりCOCON烏丸ちょっとのぞいて帰ってきたら余裕で1時間は過ぎていった。

「EASY」が終わってからは、徐々にいろいろな方面で配布をさせていただきます。
よろしくです!

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2016.03.04

シャムキャッツ「EASY TOUR 2016」の京都公演@磔磔にZINE SHOPで出させていただきます

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シャムキャッツのイベント「EASY」が、今年は全国ツアーになっていろいろな街で展開されるとのこと。

そして6月2日(木)の京都公演@磔磔では、タテイシもZINE SHOPに出させていただきます! ヒョウ!

それまでにフリーペーパー「ハウ」が配布出来るように準備します!
他にも何かいろいろ作っていきたいです!

ライヴの状況的&時間的にその余裕があるかどうか分からないけど、できる範囲で毎度おなじみの「即興ZINEづくり」も出来るようにしたいと思ってます。

濃密な夜になりそうですっ!

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2016.02.07

昨日のハルカナショーでのポッドキャスト


毎度おなじみ、イリノイ州アーバナ・シャンペンからのコミュニティラジオ番組「harukanashow」の昨日の放送分「No.255, Feb.5, 2016, Tateishiさんの華麗なる南欧の旅と意外なマストアイテム」、ポッドキャスト版もアップされております。よろしければぜひ。
こちら

うつくしくない話題で申し訳ない気持ちもありつつ、ずっと多くの人に言いたかった「いかに携帯ウォシュレットがすばらしいか」を思う存分語れたので、とても満足感があります(笑)

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2016.02.03

仕切り直しのフリペづくり

 「最新号」がすでに4年前のものとなっていたフリーペーパーの新作は、取りかかって2年近く停滞したまま放置状態だった。
 それらをリセットして別のテーマで衝動的に作りたくなったから、仕切り直しに踏み切る。

 日々の落ち着かなさや慌ただしさは言い訳にならないのである。

 でも、そうやって重い腰をあげて少しだけ前に進むと、「締め切りっぽい目標期限」が予想もしないきっかけでやってきたりする。くわしくはまだ何も書けないのだが、そういうタイミングも含めて、これらが無事に完成までこぎつけられるように・・・と願う。

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 あと、今年は年明けからブログ更新頻度を意識的にあげております。だいたいこういうのは最初だけなんだろうけど(笑)

や、今年はブログ重視でいきますよー。

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2015.08.31

10/10(Sat) 渋谷O-West/O-nestでのシャムキャッツpresents「EASY2」のZINE SHOPに今年も参加させていただきます!!

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シャムキャッツによる豪華ライヴイベント「EASY」が今年も開催ということで、
EASY ZINE SHOPへ、今回もお声がけをいただきました。うれしいです!
(昨年参加させていただいたときに書いた記事は→こちら

・・・ええ、

「なんとか、なんらかの、『新作』が出せるように、がんばります。」

ということしか言えません、いま!!(笑)

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昨年のタテイシのブース。

(もし仮に『新作』が出せなくても)
長丁場のイベントなので、時間がたっぷりあることをいいことに、今回も「あなたの好きなテーマで即興でZINEつくります企画」やります、かならず!

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昨年、となりのブースだったサヌキナオヤさんにオーダーいただいたZINE。

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こんな調子になりますけど(笑)。
ライヴとライヴの合間にオーダーしてくれたら、高速で書き上げます!(たぶん)
「EASY」ご来場の記念に、ぜひ!(もはや観光地の『写真撮影します』的な風情で)

「EASY」について詳しくは(こちら)へ!!

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2015.08.11

PARC自由学校にてZINEの話をさせていただきました

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個人的にこの夏最大のイベントといっても過言ではない、ZINE『未知の駅』のさぶさんによるPARC自由学校での講座「あなたのZINEを名刺がわりに!:リトルプレス制作のススメ」におじゃまさせていただいた。
一連の講座やワークショップを経て、多様な受講生のかたがたによる合作のZINEができていたり、連続講座ならではの、受講生どうしのつながりが深まりつつあるなかに、このタイミングであれこれとZINEづくりをめぐる話をさせていただいた(ていうか、話長すぎてすいませんでした、っていうぐらいに・・・)

そしてこの日の受講生およびスタッフのかたがたに向けた「限定10部のZINE」として、主に後半部分のトーク内容を要約した(あいかわらずの手書きスタイルで読みにくいかもしれない)冊子を作ってきたので、配布させていただく。最初につくったフリーペーパーも10部のみ印刷したので、初心に帰った気分でもあり。喜んでもらえたようでうれしい。

ここではカルチャーセンター的な「つくりかた」を教えこむ講座というのではなく、「ZINEなんかに興味を持ちつつある自分たちが、今までどういうことをやってきて、これからどうしていこうか」っていうことを、ちょっと知らない人たちをまじえて、手を動かしながら、頭をひねりながら、ぽそぽそと語っていけるような、そういう「空間と作業」の場なんだろうと思えたので、なおさらここに来させてもらうことができて嬉しかったのである。

つまりそのちょっと面倒くさいかもしれない「ぽそぽそ感」みたいなもの、それをひっくるめてZINEづくりがあると思っていて、それが先日、まさにさぶさんらと実施したカルチュラル・タイフーンで言わせてもらった「ZINEは動詞として捉える」っていう感じに通じている。

だから、ZINEをテーマにした講座ではあるものの、ここで得られた刺激を糧にして「ZINEじゃなく、明日から陶芸をやろう」とかでも全然いいと思っている。ただし、その場合は「ZINEづくりにも触れたことのある陶芸づくりの人」という存在になっていたりするわけで、常に何らかの創造性や好奇心を発揮する、そのかたわらに「ZINEを使って/作って、何かをするというオプション」がついている、そういうのってとても素敵なことだと思う。

そんなわけで、自分の話を聞いて「何かやってみよう」って思ってもらえるべく、ZINEやDIYの話や市民マラソンの応援の話やお面づくりの話などなど、楽しんで聴いてもらえそうなネタをありったけぶつけてみた。

ちなみに「市民マラソンでJリーグのユニフォーム姿のランナーさんを応援する話」のとき、例としてJリーグのクラブ名のコールを実演するべく、そのときとっさに浮かんだクラブ名がなぜか、どういうわけか「ジュビロ磐田」だったのだが、何とその場にいた受講生のなかに、よりによってジュビロのサポーターの方がいたというのは、シンクロニシティというか奇跡というか。こういうことがあるから人生って素敵。(現在Jリーグのクラブは1部から3部まであわせたら53チームあるので、なかなかの確率)

あらためて、東京に呼んでいただくべく苦心されたであろうさぶさんやPARCのあさださん、そして受講生のみなさまに感謝。またZINE読ませてください!!

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そしてせっかく東京にきたので、翌日は汐留のパナソニックのミュージアムでやっていた「アールヌーヴォーのガラス展」にいってみたり。顔に似合わず私はアールヌーヴォーもガラス工芸も好きなので、これはとても興味深かった。iPodでアンビエント・ミュージックを脳内に流しながらガラスを凝視していれば、恍惚トリップ状態に近い、ハイな楽しみ方ができた(笑)。ちなみにこれ、HPやチラシで紹介されている代表的な展示作品より、他に展示されていたやつのほうが個人的に超ハイテンションな作品がわりと多くて、予想以上にブッ飛んでて美しく綺麗で超絶技巧な作品があったことも付け加えておきたい。

それともうひとつ、新橋の赤レンガ通りにある田宮模型の直営店「プラモデルファクトリー」にも行ってきた。もはやプラモデル作りは遠い昔にやったきりではあるが、自分のなかの子どもの部分がキャアキャアと叫びたくなるような気持ちになれる場所で、ここもある種の「癒やし空間」なのであった(だからこそ、新橋という場所にあるんだと思う。スーツ姿のおじさんたちがこぞって仕事帰りに癒されているはずである)。ていうか、正直こんな店がもし近所にあったら、間違いなくプラモ作ったりRCカーにハマっていきそうなので、東京にあるぐらいがちょうどいい(笑)

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そして2階フロアでは、土日は親子でミニ四駆を作ったり長いコースで走らせることができる場所になっていて、ガラス越しに見学もできるのだが、これが痛快な様相を示していて、ある種のカオスなレーシングサーキットと化していた。最近のミニ四駆のスピードの速さがとんでもなく、それに伴って大量のクルマがあちこちでコースからはみ出て飛ぶわクラッシュするわ他のマシンをなぎ倒すわで、それでもトータルでみると楽しくて穏やかなひとときを過ごせる場所になっているのであった。親子でミニ四駆を工夫して改造して作り合うっていうのは、これは間違いなく素晴らしい趣味なわけで、田宮模型の慧眼というか企業戦略には、それこそ子どものときから今に至るまで、人生でずっと感心させられっぱなしである。

こうして書いてみると、ZINEだったりガラス工芸だったりミニ四駆だったりと、「ものづくり」をめぐる東京滞在になっていたことに気づく。強引なまとめとしては(笑)。

★そうそう、実は最近私もこのマンガ ↓ まで買って読んでしまったりする(笑)。オトナがミニ四駆にハマるとどうなるか、っていう作品。熱いです。

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